ゴルフ規則に載っていない特別ルール「ローカル・ルール」

ローカル・ルールとは

ゴルフ規則に載っていない特別ルールを普段何気なく使っているかもしれないということをご存知ですか？
「特設ティーからの前進4打ルール」や「ワンペナ・ゾーン」ルールは、ゴルフ規則には載っていません。
これらはローカル・ルールです。

ゴルフプレーは原則として、JGA（日本ゴルフ協会）及びR&A（ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ・オブ・セント・アンドルーズ）が発行する世界共通のゴルフ規則に基づいてプレーされなければなりません。
しかし、それぞれのゴルフ場、それぞれの競技において、悪天候などによってコースの状態が良くないときなど、何らかの事情のためにローカル・ルールが適用されるケースが多々あります。

ローカル・ルール（Local Rules）とは ゴルフ場や競技委員、またはそれぞれのコンペなどが定めたゴルフ規則の一部を変更する独自のルールのことです。

6 インチ・プレースや１クラブ・レングス・プレースを認めたり、バンカー内の石を「動かせる障害物」とすることによって石を取り除けるようにしたり、ティーショットがO.Bやロストボールの場合、前方特設ティーからの前進4打ルールを設けることなどは、最も一般的なよくあるローカル・ルールの例です。

クラブハウス内やキャディーマスター室前の掲示板、そしてスコアカードなどに書かれているローカル・ルールをスタートする前に確認しておきましょう。

矛盾するローカル・ル－ル

ゴルフ規則で定められているローカル・ルール制定の方針では「地域的な異常な状態に対応するため」とあります。
しかし、ティーインググラウンドの概念と矛盾する「前方特設ティーからの前進4打ルール」やコース状態が良いにもかかわらず「6 インチ・プレース」を採用したり、プライベートでよく使われる「OKパット」などは、本来のルールに規定されている方針に矛盾しているといえます。

このような矛盾したローカル・ルールは、スロープレー防止策のやむを得ない措置としてゴルフ場が制定、もしくはプライベートなプレーやコンペで決められているということです。
本来のゴルフ規則に反しているローカル・ルールがあることを理解しておいてください。

ローカル・ルール　「ワンペナ・ゾーン」

その他、多くのゴルフ場で制定されているローカル・ルールのひとつとして「ワンペナ・ゾーン」があります。

ゴルフ場で決められた境界区域にボールが入ってしまった場合に、1打罰を加えてボールを移動させるローカル・ルールです。「１ペナルティーで境界線を横切った付近からプレーを再開する」ことから、一般的に境界線の外側の区域のことを「ワンペナ・ゾーン」という呼び名で使われています。

OBゾーンではありませんが、隣接するホールや急斜面下など、そこからプレーすると進行上時間がかかってしまうような場所に「ワンペナ・ゾーン」が設定されています。
ゴルフ規則ではなく、あくまでローカル・ルールなので、ゴルフ場によって違いがありますが、一般的に黄色と黒の縞模様の杭(トラ杭)で表示されていることが多いです。

打ったボールが「ワンペナ・ゾーン」に入ってしまった場合、ローカル・ルールに従って規定の場所に移動させることになります。移動場所は各ゴルフ場によって異なりますが、1罰打を加えた上で、「ワンペナ・ゾーン」を横切った地点の近く、もしくは一番近いフェアウェイにドロップしてプレーを再開するという規定が一般的な処置となっています。
スタート前に処置方法は確認しておきましょう。

このルールもゴルフ規則に明記されているものではなく、「ワンペナ・ゾーン」ルールを採用していないゴルフ場の方が多いと思われます。
あくまでスムーズにプレー進行をさせることを目的としたローカル・ルールであるため、当然ながら公式競技において採用されることはありません。
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