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ゴルフのドライバーショットの初速は、プロゴルファーで時速約250km/hと言われている。一般プレーヤーでも時速約200km/hぐらいにはなるという。このスピードで飛んできた固いゴルフボールが人に当たれば、怪我だけではすまないことは想像できる。
それだけの危険を承知していたとしても、思いがけなく打球事故は起こる。
ギャラリーが流血!松山秀樹プロの打球事故
2015年6月、アメリカオハイオ州のミュアフィールドビレッジGCで開催された「ザ・メモリアルトーナメント」3日目。大会連覇を狙う松山英樹プロのミスショットが、ギャラリーの額を直撃。白髪の男性が流血するという打球事故のアクシデントに見舞われた。
男性はその後、カートで向かった救護室で検査を受けたが幸いなことに軽症で済んだ。傷口を針で縫う治療やMRI検査も不要で歩いてコースを後にしたという。
これはたまたま幸運なケースである。
打球事故で亡くなるなど、最悪なケースは実際にある。
過去の打球事故の事例
2007年6月、熊本県のゴルフ場で、20~30メートル斜め前に立っていた同伴プレーヤーのこめかみ付近にボールが直撃して、3日後に亡くなったという事故があった。
また、それより前の2002年4月にも静岡県のゴルフ場で、同伴プレーヤーの頭部にボールが当たりなくなるという同様の事故が起こっている。
その他にも、幸い命は助かったものの後遺症が残るというケースは多々ある。
長くゴルフをされている方なら、たとえ当事者でなくとも身近なところで1度や2度の打球事故をみたことがあるはず。私の身近なところでも過去に2度の大きな打球事故があった。
1度目は、他のゴルフ場でプレー中に起こった。同伴プレーヤーのセカンドショットが、木に当たって後方へ跳ね返り、同伴キャディーの頭部を直撃。おでこに大きなこぶができたのですぐに冷やしたが、気丈にもそのキャディーは最後まで業務を続けた。ただ頭部のことなので後日に何か症状が出るのではないかと心配であったが、大丈夫だった。
2度目は、有馬カンツリー倶楽部で起こった。茶店前でプレーヤーが出てくるのを待っていたキャディーの頭部に隣接ホールから打った打球が当たり、頭蓋骨陥没骨折という大怪我となった。キャディー業務に復帰するまでに半年以上を要した。
このような打球事故を無くすためには、ゴルフ場の安全対策の徹底とともに各プレーヤーの安全に対する細心の注意が必要である。
前の組への打ち込みは最も危険な無作法
たとえ、いかなる理由があったとしても、安全への確認を怠り、前の組へ打ち込む行為はゴルフにおいて最も危険な“無作法”である。
また、幸いに当たらなかったとしても、前の組のプレーヤーを驚かして危険な目に合わせたことには変わりない。
「また、いつ打ち込まれるかも・・・」と、その後のプレーを安心して楽しめなくさせてしまう。
誰も「打ち込んでやる!」と思って打ち込む人はいない。
しかし、「もう大丈夫だろう」と思って打ったあげくに打ち込んでしまうということがある。
混み合っているときなど、イライラがつのり、1分1秒でも早く打ちたいという気持ちが先に出て、「絶対にあそこまでは届かないから大丈夫!」と待ちきれずに打ち込んでしまったなど。
また、今までに出たことのないようなナイスショットが出たり、予想外の強い追い風に乗ったりして、打ち込んでしまうこともあるかもしれない。
これらはすべて、出るべくして出たのである。判断ミス以外の何物でもない。
落ち着いてよく考え、よく観察していれば防げることなのだ。
打った人には、どんなスーパーショットでも、前の組に打ち込んでしまったショットは、最悪のミスショットでしかない。
どんな理由や言い訳があるにせよ、絶対に打ち込まないように注意しなければならない。
打ち込みのマナー違反はどこから?
前の組のどの位置にボールが落ちれば「打ち込み」及びマナー違反にあたるのだろうか。
それは、前組のプレーヤーに直撃の危険がないにせよ、その人の近くでボールの落ちた音が聞こえたとき、プレーヤーを驚かせた上、「もしかしたら当たっていたかも・・・」と不安を感じさせてしまったら、それは“マナー違反”と言わざるを得ない。
従って、ボールが直撃しない位置に落ちたとしても、前の組の近くに落ちてしまったなと感じたり、前の組のプレーヤーが驚いた仕草を見せたりしたら、速やかに謝罪することが大切である。
当たっていなくても、すぐに謝罪の気持ちを表す
ボールを打ったときに「危ない!」と思ったら、即座に「フォアー!!」の大声とともに、届く声で「すみません」の言葉を発し、手を上げるなり頭を下げるなりのジェスチャーで謝罪の気持ちを表すべきである。
そしてそのホールか、または次のホールで、すぐに前の組まで行き、直接謝罪をしよう。
「あとで謝ろう」という対応は、自分本位であって有効な手段とはいえない。
謝罪は相手から許しをもらってはじめて成立する。出来る限り、速やかな行動で謝罪を示そう。
万が一、直撃したときの対応
その場で動けないほどの重大な事故になってしまった場合には、ただちにプレーを中断してゴルフ場のスタッフと連絡を取らなければならない。コース内に救急車が入ってくる場合もるので、できるだけその場所の詳細な情報も同時に伝えてほしい。
軽傷の場合でもなるべくプレーは続行させずに、一度医師の診断を仰ぐ方が良策といえる。
万が一に備えよう。1日限りの保険もあります。
細心の注意を払っていたとしても「打球事故は100%起こらない!」なんていうことはあり得ない。
万が一に備えておくことは大切である。
賠償責任などを考慮し「ゴルファー保険」には必ず加入しておこう。
「そうはいっても、滅多にゴルフをしないから・・・」という人でも、万が一に備えたいもの。
今、携帯電話会社の保険で一日から加入できるゴルファー保険がある。約300~500円程度で、お使いの携帯電話やスマートフォン、タブレットからすぐに契約することができる。興の味ある人は、あらかじめ確認しておいてほしい。
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※2022年6月12日調べ
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※インターネットでゴルフ規則の全文がご覧いただけます。
公益財団日本ゴルフ協会(JGA)サイト
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/rulebook/index.html
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