襟のある服装がゴルフウェアの最低限のマナーとなった理由
世界遺産でのマナー違反
2013年にユネスコ世界文化遺産に登録された当時、富士山を撮影しようと多くのカメラマンが訪れ、富士山と桜の有名な撮影スポットでは「撮影の邪魔だ!」として、ソメイヨシノやシダレザクラの枝が切られたり、引きちぎられたりする被害が多く寄せられた。
また、世界自然遺産に1993年に登録された屋久島では、有名な樹齢3000年以上と言われる縄文杉の樹皮を鋭利な金属もしくは石等で削り取り持ち去ったという被害が2005年頃から問題となってきた。
世界遺産に認定された名所だけでなく、多くの観光地においてもマナー違反では済まされない被害が発生している。北海道美瑛町の例では、丘と畑の美しい景観が、訪れる人を魅了している一方で、押し寄せる観光客が地元の農家に大きなストレスを与え、時には強い怒りを買ってしまうケースが増えているという報道もあった。
「人は悪かれ我善かれ(ひとはわるかれわれよかれ)」とは、「他人はどんなひどい目にあってもかまわない。自分さえよければそれでよい。という利己的な人をあざける意」のことわざである。そこまで思っていなくても、拙速な行為から、結果としてそうなってしまっているということのあまりにも多いこと・・・。今少し、思慮深くあって欲しいと願う。
「人は悪かれ我善かれ」を防止するゴルフマナー
ゴルフでは、このような拙速な行為を戒めるためのゴルフマナーがゴルフ規則に記されてきた。
不必要なコース損傷の防止
・プレーヤーは、練習スイングでディボットを取ったり、クラブヘッドを地面に叩き付けて(怒ってであろうと他の理由であろうとを問わない)コースを傷つけたりすることのないようにするべきである。
・プレーヤーはバッグや旗竿を置くときに、パッティンググリーン面を傷つけないように心掛けるべきである。
・パッティンググリーンのホールを傷つけないようにするためには、プレーヤーやキャディーはあまりホールの近くに立ってはならないし、旗竿を抜いたり立てたりするときや球をホールから取り出すときは、特にホールに注意しながら行うべきである。
・パッティンググリーン上にいるとき、プレーヤーは(特にホールから球を取り出すときは)パターに寄りかかったりなどしてはならない。
・旗竿は、その組のプレーヤーがパッティンググリーンを離れる前に、ホールの中に正しく戻しておくべきである。
・ゴルフカートの走行についての注意事項は厳格に守るようにするべきである。
これらはコースを守るだけでなく、後から来るプレーヤーへの心くばりのマナーである。ゴルフをはじめたばかりの人には、「なぜ、そうしないといけないの」「あとから来るプレーヤーに対して、何が迷惑となるのか」をきちんと理解していただきたいと思う。
◆ミスショットをしても、感情を爆発しない!
ショットの失敗をクラブや芝生面の仕業とばかりに、クラブヘッドを地面に叩き付けてコースを傷付けたりすることのないようにしてほしい。
またミスショット直後に思わず出る「しまった!」「噛んだ!」「やってしまった!」などの悲鳴に近い叫びや、その後までブツブツ続くショットの言い訳は、周囲のプレーヤーに不快な思いをさせてしまうことになる。大声を出してしまった後は、すぐに気分を直すことが周囲に対するエチケットといえる。
ゴルフはメンタル・コントロールが重要。ミスショットをしても、出来るだけ感情をコントロールできるように努めよう。
◆ホールカップ周辺は靴一足以内は踏まない
「ナイス・イン!」でホールカップに入ったボールを拾い上げるとき、少なくとも靴一つ分は離れたところから拾い上げよう。
また、ホールカップをまたいで歩かないように注意しなくてはならない。なぜなら、ホールカップ付近の芝を蹴り上げてスパイクマークをつくってしまうかもしれないからである。
ホールの縁を踏むと角がつぶれたり、凹んだりする。ホールカップ付近が凹むとパットの行方に影響がでてしまう。
そしてホールカップから拾い上げた後は、1歩後ろへ下がって、またぐことなくホールカップから離れるようにしよう。
◆パターを杖にしない
他のプレーヤーがパットしている間、パターを杖代わりにして、それにもたれてパッティンググリーンを傷つけないようにしよう。とくにホールカップからボールを取り出すときに、もう一方の手でパターを杖にしないように注意してほしい。
グリーンの面はデリケート。必要以上に芝生に重みを掛けて、表面に凸凹をつくらないように注意しよう。
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※インターネットでゴルフ規則の全文がご覧いただけます。
公益財団日本ゴルフ協会(JGA)サイト
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/rulebook/index.html
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