「来た時よりも美しく」は、ゴルフマナーの最重要ポイント!

谷光高

谷光高

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W杯日本人サポーターのゴミを拾う行動が世界中で称賛

サッカーワールドカップ(W杯)2014年ブラジル大会や2018年ロシア大会などでは、日本人サポーターが熱心な応援の後、チームのシャツと同じ青色のポリ袋を使って観客席のごみ拾いをしている姿が地元紙やインターネット上で常に話題にのぼっている。メディアによって好意的に伝えられ、日本人のマナーをたたえる声が世界中で広がった。

ゴルフコース利用のマナーも「来た時よりも美しく」

ゴルフマナーにおいても「来た時よりも美しく」という心配りが大切だといえる。ゴルフ規則第1項には「すべてのプレーヤーに期待される行動」としてコースをしっかり保護することが定められている。

これは単にコースの芝生を大切にしようという意味だけでなく、後から来るプレーヤーに迷惑の掛からないようにするため、芝生に与えたダメージは自らが修復し、バンカーショットで動かした砂は平らに戻すといった行動を実践しようということである。
バンカーショット

(1)バンカー

バンカーから出る前に、プレーヤーは自分が作ったバンカー内の穴や足跡は当然のことながら、近くにある他のプレーヤーの作った穴や足跡もすべて入念に埋め、平らにならしておくべきである。
バンカーの近くにあるレーキ(バンカーの砂を平らにならす道具)を使ってバンカー内の穴や足跡をならす。

◆バンカーの正しい出入りと均し方

バンカー均し
バンカーを歩けば足跡がつく。アドレスで足場をつくれば深い凹みになる。ショットをすれば砂がえぐれる。これらの跡はバンカーの周囲に置いている「レーキ」で、正しく平らにならすようにするべきである。

★☆正しいバンカーのならし方☆★

➀「レーキ」を持って入る
 バンカー内のボールがあるところまで5、6歩以上歩くときは、クラブとともに「レーキ」も持っていこう。ルール上、レーキ をバンカー内に持って入って、ショットの邪魔にならないところに「レーキ」を置いても問題ない。

②近くて低いところから入る
バンカーの入り口は、ボールになるべく近くて、バンカーエッジの低いところという2つの条件を満たす場所から出入りするようにしよう。出入り口は近い場所ほど均す足跡が少なくて済むし、バンカーエッジの低い場所は、足跡の深い凹みをつくらなくて済む。

③凹んだ砂を平らにならす
砂が深く凹んだところは、まず周りから砂を寄せて平らにする。次に全体をならすが、レーキをドンと砂面に置いてそのまま引いたり押したりすると、多くの砂を一緒に動かすことになって結局平らにならすことができない。レーキの先端をそっと置いてから、前後にゆっくり動かして平らにならすようにする。

④後ずさりで入ったところから出る[/小見出し
バンカーからの出口は、入ったところから出ることが基本である。ボールのところまでの往復が同じルートであれば、ならす足跡が最小限で済む。ショットした場所をならした後は、後ずさりで足跡を「レーキ」でならしながら速やかに出よう。

⑤「レーキ」は正しく戻す
後続のプレーヤーが「レーキ」を探さなくてもいいように正しい位置にレーキは戻すようにしよう。

(2)ディボット跡やボールマーク、靴による損傷の修理

プレーヤーは自分たちの作ったディボット跡(ディボットとはショットの際に削れてしまった芝を指す。 芝が飛んでしまった跡の箇所についてはディボット跡という)やボールマーク(球の衝撃によってパッティンググリーン面にできた凹みのこと)を入念に直しておくべきである。
また、ゴルフシューズのスパイク等によってパッティンググリーン面に作られた掻き傷なども直しておくべきである。

◆砂袋とスコップを持って、ディボット跡の修復

ディボット直し
ティーイングエリア、フェアウェイやラフでショットした時に芝生を削り取った(ディボット)跡は、砂を入れて、後続プレーヤーのプレーに支障がないように努めるべきである。

ディボット跡は景観を損なうばかりでなく、後続のプレーヤーの球がこのディボット穴に入ると、ルール上プレーヤーはそのまま打たなければならない。自分のディボット跡のみならず、忘れられた他のディボット跡もひとつでも多く修復するように心掛けるべきである。

★☆ディボットの修復方法☆★
①ティーインググラウンド付近に目砂箱があるので、ディボット用の砂袋に砂を入れて準備する。
②ショット時に芝面を削った場合、削り跡に砂を適量入れる。
③足で踏んで、平らにならす。
④自分のつくったものでなくても、忘れられた深いディボット跡があれば、砂を入れて平らにならしながら進んでもらいたい。

◆グリーン上の凹み「ボールマーク」を直す

ボールマークの修復
パッティンググリーン上に、ボールが落ちた時に出来る小さな窪みをボールマーク(ピッチマークともいう)という。ボールマークはパットに影響を及ぼすために、必ず自ら修復することがマナーとなっている。ボールマークは「ディボット・スティック」を使って丁寧に直そう!

★☆ボールマークの修復方法☆★
➀ボールマークを見つけたら、ディボット・スティックを持つ。
②ボールマーク全体をしっかり深くまで、数回抜き差しする。
③全体が盛り上がってきたら、パターのソールなどで平らになるようにトントンと押さえる。

※修復時の注意:グリーンの芝生はたいへんデリケートです。無理に芝生を寄せたり、持ち上げたり、ねじったりしないようにしてほしい。根が切れて回復がさらに遅れる原因となる。直しているつもりでも芝生には良い影響をもたらさない。


これらは、プレー上やむを得ず変えてしまったコースの状態を元の状態に戻すということで、「元の状態」とは、ルールに則って後から来るプレーヤーに迷惑の掛からないように適切な状態に戻すということである。

自分が付けた損傷だけを修復するのであれば「来た時のように美しく」であり、他人が付けた損傷についても修復することよって「来た時よりも美しく」となる。



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※インターネットでゴルフ規則の全文がご覧いただけます。
公益財団日本ゴルフ協会(JGA)サイト
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/rulebook/index.html
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谷光高
専門家

谷光高(ゴルフ場経営者)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

谷光高プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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