話し合いで解決しない事もある

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦は話し合ってはいけません



これまでに、何度も同じテーマで書いてきましたが、大事な事なので、何度も繰り返して書きますね。
日頃、このコラムでは「夫婦は話合ってはいけません」と書いています。
これは、浮気問題に関しては、話し合ってはいけません、という注釈付きです。
今日はここをおさらいします。ちょっと、長文ですが、ここが浮気問題を解決する肝の部分ですから、ちょっとお茶を用意して読んでください。

どんな事でも社会には、意見の相違やコミュニケーションが取りにくい場面はおきてきます。
そういう事においてはいくらでも話し合って意見のすり合わせをして頂きたいのです。

でも、こと浮気問題においては意見の相違どころか、互いの目的が違うのです。
特に話し合いというのはお互いが歩み寄ろうという事の手段です。
だから、話し合いをお互いに合意しているという前提が必要なのです。
その合意がない話し合いは、その場から逃げたい気持ちしかない相手に話し合いを持ちかけても建設的な話し合いにはならないのです。

と、言う事でここまで読んで、じゃどうしあたらいいのか?という疑問が湧いてくると思います。

それは、各夫婦の特徴にもよりますし、浮気相手のタイプも分析する必要があるので、その対策に関しては浮気の深刻度によるということしか、ここでは答えられませんが、どなたにも共通して言えるのは「浮気をする夫とは、話しあいにはならない」ということです。

だから「じゃ、どうしたらいいのか?」という事への答えは「話し合いからは何も生まれない」と言う事をして下さい。
それを肝に銘じて頂くと「次への方法を探そう」という気持ちに切り替わります。

【コミュニケーション不足】


つまり、話し合いに答えを求めている内は、何も生まれないし、実は言うと、話し合いを求めるという事が妻の夫へ「コミュニケーションを求めている」と言う事のすり替えだと、気づいて欲しいの無意識でもなのです。何なら夫婦喧嘩ぐらいでないと夫と会話が無いはと言う夫婦もいます。

もちろん、妻の気持ちを述べて、夫からも反省の弁を聞き、夫婦としてやり直したいという願いが込められている事が話し合いの目的だという事は分かりますが、実際にはその段階には達していないのです。
だから、妻にしても結果を急ぎ過ぎているという事なのです。
では話し合いはいつするのがいいのか?と言う事になりますが、それは「浮気問題が終わってから」です。

【話し合いの時期】


こんな風に書くと「えっ?えっ?」っとなると思いますが、本当の話合いは夫の浮気が終わり、浮気相手と別れて来てからしか、出来ないという事です。

この段階で、やっと夫が浮気相手という憑き物が落ちて、目が覚めた状態になってから、と言う事が正しいタイミングです。

ここで話し合いという事は、今後の夫婦において、夫が浮気に走らないような予防も含めて、自分達夫婦に何が欠けていて、じゃ夫が求める事は何だったのか?
妻が求める物は何なのかと言う事を、互いに確認して今後に向けて再スタートを切ろうというのが、最も話し合いに適した段階です。

それまでの段階での話し合いは、妻の怒りも収まってない中で、話し合いえば、話がヒートアップしたら夫を責める言葉も多くなります。
夫は逃げ腰と書きましたが、実際は浮気を何とか続けようというのが当面の目的の夫は、話し合いという攻めから逃げようとしますが妻が怒っているから浮気相手と別れようとはならないのです。
そこで、今日のテーマに戻しますが「話し合いで解決しない事」とは何でしょうか
それは、夫婦においては「民法」という基準が、話し合いではらちが明かなった事を一発で解決してくれることがあります。

随分前ですが、ある妻から20年間、モラハラ+DV夫とから逃れる様に、家を出て別居をして離婚が出来ないという相談を受けました。
子供が乳児でしたので、とりあえず、住めるところと仕事を見つけ、そこから落ち着いて離婚を成立させたいと思い、改めて離婚を申し出ましたが、夫と夫の義母に子供を人質に取られ、そのまま離婚にもならず、
困られて当方に相談に来られました。
あれだけ交渉もし、話し合いもし、子供を返してもらえず20年が経ち、子供も成人していました。
そこで、当方の弁護士を紹介したら、たった1回の交渉で、離婚が成立しました。成人したという事で、子供も自分の意思で親と会う事も出来ます。
その意味で、夫が離婚を拒む障害もなくなり、民法の前には離婚をしないという意地は通じなくなります。
つまり、法律には意地とか、抵抗とかの感情論が入る余地がないという事です。
この論点を知らず、「浮気相手と別れて欲しい」という感情が前に出るという事が話し合いの特徴です。

【話し合いに感情論が災いする】


と、いう事で話し合いは「妻の感情論」が殆どだという事になります。
これまでの夫との話し合いは、浮気問題だけではなく、妻の感情が前に出るという事に終始していなかったか、今一度、振返ってみて下さい。

この子供を奪還するという話と、夫の浮気問題でする話し合いとはケースが違いますが、話し合いと言う事で何度もトライしていた相談者の希望が何年も叶えられなかったという事の目的は違いますが、こうして、話し合いが噛み合わないのは目的の違う二人の話し合いだからです。この相談者は、そもそもモラハラという常識を理解出来ない夫と話し合いで問題を解決しようとしたことです。モラハラ夫の常識は、自分が作り出した勝手な理論。
このモラハラをする相手は勝手な理論の押し付けです。ここですり合わせや妥協が無理という結論に立って対策を立てれば、そこは話し合いという手段を早々に諦めるべきだったのです。
このように目的とGOALが違う者同士は話し合いにはならない事を知りましょう。

【感情論が邪魔をする】


浮気問題は、日頃の夫のお金の使い道や生活態度にまで話が及んだりします。
何故なら、浮気は夫の出費も2人分になり、何かとお金づかいも荒くなりがち。
夫の浮気も嫌。浮気相手に浪費をされるのはもっと嫌。
帰宅時間も遅く、外で浮気相手と遊ぶにはお金も無駄使いするなら、家に早く帰ってきてよ。
そういう妻の感情が渦巻いて、そんな時の話し合いはどんどん飛び火します。
何なら浮気問題に絡めて夫の欠点と言う事をなじる事にもなりがち。
そういう感情も重ねて、夫の素行の悪さを正そうと話し合いを重ねても、それは感情論が前に出て夫を責める言葉のオンパレードになります。
これでは話し合いの意味をなさないという事を知って下さい。
浮気相手と別れて欲しいと妻がいくら願っても、中々夫婦お互いの目的が交差し、合意という所にはたどり着く事は難しい
ただ、そこに「常識という法律」が利用できれば、いっぺんに問題は前に進みます。
妻が思う慰謝料は浮気相手への常識を問うという事にすれば効果があるのですが、妻はどうしても浮気相手の存在に苦しめられたから、それに仕返しの意味に慰謝料を請求したいと言われます。
確かに慰謝料は請求できます。
でもそれは確固たる証拠があってこそです。
証拠もないのに、見聞きした事だけで、慰謝料請求すると、簡単に突っ返されます。
だから慰謝料請求するには、根拠となるそれなりの証拠が必要になりますが、その証拠を持ってないうちに話し合いを進めると、そこが強引になります。

つまり浮気を認めさせる為の「脅かし」や「自白強要」というまるで、刑事ドラマ並みの取り調べで、犯人に認めさせるという構図が出来上がります。
この状態で、夫に浮気を認めさせて、それを証拠と呼んでも、その強引な取り調べに、夫の心は妻から離れていく一方です。
ではどうやって浮気の証拠を撮るのかと言うと、それがよくある探偵への依頼です。
でも、それも証拠を掴んで夫へ「全部知っているからな」となると、それも認めさせる為の強要になります。

つまり、妻は、どこまで行っても強気の姿勢です。
でもそんな妻に限って「夫に浮気の証拠を突き付けても夫は妻から気持ちが離れるのが不安」と言われます。

ここで私のコラムをよく読んで下さっている方はとっくに分かって頂いていますが、私は一度だって浮気の証拠を夫に突き付けて自白を強要せよと書いた事はありません。

浮気の証拠は必要です
でも犯人を追い詰める様に、自供で証拠や確信を得ようとするとその繰り返しが夫婦の間を疲弊させます。
私はこの相談業で、本当に夫が浮気を理由で離婚に至ったケースを経験しているのはごく僅かです。
それより、夫の浮気を巡って妻が目を吊り上げて、証拠を自白させようと、夫を攻めることで、夫婦が冷え切った結果、離婚の引き金になったという事は聞いています。
つまり離婚理由は、夫の浮気が原因でも、本当の離婚原因は、妻の鬼の形相が怖くなって、浮気問題が片付いたとしても、その後の夫婦の生活をイメージできなくなったという事です。

私はこの相談業の中で、多くの夫婦の声も聞いています。
浮気をした夫とも何とかうまくやっています、と年賀状を貰ったりします。
でも片や、残念ながら離婚になってしまったケースも聞きます。
ま、それは男性特有の責任転嫁という特徴はあるものの、多くの男性側の離婚理由は「妻が怖い」というのが最終理由です。

私達、女性からの感覚からすれば、種をまいたのは「自分でしょ?」と問いたくなりますが・・・・・

要は男性の多くは自分のしてしまった浮気は「悪いと思うけど」と前置きしながら、離婚へと決意した理由は「妻と修復できないというくらい関係が冷え切った」と言います。

つまり浮気が直接原因ではなく、そのずっと前から「子供を叱る妻の形相が怖い」とか「何を言っても話し合いが通じない」と感じている事が原因でした。

ここを妻は浮気相手と別れさせる事が出来なかった結果が離婚と感じているかもしれませんが、実はそれはほんの一握りです。ここは夫側も、ズルいかもしれませんが、浮気相手はキープしておいて、妻との修復が無理と思った時の心の拠り所に残しておいたと言うより、浮気相手とは一旦は軽く別れても、その後の妻の攻め方が辛過ぎて、修復する気にならなかったという声が殆ど。

つまり浮気で夫婦の関係が冷え込んだのではなく、浮気の話し合いと称する妻の責めで、妻への愛情を完全に失ってしまったという事です。

だから、話し合いをするのは止めて、というのです。
浮気の証拠は、取り調べじゃない方がいいのです。
取り調べや、自白の強要で、夫が白状したら、タダです。
でもそれは、夫が帰って来る可能性も少なくさせる程、妻を怖い存在と印象付けてしまいます。
それで、一家の大黒柱を失う事になるなら、「タダほど高いものはない」と言う事です。
探偵を雇う必要はありませんが、それで得られる証拠は、余程、事前に確実な写真でも入手してない限り
証拠と呼べない事が殆どです。
だから探偵を雇って証拠は掴んだ、と言う事なら、それは利口なやり方です。
それならその探偵に掛かった費用くらいは、浮気相手から取り返したいと思うなら、それも理解は出来ます。

でも中には、すべて自白の強要で、夫に白状させ、それを浮気相手に突き付けて慰謝料を請求したいという妻もいます。調査で多大な費用を使ったのなら理解も出来ますが、例え夫が浮気相手に高額な出費をしていてもそれは、貴女の夫が楽しむ為にそうしたのですから、浮気相手からその出費を取り返さないと悔しいというのは、ちょっと違います。慰謝料の意味をはき違えてはいけません。
気持ちもわかりますが「怒り」という感情が溢れ出る事は損をします。

【逆のタイプは慰謝料は要らない?】


ただ、逆のタイプで中にはこんな妻もいます。
「お金が欲しい訳では無いから慰謝料は要らない」と言う妻もいます。
これも少し違います。慰謝料は、今後、再び、私の夫にチョッカイをだしたら、こんなことになりますよ、という釘を刺しておくという言う効果の方が正解かもしれません。
つまり、不倫の再燃の予防の為の慰謝料請求というのが、一番効果があると考えています。

でも、こんなことを夫と話し合って進めるものでもありません。本当に必要な事は、とりあえず、浮気も終わってないなら、夫に話し合いで反省を求めるのは、もっと後の事です。
本当の意味で話し合いや交渉が必要なのは、浮気相手に対してであるという事を知って下さい。
浮気を終わらせるには、夫ではなく、浮気相手への交渉が先決だという事を知りましょう。

それは素人の妻がするよりも、「法という常識」を基に、交渉のプロ、法律家が間に入る方がずっと話が早いのです。

ま、これも若干の費用は掛かりますが、最近は弁護士さんを活用するハードルはどんどん下がっています。
よく「第3者を間に入れて」と言いますが、これは法律家を入れて、という意味です。

不倫は「倫(みち)に非ず」と書きます。
不倫は常識に外れた遊びですが、遊びも度を超えれば、人生から脱線します。
不倫をしている本人もそれは充分、分かっているのです。
だから妻に隠すのです。
なので逆を言えば、隠している内は、まだ結婚生活を続ける意思はあるという事です。

夫が嘘を付くと嘆く妻もいますが、まだ、嘘を付いている内はマシと言う事です。
ここを、自白をさせ、全部白状させたら、夫のタイプによっては「そこまで知られたらお終い」と開き直る夫が居るのも事実です。

だからこそ、その逸脱した自分を、今後妻が受け入れるかどうか、秤にかけています。
でも、妻の怒りの強さで、夫婦が修復できるというイメージを持てないと感じる夫も少なくないのです。
これが離婚を決意した夫から聞かれる正直な答えです。
浮気が原因というより、それまでの夫婦の関係が物語るというのです。



【過去の夫婦の関係が影響する】

では、その夫婦の関係って何でしょうか?
それは、元々夫婦の話合いが成り立たず、常に妻に押し切られたという夫婦の関係性です。

夫婦間に限らず、家族の中に問題が起きて、それを妻が夫を責める構図ばかりだったというのです。

例えば子供を叱っているとしても、妻はその続きで、家庭を顧みない夫にも飛び火します。
これでは善かれと思い妻は口を酸っぱくして説教しても、もう男性という生き物は嵐が去るのを、じっと耐えるような構図が出来上がります。この傾向が強いと、実際に浮気をしている夫には逃げるしかなくなるという事です。
だから、浮気の段階にもよりますが、離婚を夫が匂わせてきた場合は、妻が優しく話しても、それまでの形相を脳裏に焼き付けた夫は、その妻とやり直すより、その妻から逃れようという心境になります。
だから、もう夫が離婚を口にし出した時には、妻が話し合いの矢面に立たない方がいいのです。




【夫からの正直な気持ち】

妻ばかりにダメ出しをしている訳ではありませんが、どうか、妻の方に分かってもらいたい。
男性側から、聞いた正直な声です。夫は妻を恐れています。
それなのに、恐怖政治のような話し合いは、夫の心を離します。
浮気相手と一緒になりたいと思う以上に、妻を恐れています。
それは、妻の貴女の感情が溢れ出る話し合いも苦手ですが、それ以上に「もう怒らないから、何でも正直に言って」と言っても、いつ、妻の怒りが爆発するか、ビクビクしています。
浮気問題を話し合いで解決出来たら、それが一番です。でもそれをするには、これまでに貴女の感情が溢れ出過ぎました。

妻の貴女が思っている話し合いは、どんどん夫を遠ざけます。
浮気の証拠を水面下で揃えるの必要ですが、それが夫に突き付けるという風に考えていると道を誤ります。
つまり証拠も使い方を間違えると夫の心を、二度と家庭に戻って来られない物にしてしまいます。



【浮気証拠の収集が夫婦を冷えさせるのではない】



スマホを覗いたり、探偵を付けたりしたら夫の心が離れるという妻がいます。中には、夫から「万一そんなことをしたら離婚だ」と宣言されている妻もいます。
だから浮気の証拠を収集すると離婚になると恐れている妻がいますが本当はそこではありません。それまでに
「浮気の証拠を押さえて」とか「浮気相手に慰謝料請求する」とかを、夫に言っているからです。
だから、夫はそれを受けて「そんなことをしたら離婚だ」と脅かしてくるのですが、根本的な事は妻がしゃべり過ぎだからです。

では、その喋り過ぎはいつ起きているか?
それが妻が考える「話し合い」という場です。
喋り過ぎているのです。夫を脅かしているからです。

どこまで行っても脅かし戦法しか持たない妻はまだ、まだ話し合いをしますか?と言う事です。

事実の把握と言う事で、浮気の証拠は必要ですが、証拠を掴んだ後は、浮気相手との交渉です
夫との交渉ではないのです。その為に浮気の証拠が必要だと言えます。
だから、夫から手を引いてくれという交渉は浮気相手に対して必要です。
そこには、妻の感情的な面が顔を出すと交渉は上手く行きません。
まして夫を交えて、なんかはもっての外。
何故なら、そんな格好の悪い事をすると、もう妻の下にも戻ろうという気持ちが1ミリも無くなる可能性があります。

人の道にあらず、という常識は、妻が言っても、夫がその妻の味方をしません。
それどころか、夫は話をすり替えて貴女の日ごろの妻としての姿勢を責めたりします。
それを話しのすり替えと呼びます。

つまり夫と妻で浮気の問題を話し合おうと思ったら、妻の貴女を叩いてきます。
それに対し、妻の貴女が不倫はダメだという常識を唱えても夫は妻を悪者にして貴女を凹ませます。
中には弱腰の夫は逃げます。
つまり、逃げるか、責めるかの話合いになり、そこで話のすり替えが怒ると、もう状態はカオスです。

その為、散らかった問題を整理し、感情の入らない、法律論が効力を発揮するのです。その法律論を操るのは、プロに任せた方がいいでしょう。

【餅は餅屋】

では、誰が交渉するか?
それは専門家でしょう。
交渉はやはり専門家に任せるのが、一番の着地点になります。

この意味からも「夫婦は話し合ってはいけません」と言う事が言えるのですが、この言葉の続く言葉は「浮気問題はお互いに目的が違うから」という注釈が付く事は改めて言っておきます。

夫との話し合いは、夫婦の関係を立て直す時に使うものであって、浮気相手と別れさせる目的で夫と話をしても効果はありません。この事を、今日は改めて知って下さい。

では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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