後ろめたさ
今日は浮気相手への慰謝料請求をするのに、弁護士を使うケースについてお話します。
実際、交渉を進めていく中で、ちょっと考え込んでしまうような時間が生じます。
例えば、こういう風に法律家に任せたら、私自身が、思う筋書き通りに進むような期待をします。何となく、とんとん拍子に物事が進むとは思わなくても、私たちが望まない反応を相手がしてきた場合、法律家の先生は、我々にどう思うかを聞いてくることがあります。
短気な依頼者は相手の反応にジレンマを感じる事もあり、法律家が依頼者に意思確認をしてくる場合があります。
それは、依頼者にすれば、「どう思うも何も、方向性を最初に述べてあるので、相手の打ち出した要求には、応じないに決まっているのに、何故弁護士の先生は、今更、ここで 依頼者の意思を聞くのか?」とちょっと、イラついてしまいます。
でも、これは依頼者の事が法律家が分かっていないのではなく、依頼者も色んな性格があり、急に相手からの提示に対し、そこで手を打とうとする方もいるからです。
長きにわたり、相手と交渉することに、早くも入り口で、もう疲れてしまい、交渉を断念するという方もいます。
弁護士だって古くから、貴女と付き合い、貴女の性格も考え方も、全てを分かっているならいざ知らず、たったひと月ほど前に仕事をして、依頼を受けた人のすべてがわかる訳ではないのです。
何故なら、長年寝食を共にした夫の考えだって、妻の貴女が分からなくなっているのですから、昨日今日の出会いで、貴女の心のすべてが分かるはずがない。
貴女は、弁護士とかというものは「プロだから何でも知っているはず」と、思っても、事案としての案件の例は分かっていても個人個人の性格までは、いくらプロでも分からないというのが普通です。
だから、お金を渡して、弁護の契約をしたから、そのあとは、いちいち依頼者の気持ちは聞かなくても、最初に立てた目標どうり、相手のいう事には耳を貸さずに、目的を遂げてよ、と思う人も少なくありません。
でも、弁護士などは、色んな人がいるという事を知っているのです。
最初勢いよく、依頼してきて「離婚も辞さない覚悟である」と鼻息荒く、告げていても、浮気相手の女性から、交渉したいと言ってきたり、お金は払うけど、減額してほしいと言われたら、もうそれでいいや、と思ってしまう方もいるので、一応依頼者の意思を、その都度、聞いてきます。
逆に言うと、調停や、裁判が始まっているにも関わらず、依頼者の意思を確認せずに、次の予定日まで、間にも聞いてこない弁護士だっています。これはある意味、丸投げですべて任せてあるから、頼りがいがあると感じる依頼者もいますが、本当は何も聞いてこないのは、意思確認の必要がないから、という事かもしれません。
だから、慰謝料請求した後に、浮気相手の回答を伝えてきて、「どうします?」と弁護士が聞いてきたら、貴女の意思を分かってないとカチンとくるのではなく、弁護士は確認をしてきているのだとお考え下さい。
どうしても、弁護士が、当然分かっているようなことを、聞いてくるのは貴女が何か、気持ちが変わったりしていないかの、確認作業だと思って下さい。
だから聞いてきた弁護士に腹を立てる必要はないと思って下さい。
そして、その答えは、「私の気持ちは変わっていません」なのか、例えば300万円の慰謝料請求の減額に応じるのか?
そういう事を聞いてきているので、300万円はちょっとむつかしいという事なら、290万円という10万円を減額し、早く調停を終わらせるという手段もあるのです。
こうすれば、長引く裁判や調停で10万円下げる事で 早く終われるなら、と思う依頼者だっています。
という事で、10万円を減額することで、調停が平和に、終われるなら、それも良しと考える人もいます。
要は依頼時は、分からなかった、交渉相手の、出方が見えてきたら、変化をしながら、早く終わるという事も希望になってきたら、それも一つの方法かもしれません。
なので、浮気相手の条件を飲んだところで、どうなるのかという事を法律家と相談しながら進めていかないといけません。
そういうコミュニケーションをとりながら 方向性を決めていくという柔軟性が必要ですね。
では、今日はここまで。