子供の親権について
ある悲しい記事を読みました。
激しい夫婦げんかを日常的に目撃する心理的虐待「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」に遭った元少年(22)=当時19歳=が3年前、口論の末に父親(当時49歳)を刺殺した。それに対し、懲役11年の実刑が下り収監されています。
その元少年の手記には、「自分に感情がなければ」と綴られています。
誤解を恐れずに言いますと、例えば母親は父親に身体的な暴力を受けるDVは、傷も打撲も形になって残ります。それは病院や警察で、示せる形跡です。
でも、そういう夫婦喧嘩を見て育つ子供の心の傷は、形として表せないのです。
この元少年の手記には泣けてきます。
面前DV
私も幼い頃に両親の夫婦喧嘩を見ていました。私と弟は年子で、幼くて、部屋の隅で震えているだけでしたが、7歳上の兄は、夫婦喧嘩に割って入り、止めていました。
父以外の家族全員が泣きながら・・・・・
兄は思春期の一番感受性の強い時期に、この経験をしていましたから、人格形成に影響を与えたと思いますし、生きて行く上での一番の手本になる親夫婦が破たんしているという実感の中で、育ったので、心の支えがないままの人生だったと、今はいない亡き兄をかわいそうに思います。
私は幼かったから、親の夫婦喧嘩は、単に怖さとして脳裏には残っていますが、兄は心身ともにそれを受け止めたので、とても小心で警戒心がある人格に育ち、その後の人生に影響を与えました。
同じ家庭の環境の下に育っても、兄妹それぞれ性格が違うのは、受け止める年代が違うからです。
それを、子供が大きくなっらら、なったで、母親が子供に相談すべく、夫婦の苦しみを子供と共有します。
私は常々言ってますが、子供は母親が守るべき存在。その子供を母親が、心の痛みを共有するというのは、反対です。
でも、それを注意すると、「私もいっぱいいっぱいで、仕方がなかったのです」と言われます。
そうでしょうか・・・・
仕方がないと言う事はありません。
仕方はあります。
仕方と言うのは 「有り方」です。
生きて行く姿勢や、心の有り方はコントロールできます。
だから、どうぞ、母親である貴女は、大人なのですから、大人の貴女でも「いっぱいいっぱい」になる苦しみを、自分の年の半分以下の子供に、負わせないであげてほしい。
究極の結論を言えば、貴女が勝手に好きになって、勝手に結婚して、見る目がなかった貴女が選んだ夫と、いざこざになっても、それは夫婦の自己責任で処理する事なのです。
絶対に、巻き込まないつもりでも、子供は充分感じていますから。
そんな風に育った私も所帯を持ちました。
夫婦はどうあるべきかの手本はないまま、自分だけは離婚はするまい、と満身創痍で結婚しました。
また私のそういうつらい経験を知ってくれている元夫は、そこで、幼い時からの妻の不幸を挽回するという任務を背負った結婚になったのです。
不幸な家庭環境で育った妻と結婚するには、その過去にさかのぼって、将来は幸せにするという約束をさせられ、過去と未来の人の2倍分の責任を負うのです。
つまり、夫が何かを脱線すると、妻はその現状を嘆くだけではなく、妻との約束を裏切ったという、2種類の責任を問われます。
【約束させたがり】
「私を幸せにしてくれるよね?」という約束が結婚になっています。
でも夫婦って、フィフティーフィフティーですが、妻って「私は最大限努力してますけど、夫のあなたは、どう?」というスタンスになり、いつも妻のあれこれは、横に置いて、夫がどれだけ約束を守ってくれているの?となってしまうのです。
「私を幸せにするって言ったのに」という事は、言い換えれば。幸せにすると保障が欲しいのです。
【約束は保障?】
裏切らないという約束は、口で言う程、嘘らしくなる。
それでも口で約束をしてほしいから、言葉を求めるようになります。
私はこの年になって分かる事があります。
大人になれば、言葉ほど、曖昧なものはないと思っています。
ましてや、浮気をする男性は、嘘の塊ですから、嘘つきの口から出る言葉に、何の保証もないのです。
だから言葉を求めてしまう話し合いはしてはいけないと、私は思います。
そこから先は個人面談で、個々のケースについてご説明をするのですが、とにかく、
約束をさせたところで、約束を破る人は破るし、何も言わなくても誠実に過ごす人は誠実です。
あなたのご主人が、これまでも誠実でなかったとしたら、それは前者です。
その前者に口約束をさせるほど、不毛な事はありません。
【目で見て分かる事は何?】
よく相談者の妻が、メンタルクリニックや、心理カウンセリングを受けていると言う方がいます。
かくいう私もそうでした。
いっそ病気になったら、病名が付く。
そしたら、どのくらい私の心の傷が深いか証明できるから、病気になりたいという不謹慎な私でした。
みなさん、自分の傷を、ドクターに診断してほしいと思う気持ちは分かります。
でも病気になったらお終い。
薬を飲んで楽になりたいと思うのは分かるけれど、本当に病気なのは浮気症というご主人です。
だから、胸を痛めた貴女だけが、薬を飲むことはありません。
貴女の苦しみを解って欲しいと思ってもドクターの診断書を見ても、処方箋の薬袋を見ても、貴女の心のヒダにふれようとしない夫は、見て見ぬふりをします。
だから、本当に貴女の身体を痛めてまで分かって貰う必要はありません。
貴女の傷は、私が一番良く分かっていますからね。
では今日はここまで。