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村越真里子

夫婦の問題を解決する専門家

村越真里子(むらこしまりこ)

Re;婚かうんせらぴー

コラム

弁護士に相談するという意味

2018年8月15日

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

【勘違い】

皆が勝手に思い込んで、誤解をしている事に弁護士の使い方があります。
それは活用方法のみならず、弁護士の役割を誤解しているな~と感じる毎日です。
例えば、当方に来られる相談者は、夫の浮気に悩む妻が殆どです。
それは、ともすれば離婚を夫から宣言され、今後の身の振り方を弁護士に相談したという妻がいます。
若い夫婦なら、それほど大きな財産も築いてないので、弁護士に相談したところで、子供の親権や養育費の話になるでしょう。
でも中高年を過ぎ、家財産も持っていれば、その分配がどうなるかと相談して、金銭的な保証がどのくらい得られるか、参考までに目安を聞きに言ったというなら、それも知識としては得ておいた方がいいでしょう。
しかし、弁護士に相談に行っただけで、、弁護士に離婚手続きをお願いしたわけでもない限り、それは、特に契約したわけでもないのです。
何なら、実際は区役所の行政相談や無料の法律相談なら、相談した事にはなりません。
それなのに、妻が持っている夫の浮気証拠を弁護士に相談したら、その証拠で充分だといわれたとしても、お墨付きを貰ったことではないのです。
従いまして、妻が持っている夫の浮気写真やメールだけでは、証拠として過信するのは危険なのです。

【先生と名のつく職業】

世の中の仕事で、国家試験を受かった「先生」と名のつく職業は、一般の人間からすると、信頼できると考えるのは無理ないことですが、先生でも色々いるのです。
最近の日大事件にも言える事ですが、皆さん、大学の教授やコーチや、人の上に立つ人は、皆、偉い人と思っていませんでしたか?
実は 私もこれまでは 先生と名のつく立場の人はパーフェクトで人格者だと思っていました。
しかし、昨今のスポーツ界や大学で、人の上に立つ人が必ずしも優れていると思えないのは周知のとおりです。
そりゃ、色んな人がいる・・・という言葉で片付けるのは簡単ですが、名前を出して、その業界を牛耳っている人でも、蓋を開けてみたら恐ろしく、幼稚な事をいう人も少なくないのです。
つまり 社会って、そんなもので 私達より立派な仕事をして、高学歴で、高収入であっても人間的に優れているかどうかの 優劣とは一切関係ないのです。
例え最初は優れた人であっても、その世界で長く生きていると、垢で汚れるという事はあるのです。
それが弁護士であろうと、警察であろうと、学校の先生であろうと、立派な人は立派ですが、立派な職業に就いていても、くだらない人はくだらないのです。
と、いう意味で、人それぞれという事を言うならば、どんな職業であっても、人それぞれ。
むしろ、職業は関係なく、清く生きている人は、どの世界でもいるので、その人自身を見るしかありません。
私も、この相談業をしていて、色んな弁護士の先生とも関わって来ました。
しかし その中で 本当にこの先生は力があるな~と思うのは ほんのわずか一握り。
本当に優れた先生は、それほど多くはありません。
それなのに、我々、下々の人間は「弁護士先生」と聞いただけで腰が引けるのは、やはりお勉強をしてこなかった卑屈なせいですが、そんなお勉強が苦手な私が考えても解る事を、偉い職業の人ほど、判ってないという事はあります。これは私のうぬぼれを差し引いても、そう思う事はあります。

【本当の事情】

これまで世の中の裏と言うか、からくりを沢山見てきました証拠に、定説として言われている事と実際の事とは、全く違います。
特に弁護士の実力は人柄+得意分野+経験実績です。
これらを推し量るには、ホームページだけを見ても解りませんが、目安は弁護士登録はいつだったか、です。
つまり、弁護士の一番大事な部分は正義感だと思っていますが それ以上に大切なのは、経験です。
例えば、本当に実力のある弁護士先生は、法テラスの無料相談の窓口を担当している暇はありません。
自身の持つ顧客だけで精一杯で、法テラスなどで名前を売らなくても、充分仕事はあるのです。
それに反し、成り立ての弁護士などであれば、仕事が安定して入ってこないので、お客様から相談があった時点で、依頼につなげたいので、相談者の持ってくる証拠で充分です、と言ってセールスをするのです。
もしくは、証拠が充分じゃない場合は、浮気証拠を撮るようにと、調査を勧めたりしますがあまり弁護士業が順調でない場合は、実は調査会社の紹介で、生活しているという事も多々あります。
つまり弁護士業だけでは食べていけてないという事ですから 法テラスでも何でも 相談に来られた人には、【その証拠で充分だから、弁護を引き受けます】と前のめりになってくれます。

【先生だって生きていかねば】

これはある意味、あまり仕事がない弁護士だから、経験不足の成り立ての弁護士である場合が殆どです。
そういう場合は その先生の言うままに弁護をお願いしても 途中で失速します。
つまり、仕事が順調ではない弁護士にとっては、裁判に勝とうが負けようが関係なく、依頼を受けることに意義があるのです。
依頼さえあれば弁護士には入り口で「着手金」を支払わなくてはなりません。
それが新米の弁護士には大きな収入源になりますが 本当の収入は成功報酬の部分です。
その成功報酬にまで 到達は出来なくても入り口の着手金は助かるのは言うまでもありません。
優秀な弁護士は 大学の法律科を卒業して司法試験に受かります。でもそうではない人は、年に一度の司法試験を受験しても何度も何度も、合格しない人もいます。
私の知り合いは大学を出てから、やっと合格したのは40歳過ぎでしたから、年齢的にはベテランの先生に見えます。
でも実は司法試験には合格したばかりなので 仕事も殆ど無く、居候弁護士、略してイソ弁と言って法律事務所などで事務仕事をしながら実務を勉強されました。
司法試験の合格と言っても、車の運転と一緒で 運転免許書を貰ってすぐに運転が上手くなるのではなく、運転は慣れと経験です。
弁護士もそれと同じで、どれだけ案件をこなし、裁判も経験して実力を付けていくのです。
従いまして、来た仕事、来た仕事に飛びつくのは その先生が不慣れであったり、不慣れだからこそ請けたがるという事がありますので 経験不足は否めません。タダ、弁護士はプライドがありますから、「こんな仕事は不慣れだから出来ません」とは言いません。
一応何でも請けてくれますが、得意分野でない場合は、実際は弁護士先生もドキドキだという事も知っておきましょう。

【弁護士に依頼する意味】

と、いう事で、話を元に戻しますが、弁護士に頼んだからと言って「もう安心」ではないのです。
弁護士に頼む事と離婚への道がしっかり歩めるかどうかは別です。
弁護士に浮気証拠にお墨付きを貰ったお陰で、気が大きくなり、夫につい、強気で出てしまう妻がいますが、それは間違ってます。
何なら百人力みたいな気持ちになって、「掛かって来い」的なことになると、最初は万一離婚になった場合の参考意見のつもりが離婚へのレールを引いてしまうのです。
離婚と夫に言われたからって、「財産分与はどのくらいか?」と考えた時点で、あなたも離婚を受け入れたようになります。
それでも私のところに相談に来られる妻は、
「弁護士にも相談に行きました」
「探偵にも依頼して証拠を掴みました」
・・・・・と、勇ましいところまで自分でレールを引き、最終的に
「本音は離婚したくないのです」と言われます。

【本音の部分】

自分ひとりで苦しんだ結果だから、解らなくもないのですが、全部自分で間違ったレールを敷いて
結局、離婚へのレールを歩みたくない、と言われます。
こんな途中まで自分で進めておくのは仕方ないとしても、自分の知らない常識もあるという事を知って頂きたいのです。
間違ったレールの上を歩いたら、間違った方向にしか行きません。

苦しんだ妻に、こんな風に言うのは気が引けるのですが、こうした間違った選択をする妻は、自信無げな結果ではないのです。
実は自分が一番とまでは言わなくても、自分が正しいという自信がどこかにあるのです。
こうした自信は、足元を踏み外す事になりますので、あまり自分が正しいと過信しないことです。
少し、自信がないくらいの方が慎重になれるし、物事への観察力も深まります。
どんな弁護士でも優れた答えが言えるのではないのです。
弁護士だから、全部が優秀ではではありません。
夫の不倫に苦しんだ妻だから、すべてが正しいという事でもありません。
少し、現場を正視し、勢いだけで進むのは止めましょう。
では、今日はここまで。

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