似非(えせ)夫婦修復
私がこの夫婦問題カウンセリングをしようと決意した時、心が震えました。
今から約30年前ですから、夢を胸に秘め準備の約10年を要しましたが、情熱を持ち続けた結果が今に至ります。その心が震えた事は純粋な事です。
当時はそのような仕事は世間には少なくて、友人には「人の人生に口に出すなんてお節介だ」とか参道は得られませんでした。
純粋な自分の感覚は人には理解されなくてもいいのです。
私の尊敬するTUTAYAの社長が、レンタルビデオ業をしようとした時に避難ごうごうだったそうです。
でも津田社長は、自分の感覚と情熱を信じ取り組んだのです。
その時の言葉に好きな言葉があります。
「市場(ニーズ)があると信じられるなら、未知の業界でもやったもの勝ち。スキルは後から付いてくる」
当時のあるテレビコマーシャル(何のCMだったか忘れましたが)で私を揺り動かしたものがありました。
「情熱でしか物は動かないのだ」・・・・・素敵な言葉でしょ。
この津田社長とCMの言葉で私はこの仕事を始めました。
心理学も少し勉強はしましたが結局は、それでノウハウを身に着けたというより、実際は自分の信念が一番のスキルを生み出したと考えています。
そして、最終的には真実を見る洞察力。
これが欠けているカウンセラーは自分のコンセプトをツラツラ述べるだけで、前に座る相談者の心が見えません。
正直言って、相談者が述べている事がすべてでもなく、中には本当じゃない事も多いのです。
それは、嘘を付いているという意味ではなく、相談者は自分の事も分からなくなっているので、その人の口から出る言葉を鵜呑みにしてはいけないのです。
相談者は「離婚も視野に入れています」と言われます。
そういう人に限って本音は「離婚したくない」のです。
でも離婚も視野にいれているという事を言わないと、これ以上、耐えられないからです。
つまり耐える事が出来ないというほど、今が苦しくて仕方がないという事を数値で表すことができないので、離婚したい、となるのです。
だからこれは、離婚したいと聞いていると逆方向にナビゲーションしてしまいます。
だから私は離婚をしたいというのは単なる「嘆き」だと捉えています。
これは洞察力というより、分析力と言いましょうか、結局これはカウンセリングの専門学校で習っても身に着く事ではなく、そのカウンセラーが どの程度苦しんだか、という事がスキルとなるのです。
私で言うと、結婚生活での苦しみが、今のカウンセリング業に役だっていると思います。
これはカウンセラー養成学院でも、教えてもらって分かる事ではないのです。
私は離婚をしています。
中には、夫婦問題カウンセラー自身が離婚してるなんて、「ダメじゃない」と考える人もいます。
でも離婚をしたから見えてくる風景もあるし、離婚を経験したから、離婚を回避する逆の方向も分かるのです。
だから 私の所に、カウンセラーになりたいと言ってくる人がいます。
でも、カウンセラーになるには その人のセンスがかなり関係しますが、それ以上に体験が大切です。
何か職業的に「何か手に職を」という事では、先に書いた情熱がないのです。
この仕事で食べて行けるかどうか、なんて、やる前からは自信なんてありませんでした。
自信どころか、仕事として成り立つのか、それは認知さえされてなかった業種ですから、やってみるしかないのです。
だからカウンセラー志望の人には、離婚を経験してとは言いませんが結婚ぐらいしてよ、と言いたい。
それなのに、実際は、恋人を作る程、人とは近い関係になれない対人関係で悩む人であったりします。
この仕事は、どこかの専門学校で学べば出来ると言うものではなく、その人のセンスと情熱が作用します。手に職を、と食べる為に選ぶ仕事ではないように思えます。
で、何が言いたいかというと、今日は 相談者がよく言う「自信がない」という言葉についてです。
当方へ寄せられる相談は夫の浮気に悩む妻が殆ど。
夫の浮気を見つけ、それに数々の追い込みをし、夫婦の関係が最悪になってしまった方。
そして、その妻の抗議むなしく、夫の浮気は終わらないどころか、別居や離婚までを言いだしている。
そこで万策尽きて、どうしたらいいか?という相談です。
ここでは何が何でも、夫の浮気を止めさせないと、別居の話も離婚の話もなくなりません。
それで浮気相手と別れさせる方法を一緒に考えていくと、「自信がない」と言われます。
夫の浮気を止めさせる事をすると、夫から益々嫌われると言われます。だから浮気を止めさせても夫と上手くいく自信がないと言われます。
あなたがこれまでやってきた「万策尽きた」という万策には「自信」はあったのでしょうか?
いや、その時は自信があっても、上手くいかなかったらそれは、自信ではなく過信だったのではないでしょうか?
走った事がないマラソンは、42,195キロ先の風景は知らなくて当然ですが、トレーニングさえしたことがない人が、42,195キロを走ってみせるいうような自信があるなら、もうそれは頭がおかしい。つまりやった事のない事なんて、自信はなくても当然です。
それなのに、その先の事を「自信がない」というのは何故でしょう?
それは「やりたくない」という事なのです。
これまでの話し合いや追い詰めが効果がなかったから これ以上の失敗はしたくないというのです。
これ以上、夫の浮気を止めさせたら、夫に嫌われるという考え方です。
では、今は夫に好かれているかと言えば、浮気が続いている以上、心は離れています。
ここで嫌われるとか、好かれるとかではなく、夫の本音を知らないといけません。
夫が言う、「これ以上浮気の事を嗅ぎまわったり、浮気相手の女性に何か攻撃をするなら、離婚をする」というのは、妻のあなたへ「何もしなかったら、妻の君を愛し続けるよ」という意味ではないのです。
夫の言葉を通訳すると「俺の浮気の邪魔をするな、もしこれ以上邪魔をすると承知しないぞ」という脅かしであって、何もしなければ妻を好きでいるよ、という事ではない。
でも、これを言われたら妻としたら、益々嫌われると怖くなる気持ちは分かりますが、逆に言うとこれ以上放置しておくことの方が本当は離婚へのレールが引かれてしまうのです。
では、妻のあなたにお聞きします。
万策尽きたという万策は、完全に自信があってした方法でしたか?
もし自信があって取った対策で、その対策が上手く行かなかったとなると、その対策は間違っていたのです。自信が間違っていたのではなく、自信なんて、失敗を何度も何度も繰り返して成功するのです。
羽生ユズル君だって、この五輪に自信たっぷりではなかったはず。
でも練習だけはしっかりやったから、後、勝負事は自信を持って滑ったからメダルを取ったのです。
失敗ばっかり繰り返して、これ以上、失敗したくないという妻の気持ちは分かります。
でも羽生君と違う事は、妻はこれまで、正しくない練習ばかりをしてきたのです。
正しくない事ばかりだから失敗したのです。
その上で、自信なんて生まれるはずがない。
だから、自信があるか、ないかなんて関係ないのです。
あなたが本当に、家庭を失くしたくないなら、子供の為、夫婦の為、死守する覚悟が必要です。
何が何でも、家族を・・・結婚生活を・・・・守るんだという情熱でしか、物事は動きません。
「自信」は正確な事をしてきた人の言う言葉。
間違ったことだらけの話し合いという夫婦喧嘩を繰り返してきた人が「自信」がないのは当然です。
逆に「自信がない」というのも、ある意味、自惚れです。
あなたの自信があるかないかなんて、関係がないという事を理解してください。
人は、本当に願うと、情熱がわくものです。
情熱には理由はいりません。
子供の為に、結婚生活を続けるというのも、ある意味詭弁です。
あなたが夫を失いたくないなら、子供の事を一番の口実にしないでください。
専業主婦だから、仕事がないし、母子家庭になれない・・・なんて事は、浮気をする夫からは
「俺を財布としか思ってない計算高い妻」と言われます。
何故なら、あなたは実際、夫に対して感謝の念が少なかった事は事実ですから。
この家庭を、結婚生活を、そして夫という人を失いたくないという事を心の底から再確認してください。
その情熱しか、夫の心は動きません。
また、私の仕事の事に話を戻しますが、人は何でもしたくない事が起きると、出来ない理由を探します。
こんなことしたら、こんな風になるから、それをするのが嫌だ、という理屈を見つけ出します。
したくない人は そんな風です。
でも、何が何でも その仕事をしたいときには、上手く行かなかった時の事はあまり考えません。
やってみて、上手く行かなくても、やってみないと納得が出来ないのです。
でも情熱もなく、このカウンセリング業は、お金になる、という計算だったら、恐らく私は、今はこの仕事はしてないでしょう。
実際、カウンセラーの基礎講座が終了し、一緒に机を並べた人は、この道に進むか、否かの決断をする時に、この業界の将来性のなさを挙げて、去って行きました。
将来性があるか、ないか、より、その道を進みたいかどうかの情熱がないので、カウンセリング業の将来性の無さを、断念理由に挙げました。
今から思うと、成功している人は成功してるし、ダメな人は、カウンセリング業では食べていけてないと思います。
つまり、止めていったカウンセリング仲間は止める時に、この業界の将来性を憂いだのですが、本当は自信がなかったのかもしれません。
だから、ある意味、細々でも、この仕事を息長く続けている人は、将来性や成功率という計算ではなく熱い情熱を持っていた人と言えます。
止めたい理由を先に言う人は、「やりたくない」という意思の表れです。
いいのです、やりたくなければ、情熱がないので、成功しません。
先なんて見えなくても、とにかく自分の希望を叶える為に、そろばんを考えずに取り組んだ人が日の目を見るのかもしれません。
これは仕事も、結婚生活も同じかもしれませんね。
本気で夫や妻を失いたくないという情熱でしか、希望は叶わないのだと思います。
では、今日はここまで。