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村越真里子

夫婦の問題を解決する専門家

村越真里子(むらこしまりこ)

Re;婚かうんせらぴー

コラム

自分流の正義

2017年12月10日

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

自分流の正義
富岡八幡宮で7日夜に宮司の富岡長子さん(58)らが殺傷された事件で、富岡さんの弟で自殺した元宮司の茂永容疑者(56)が、以前、姉に宛てた手紙や関係各所に送った文書。
そこには面々と茂永容疑者の持論が繰り広げられ積年の恨みつらみが綴られていました。
今となっては、誰か仲裁に割って入る事が出来なかったのか?と言われていますが、恐らく、元宮司の立場の時に
金銭的な問題や女性問題を起こしている段階で、宮司の職を外されています。
この事に不満を持っていたり、何か自分なりの理由を言いたかったことが、ここまでの遺恨の数々を募らせたのだと思うと、いくら人が間に入ったとしても、茂永容疑者の考え方が、「自分流」であれば、人の仲裁は役に立たないのです。
いくら茂永容疑者に「何が正しいか」を説いたところで、茂永容疑者には自分流の正義があり、人の正義は間違っていると考えているから、このような混ざり合わない意見の相違が生まれるのです。
私は茂永容疑者を擁護するつもりはありません。でも、世の中にはいくら言っても聞き分けのない人や、自分の考えが一番正しいと思っている人がいるという事は、残念ですが、あるのです。
夫婦においても同じ事が言えます。
夫が自分の不倫を正当化させるために、妻を悪く言い、その不倫に至った理由すらも、妻のせいにする人はいくらでもいます。
でもね、妻がいくら夫に冷たくっても、いくら育児にかまけて?いても、浮気をする人はするのです。
つまり、同じ環境にあっても、それに不満を溜め込む人は溜め込みますし、茂永容疑者のように宮司の職を解かれても年間ウン千万円の手当てを貰って生活していながらも、不満を持つ人はいるのです。
妻に不満を溜め込んでいた、だから「離婚だ」と言われても、もうちょっと、その「あいだ」はないのでしょうか?
妻の短所に堪忍袋の尾が切れたとしても、それに耐えかねたとしても、同じように不満を溜め込んでいながら、妻と向き合う夫もいます。
妻の事は愛想が尽きても、子供だけは別と、子供の父親として子育てをする男性だっています。
それを口を開いた時点で、もう終りというのは、余りにも短絡的。
結局、人生の不満を何で解消するかの時に、浮気をする人は、浮気という情事で誤魔化していたという事になります。
では、そうしてごまかし続けてくれたら離婚にもならないのですが、ここで妻の短所も影響します。
妻も「自分が正しい」とばかりに強気で説教ばかりすると、夫もぶつかる事になります。
それで、互いの「正義」を主張しあうことになるので、こんなもの、話し合いなどではなくなります。
夫には夫の正義があり 妻には妻の正義があるのです。
これは、互いに摺り合わせようとするなら、何とかなりますが、自分の正義を相手に解らせようとするだけでは、それは正義の押し付け。
こんなものを話し合いと呼んでいては駄目。
妻からの相談はたいてい、こんな自己主張の押し付け合いをして、夫がいう事を聞かないから「先生、何か夫を改心させる言葉はないですか?」と聞かれます。
また、言葉ですか。(がっかり)
言葉で問題を解決する事を話し合いと言います。
でも、最初から私は話し合いを、1ミリもしてはいけないとはコラムでは書いていません。
何度も話し合いをして、それでは解決しないと解ったときに、「言葉」以外のやり方を探さないといけないのです。
それなのに、妻は、自分の言葉が効果がなかっただけで、もっと夫に効く、一発で効果のある言葉を教えて欲しいと思っています。
やはりどれだけ言っても言葉での解決策を望んでいる自分に気がついてほしいのですが、妻が考えられる手段が「言葉」を駆使するという事で、他の方法は受け付けないのです。
もうここから、卒業しなくてはいけないのですが、相談に来ていていながらでも、妻の頭が切り替わらない人がいます。自分の決めた範囲の中で、解決策を教えて欲しいという、ここでも妻の決めた「枠」の中で探してほしいという、限定されている。
これでは、場所を代えて、色んなカウンセラーを探しても、営利目的のカウンセリングか、無料相談の範囲の中で
答えてくれる回答者を探しているのですが、これも妻の決めつけが、世界を狭くしています。
世の中の詐欺事件で引っかかり易い人は、【自分は大丈夫】と思っている人だそうです。
そして 人を騙す詐欺を働く側の人が言う人の特徴は
「世の中には悪徳業者が横行していますから詐欺には引っかからないで下さいね」と正義感を前に話す詐欺犯人。
でも、これこそが詐欺師の常套手段。
「自分はそんな悪徳業者みたいな事はしませんよ」と言う詐欺師。
つまり自分が正しいと思いながら話す正義感は時として、正しく見えてしまうから始末が悪い。
夫婦も 二人で正面向いて向き合い、自分が正しいと、押し付けがましく言っちゃうと、言われたほうが間違っているように感じてしまうのでは その力技のせいです。
それを一見平野主義的に「言葉」でやろうとするから、もっと始末が悪い。
言葉だから、暴力ではないと思うのは大間違い。
言葉こそ、武器になってしまっています。
そしてその武器で、言葉の戦争をしてきて、何ともならなかったのでしょ?
だったら、それ以外の方法を考えないといけないのに、やはり、夫の心を動かす「魔法の言葉」を求め、私に相談されます。
私がいくら言葉の戦争は効果がないと唱えても、やはり、妻は「言葉」から入る事を望んでいます。
ここでは、カウンセリングを受けに来たにも関わらず、カウンセラーを動かそうとしてしまうのです。
困り果ててたどり着いた相談所。
自分とは違う考え方を求めて門を叩いたはずなのに、やはり、そこでは自分流のやりたい方法、つまり話し合いでしか範囲を広げられないのです。
これこそが 自己流正義。
自分の枠の外に出られないという事は、問題を解決したいと望んでいても、結局はその本人が「道」を限定してしまっています。
NPO法人の相談所と聞けば、何かボランティア的で費用も掛からず、善良な感じを受け、NPO法人の何とか相談所と言うところに、電話相談などをされますが NPO団体でも、事務所も借りないといけないし、社員にはお給料は払わないといけません。
どこかで、何かのお金が発生していて、誰かがその経費を負担しているのです。
だからNPO法人と唄っていても、その相談所は 調査会社や法律相談所の「紹介所」となっている事はよくあります。
つまり 表向きは、相談料は発生しなくても 次の段階では必ず費用が発生するようになっているのです。
それを、無料だからと相談しても、ずーっと無料なんて事はありません。
むしろ その次の段階でしっかりお金が発生しないとおかしいのです。
誰もあなたの人生に、無料で解決してくれるほど、日本は善良ではありません。
そういう相談所選びから、すべての事が始まっています。
相談所次第で、あなたの選んだ道が違ってくる事もあります。
だからこそ、相談所選びの段階から関わらせていただきたいのです。
間違った方法をアドバイスされてからでは、手遅れになります。
しかし、ここでまたもや、あなたの「NPO法人は安くて善良」という決め付けが、道を間違えます。
困った挙句、すべてに相談料を払い、色んなところから一番自分に合うところを探したいという気持ちはよくわかりますが、「タダほど高くつくものはない」と解ってください。
ましてや、そういう相談所以上に、探偵を使って調査した結果、「後はどうしたらいいですか」と相談される妻。
でもね、その依頼した探偵の掴んできた浮気証拠を持って その次に依頼者がるべき事は何かと追われても本当に その証拠で行けるの?と感じます。
つまり証拠が必要なら それに値しなければ、現物を見せて頂いても証拠と呼べないのです。
と、いう事は依頼者は、なるべく費用を安くしようと、自分流の探し方で、安価な調査を依頼したりまします。
また調査の発注の仕方にも、本当はルールがあり、恐らく調査であまり言い結果が出なかった場合は、
問い合わせだけをして、調査実施日を決めないまま、日が過ぎても決意が出来ず、やっと妻が決意するのは
「やはり明日が怪しいわ」と、たいてい、浮気の一日二日前なのです。
それが世間で言う連休や、ゴールデンウィーク等であれば、腕のいい調査スタッフは、日程は詰まっています。
それでも、調査費用の欲しい調査会社は、一日前でも受けてくださいます。
では腕のいいスタッフが使えなかった場合どうするか?
それは外注に振るなら、まだ、良心的ですが、中には、依頼者が物をしらないと思えば「解りました、お任せ下さい」と言いつつ、下請けや孫請けに振るのはまだ良いほうですが、いつでも仕事を請けられるくらい暇なのは学生バイトです。
学生バイトは 探偵ごっこは大好きですから、1日、5~6千円でも渡せば喜んで動きます。
但し 調査会社は 「学生バイトを使うので安くしておきます」とは言いません。
逆に余りにも安価のところは 素人みたいな調査員がやっている調査会社かもしれません。
こうなると、調査をしても尾行がご主人にばれてしまいます。こうなると 証拠が偶然でも得られたらまだ良いのですが、調査がばれただけでは 夫が妻に対して「探偵を使った」事だけを責めて離婚に持っていこうとします。
では何故 こんなことになるか?
それは妻が、調査会社が腕の良い調査会社の探し方を知らないからです。
妻の選定の仕方は「なるべく安いところ」が妻にとって「良いところ」だからです。
先のNPO法人の事にしても、料金が安いというのは 何かがあるのです。
かといって 高額な調査会社が良いところとも、一概には言えません。
ただ、それは調査会社とは言っても、最初の聞き取りのところで、カウンセラーを置いていますし、何なら調査後も
アフターフォローで その後の対策をカウンセリングしてくれることが ホームページに書いてあります。
ここで、どこまで良心的か測れます。
しかし、何度も調査をした後、ご主人の顔も充分知っていて、その上で やはり急にして欲しいというと、調査会社は調査員の手が空いていたら受けてくれますが、なるべく以前と同じ調査員を使うほうが見失わない成功率が高くなるのです。
それなのに、初めての調査でも、営業成績を上げたいとなると、調査結果が成功しようが、失敗しようと関係ありません。
でも本当に依頼者のことを考えるなら、なるべく計画的に腕のいい調査員を押さえておきたいはずです。
それなのに妻の急な要望にばかり応えようとする調査会社は良心的とは言えません。
だからいつもいつも妻が急に思い立ったように「明日やって欲しい」と調査会社を動かせば、調査会社も暇なバイトに依頼するしか仕方がなくなります。
確かに、夫の予定が急に発覚したり、急な予定変更があることは分かりますが、初回の調査が、妻の急な要望であれば
人ごみの中で、夫を見つけたり、見失わないように全神経を使います。
これが、まして毎回急に調査を依頼すると、毎回、調査員はご主人を始めて見る調査員という試練が加わります。
これは同時に調査を失敗に終らせ易いという事にもなるのです。
妻は地下鉄の雑踏の中からでも夫を見つけ出す事は出来るでしょう。
でも サラリーマンの殆どがダークカラーのスーツを着て、ましてやこの季節はマスクをしている人も多いです。
その上で、勤務先から、夜、雨の中,傘をさして歩かれても、正直、プロの探偵でも判別が付きません。
また休日で、私服であっても、ニット帽やキャップを被られたら、家から出てこない限り、外出先で見つけ出すのは至難の業。こういう風に調査開始場所からも、証拠が得られるかどうかに関わってくるのです。
本当の良い結果を出す為には、依頼者の妻の衝動的な依頼をいさめ、もう少しちゃんと調査計画を立てましょうというのが良心的です。
それなのに、調査に関して素人の妻が、調査会社に指示を出そうとすると、それは調査が失敗する可能性も高くなります。
これって、何かの構図に似てませんか?
そうです、自分が不倫も未経験の妻が夫に説教するという話し合いの構図によく似ています。
だから、もし調査をするなら、「費用が安いから」という理由だけで調査会社選びをしないことです。
ここから 夫婦のやり直しが出来るかどうかは、決まってきます。
私のところに相談に来られる奥様も、「探偵を雇いました」→「証拠を得たので、その次にどうしたら良いか?教えて下さい」と言われます。
でも、その証拠は見せて頂くと、かなり幼稚な報告書で使い物にならない事も多いのです。
でも、話し合いの中で、勢いで、証拠を撮ったことなどを夫に、バラしてしまったりしている妻もいますから
せっかく掴んだ証拠も水の泡になるのです。
でもね、これもまた何かの構図に似てませんか?
そうです、妻が全てコントロールできるという自信を持っているのです。
調査日すらも、調査結果すらも、すべて妻が絵を書いて・・・・・・それを夫にぶつけて玉砕している人がいます。
調査のことも、不倫のことも、何も分かってないのに、全て、自分が仕切ってしまう性格・・・・・
その世界が見えてない妻が仕切っては上手く行かなくなります。
私なら、初回調査日が一番大事だと思っています。
何なら、計画を立て、その張り込みに適したプロのスタッフを担当させます。
軽いアルバイトでは駄目なのです。
下請けや孫請けでは、どんな調査をするか、見えないのです。
だから「いつでも言ってください」という急な初回調査に対応してくれる調査会社を親切な会社と思うのは間違っています。
でも、何故、急に調査を依頼したくなるのでしょうか?
それは、証拠を得ることは必要と思っても、中々決意が付かないからです。
そこでいよいよ、明日、夫が浮気をするのを我慢できなくなったら、居ても立ってもいられなくなり、「明日調査をして下さい」と急な依頼をすることになります。
これが調査の失敗を生む大きな原因です。
不倫の証拠を掴みたいと思ったときに、その証拠をどのように活かすか?
全く考えてない訳ではないはずです。
でも、結局、証拠が得られなかったら、「証拠が掴めなかったけれど、もっと他の方法はありませんか?」と問われる段階で、既に他の方法が取れなくなっているほど、こじれているという事です。
こじれて、こじれて、無茶苦茶になった後で、何か夫を振り向かせる魔法の言葉はないですか?となると、冷たいですが「無理」と言わざるを得ないのです。
夫を動かし、調査会社を指令し、カウンセラーには解決法を断定してくる妻。
これは、夫の不倫に苦しんだ結果とは言え、自分が「正義」と思っている現われですから、ここをもう少しだけ
柔軟になって欲しいと切に願います。
今日はここまで。

この記事を書いたプロ

村越真里子

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