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村越真里子

夫婦の問題を解決する専門家

村越真里子(むらこしまりこ)

Re;婚かうんせらぴー

コラム

実家

2017年12月2日

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

時々、息子の言葉にハッとさせられることがあります。
私が離婚をして10年余・・・・。
この仕事をしている当人が離婚をして良いものかという自問自答はありますが、離婚とは自分だけで決められるものではありません。
夫というパートナーの離婚希望と、私の離婚希望とが、合致してこそ成立するのです。
結婚生活、約30年・・・・
離婚は 私のこれまでの苦労を水の泡にするものと感じて耐えてきたのに、その日は、あっけなくやってきました。
夫が結婚生活の3分の1しか生活費を入れず、私が大黒柱となって、頑張ってきた30年。
子供達の父親は、私の勝手で奪ってはならない・・・・
何よりも 私が折々で離婚をしたいくらいの苦しみを味わいながら、それをすると 私の人生の半分も消え去っていく離婚。

いや、自分の選択してきたその目が、間違っていたのか?
自分が選んだ夫という人物を・・・・・その夫を選んだ私は、何も見えてないのではないか?
そんな何も見えない私が しっかり見定めていく自信のない私が、これからの人生、何を解ろうか・・・
という事だけれど、もっと解り易く言えば「独りになるのが怖い」でした。

例えお金の苦労をしても、それは夫のせいにしておけば半分は気が楽になりました。
息子の反抗期だって、夫と顔を突き合わせて、相談する事はありました。
それは家に生活費を入れない夫であっても、私にはパートナーではありました。

よく私は相談者に「夫というATM」という表現をして、夫の価値のひとつと説明します。

しかし、私の結婚生活はATM夫はどころか、生活費では私が孤軍奮闘していましたが、私の口癖・・
「お金は働けば何とかなる」でした。

お金の事を巡って喧嘩を繰り返し、子供の可愛い笑顔にも気がつかないのは 人生の損をしています。
その子供の その年齢のしぐさを見る時間は、もう二度と戻ってこないのです。

そういう意味で 私には時間というものが とても大切でした。

元夫にも、色々問題がありましたが、それを責めてばかりでは、わずかに残された暖かな気持ちまで疲弊させます。
そうなって、夫の気持ちが引いてしまうと、夫婦の少しだけの、「ほんわかした部分」と繋がりさえも、なくなります。

これは今でも、私の信念ですが、お金は時間が経ってからでも挽回できると思います。
でも失った人間としてのつながりを壊してしまうと二度と戻らないのです。

たかがお金、されどお金かもしれませんが そのお金の事で 大事な人を失うのは馬鹿馬鹿しい。

そう思って、色んな事に目をつむり、私はそれなりに暮らしていましたが、ある日突然の夫からの離婚宣言。
「え~~~?」ですよ。

それを言うなら 私からでしょう。
ま、しかし、そのXデーは来たのですから、今更、ごねる理由もないので、受け入れました。

あんなに、怖くて、不安で、恐れていた離婚が、あっけなく決まりました。

でもね、その手続きが済んだとき、思ったほど、孤独にもならなかった。
要は、二人で居たときの方がずっと寂しかったので、一人という孤独はたいした事なかったのです。
それよりも、明日はどうなるか解らない・・・・
夫を信じたいのに、言葉でうやむやにされ、裏切られて・・・・・
生活費を入れると言ってくれて、待っているのに、入れてくれない。
そうしたら、月末の支払い云々は、私が何とか駆けずり回らないといけない。

こんな生活を毎月孤軍奮闘していたときの方が、ずっと孤独で苦しかった。

私が、家という物に拘り、家賃に追いまくられない生活がいつか出来るように、何とか貯金をして中古住宅を買い、暮らしていました。
その家も、恥ずかしながら手放さないといけなくなった生活。
家は まさに饅頭のそと皮です。
中身のアンコが充実してないから、せめて 外の皮だけでも作ろうと、買った古い家。
そこを 離婚と共に出て行かないといけなくなったお陰で、子供達は実家がなくなりました。

そういう饅頭のアンコも皮も失うのが離婚。

幸い、友人にも恵まれ、今は楽しく過ごしています。
私が概念だけで不安に思っていた「離婚」は思うほど孤独じゃない。

そこで 私は一念発起して、働いて働いて、頑張って、また家を買いました。
不便では歩けれど、夜には街の明かりが見下ろせます。
失うものが何もない・・・・こんな暮らしがどれほど幸せか、今は満足しています。

たまに孫を連れて遊びに来る次男。
正月には、3,4日泊りがけで来る横浜の長男。

今年も それを楽しみにする師走。

先日も長男が電話を掛けてきて、正月帰省の話をしていました。
ある時 長男が家に来る事を「実家に帰る」と言い方をしました。

それを、次男に「お兄ちゃん、ここに住んだこともないのに実家って言うねんよ」と面白がって話していたら次男が
「実家って言いたかったのやろ」と言いました。
私はハッとしました。

そうです、離婚で私は子供実家を奪っていたのです。
それを私がいくら、終の棲家を手に入れたといっても それは子供の育った家とは違うのです。
子供の育った家はもうないのです。

夫が財産としてしっかり家をくれない以外は、子供達の思い出のある家は今はないのです。
息子にとって母親に会いに来るところが実家だとしても、本当の実家はないのです。

別に離婚を後悔はしていません。
息子が実家を失ったという事に気付かずに、「実家」と家を呼んだ事をからかった私は今更ながら、子供達に悪いことをしたな、って思いました。

離婚を考えるときに 少しでも夫から財産とか、家の取り合いになります。
坊主憎けりゃで、出来るだけ お金も取らないと、腹の虫が収まらないというのも解ります。
万一母子家庭になるかもしれないと思うとちょっとでも、お金を確保しようとする気持ちは解ります。

でも、その背景には 子供の「心」というものがあります。
大人の醜い争いをしている影で 子供は心を痛めています。

だからこそ、私はこの仕事を通じて、出来るだけ離婚のない世界を作りたいと思っています。
どうか、お金の計算じみた事ばかりじゃなく、子供の心を大切にする事を第一に考えて行きたいと思います。

40歳過ぎた息子が発した「実家」という言葉に ハッとさせられたお話でした。

ご清聴ありがとうございました。
今日はここまで。

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