セックスレスの話し合い

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦は話し合ってはいけません

私のところに寄せられるセックスレスの問題は、同じ問題なのに夫側からのものと、妻側からのものとは、まったく意味が違うのです。
同じ問題なのに意味が違うというのは、問題の原因がまったく違うということもありますが、それよりも表面化し、それを話し合った時に、これほど本音が言えない問題は他にないのです。
だからこそ 一番話し合いが適さないのが、このセックスレスの問題だと言えます。
じゃ、どうしたらいいかと 悩まれる方には叱られる案件ですが ここが夫婦の組み合わせから生まれることなので私が目の前の相談者にだけ問題提議をしても、そのパートナーに届かないというのが悲しい部分です。

と、いうのは このセックスレスの問題は ベットの中の問題ではなく、心の中の問題であったり、嗜好の問題であったりします。
しかし それがわからない人たちや それが言えない人どうしが セックスの頻度について話し合いうもんだから
話がおかしくなってしまうのです。
今回は 前もって断っておきますが、病理的な原因がある場合は、私はドクターではないので、そういう方は読まないで下さいね。但し、EDなどの病気を口実に、実はそうではない似非EDということもありますので、そこはお読みになる方の判断にお任せします。

セックスレスになる原因を相談者にお聞きすると、「なんとなくそうなった」という方がいますが、本当はきっと
きっかけがあるのだと思います。
夫側が思うセックスレスは、あまり私のところには相談に来られません。
そもそも男性は人に相談ということを好みませんので、面談で来られる方は 殆どいません。
時々 無料相談の枠でお電話を頂く方はいるのですが そういう方は殆ど、エロい話がしたいだけのすけべな男性ですので 私のような者はその意図を見抜けてしまいます。
ですから 男性は楽しくなくって、すぐに電話を切られますが そういう趣味の方が男性側に多いのは確かです。
また 別のタイプで本当に妻とのセックスレス問題を抱える方は それほど長くは悩まずに妻以外の女性を求めます。
何故なら、セックスが生理現象である男性にすれば、長い間、妻とセックスも出来ないのは、おしっこをしないのと
同じこと。死活問題なのです。
だからあまり長い間、それがなくても平気という男性がいるとしたら、それは他で賄えているか、または自分で何とかしているのでしょう。
その頻度は、もちろん年齢、健康具合、環境などによって違いはあります。
しかし おしっこをしない人間がいないように、まったくそれが出来ない事に、何も問題を感じない人はいないということを知ってください。

さあ、そこで これが妻から寄せられた相談ということに限って言うと、妻は女性ですから男性の生理現象は自分のカラダに置き換えて考える事はむつかしいです。
人間の身体に個体差があるように こういう事に一般論という基準はないのかもしれません。
でも、長いあいだ、まったくセックスをしてこなかったと言うなら それは個体差の問題ではなく、ちょっとおかしいと思われて、話し合いをされたのだと思います。
しかし この問題の「核」に話し合いで触れる事がむつかしいと思います。
つまり夫からすると 性的な問題とは言え、こころの部分も大きくて、そのこころの部分は妻にとっても知りたいところだろうけれど、これが「話せば分かる」という理論的な事ではなく、その殆どが感覚的な物なのです。

夫婦が共働きで、毎日、へとへとになって働いて、スレ違いが原因でレスになっているなら、生活リズムを無理してでも調整すればいいのです。
でも、私のところに寄せられる相談で、結婚してから一度も セックスをしていない夫婦や、結婚してからは、おろか交際中からそういうことの無いまま、結婚したカップルもいて、今時の若い人が そんなプラトニックだけでいられるのか、ということに驚いています。

なので まったく夫婦としての営みもなく、結婚生活を続けている夫婦はオリンピックみたいに、参加することに意義があるじゃないけど、「結婚すること」に意味があった夫婦なのだと思います。
それをセックスだけの事を議題とした話し合いをしても 意味がないのです。
また、そういう夫婦の場合、その結婚を見つめた時に、セックスレス以外の問題の方が多くあり、それにも気が付いていない方が多いのです。
この「気づかない」ということが 問題の原点であったりします。
私が相談を受けた妻に多く感じるのは、真面目過ぎる方が多いです。
もっと言えば誤解を恐れずに言いますと温室育ちのお嬢様風の方が多いので、女性として大人ではなかったりします。
結婚をしたから 夫婦になれるのではないのです。
結婚すれば 自然と夫婦として完成するのではありません。
むしろ 結婚をしたから 夫婦という芽を育てていく共同作業だと思います。
さあ、それで改めてセックスレスの問題は話し合いで解決出来るのか、という事に話を戻します。
男性は 実際妻から そういうことを指摘されたら 義務を果たしてないというダメ出しをされたように感じるというか、プライドを傷付けられる方も多いです。
それを、テーブルを挟んで面と向かって話し合えば子供が親に説教されているような図式になりませんか?
日本は昔から「男子たるもの」という意識がありますから もし夫婦なのに、セックスがなされてないという夫は男性失格のような言われ方になるので、それを妻に言われるということに、どういう感覚を持つか、ということも気になりますし、 それを言われて何ともないなら、そもそもそれは夫婦関係も悪くないので 夫婦の間にもすきま風は吹いていないはずです。
では、お互いが本音を言えない夫婦がセックスレスを起こします。
いえ、厳密に言えば セックスレス¬「も」起こし、他の現象も起きているはずです。
だとしたら 他の問題に触れず そのセックスレスの事以前の問題に触れずに、どうかな?と感じるのです。

では もう少し深刻なケースを紹介します。
セックスレスから 子供さんが授からず、不妊治療に入ってられる方。
こういう医療の施術に入られている方には 私のような素人が軽々に発言は出来ません。
でも、それだって原因の一つにセックスレスがあるとすれば 夫婦の間で そのセックスレスについて 夫婦の温度差が、口争いなどになっていませんか?
つまり、回数や頻度の事ではなく、その前に、セックスが減少していった原因があるのです。
結婚して最初からセックスが皆無であればそれはまた別の問題ですが、だんだん減少していったら、そこにこの夫婦のすれ違う原因があるのではないでしょうか?
例えば夫婦が共働きで妻が家事がどちらかと言うと苦手だとします。
その場合は 夫の家事協力に不満を持ちます。
多少の協力をしても、足りませんが 家事協力をしてくれない夫の場合、帰宅時間が遅いことすら 妻の不満の原因になります。 
でも、妻でも要領がよく、家事を難なくこなすタイプならばどうでしょう?
夫が家事を手伝おうとしても邪魔扱いされます。
同じ家事非協力の問題でも 夫と妻のタイプが違えば 問題は正反対になります。
特に妻が本当は家事が苦手であれば その苦手感がコンプレックスになります。
その場合、非協力にでも、日頃から口達者な妻は、夫に家事協力を優しく要請することができず、夫に不平不満をぶつけるというスタンスになります。
そうなると夫に頼ることより 意地でも自分でこなすわ、ということになり その苦手な家事をこなす背中は、体全体で夫への不満をかもしだしています。
そういう関係に陥っている夫が 帰宅し、妻も家事や育児でクタクタになっているとき、ベットの中だけで仲良く出来るはずがないのです。
そうなると夫にしても 妻が寝静まってから帰る方が平和ということになります。
こうなると、当然セックスは無くなり、夫婦の間は冷えて行きます。
夫もカリカリする妻には指一本触れることも許されなくなります。
そして 気がつけば妻も 出産適齢期を考え 焦り出し、夫の帰りを待ち、子作りということになります。
しかし 日頃優しくされない妻の元に、夫は前のめりで帰れるはずがありません
これが悪循環の始まりで、妻は夫に「真剣に子供の事を考えているの?」という詰め寄りの立ち位置になります。
そこで 行き詰まった妻は 医療の門を叩き不妊治療という医療の手を借りるようになります。
これを分かりやすく言えば、妻が言っても子作りをしてくれないから 夫にドクターの立場から子作りに真剣になるよう言ってやって下さい、ということなんです。
こうなれば ドクターと妻が一枚岩になり、夫の生活態度を責めて来ます。
妻は日頃から基礎体温も測り、来るべきその日に焦点を当てて生活してきます。
しかし、対する夫は そのプレッシャーというか、現実逃避から残業とか接待を装い、逃げ腰です。
でもそれは、高額な医療費を無駄にすることですし、妻の真剣な子作りを冒涜することにもなります。
そこで 夫婦がよけいに喧嘩になったりして、夫婦仲良く子作りということから遠ざかります。
これは 子作りという事だけですが もしかしたら 夫にすでに浮気相手でもいれば夫は子作りをしている場合ではなくなります。
何なら、この先離婚も考えているなら 妻と子作りしては 離婚もままなりません。
もし浮気が 子作り拒否の中の原因のひとつであれば 妻にセックスレスの本当の気持ちなんて夫が話せるはずがない。
これが私のいう セックスレスに話し合いが効果的か?ということに繋がります。
ではちょっとここからは番外編です。
例えば 妻が性的にあまりにも幼なかったり、またとても妻が堅物や潔癖症であれば セックスを楽しむということとは、程遠くなります。
そういう夫婦が仲良くするときは 時には下ネタであったり 馬鹿げた夫婦だけに通じる会話も必要です。
でも、これは妻に説明して理解してもらえることではなく 長い生活の中で夫は無力感を感じて行き、妻には何も期待しなくなります。
そうすると夫のひとり遊びが始まるのです。
妻には言っても分かってもらえない感覚。
これは語らない夫ばかりが悪いのではなく、妻もそれを感じてあげる感性の問題です。
夫の望みが スポンジに水が染み入るみたいに 妻が理解をしてくれないなら 夫の言葉も少なくなります。
そこに話し合いをしましょう・・・なんて妻に詰め寄られたら もうそれは裁判のような気分になります。

夫婦が話し合ってはいけませんというのは すべてこういう部分に通じます。
妻が主流になって夫婦会議を進行しても、実際妻は何も分かってないということが多くあります。
これでは妻が夫を叱っているような構図が出来上がり、もう決して平和な着地点というのは見い出せません。
そういう意味で 今日、ここで書いた事が 少しでも思い当たる方は これまでと角度を変える考え方を持ってください。
そして最後に、実際、女性でも婦人病や、妊娠しにくい病理的な体質の方には 今日の内容は忘れて下さい。
日々苦しんでいる女性には 辛い不妊治療だと思います。
気持ちはお察しします。
でもここであえて言わせて、セックスレスという事は 全くないことと頻度の少ない事から始まるとしたら
そういう夫婦の関係が順当にあることで より良くなることもあります。
夫婦が自分たちの真剣さを歌い、どちらが辛いかを競っている場合じゃありません。
仲良くすることで そういう回数が増える事で レスにならずに済みます。
話し合い、話し合いと言っても 結局険悪な雰囲気になるなら そんなことやめて 二人でデートして下さい。
家の中で 何時間も真剣に話し合うって 余計夫婦を冷めさせるのです。
では、今日はここまで。

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村越真里子
専門家

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Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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