KNOW-MAの開発動機
オープン・イノベーション、すなわち他社技術の外部導入や、自社技術のラインセンス等の技術流通によって、研究開発や新事業立ち上げを迅速に行って行こう、という動きですが、これは、なかなか日本でうまくいっていないのが現状です。
まず、大企業ですが、日本の大企業は優秀な人財を豊富に抱え込んでいますから、新たな技術課題に対しても自社でそこそこやってしまう力を持っています。したがって、オープン・イノベーションは、注目すべきトレンドではあるものの、たいての企業は切実な問題として、認識していないのではないでしょうか。
私は、オープン・イノベーションは一番効果的なのは、中堅企業や、中小企業の開発現場だと思っています。しかし、現状では、このような規模の企業でも、オープン・イノベーションは関心をあつめていません、なぜなら、まず、オープン・イノベーションという動きを知っている企業はほとんどないし、また産学連携のようは、技術的に高度な連携に対しても、大学との付き合いがほとんどないために、何ができるかぴんと来ないというのが原因でしょう。
このような状況を打開するのが、いわゆるコーディネータと言われる人たちです。現在、大学の産学連携ン部門や、公的な企業支援組織(中小機構や商工会議所等)にいて、企業間や企業・大学間のニーズ・シーズマッチングに尽力している人たちです。
企業単独では、自社の技術課題の抽出や、必要とする技術の提供先探索をするのが難しい場合でも、このようなコーディネータの人たちがいれば、相互のマッチングの触媒となってもらえます。
つまり、オープン・イノベーションの発展には、このようなコーディネータの人たちの充実が不可欠なのです。