AI検索に会社を間違えられる時代 沖縄企業が整えるべき情報の更新力
画面の中で、何人もの「AI社員」が働いている。役割が割り振られ、次々と指示が飛び交い、仕事が進んでいく。
デモを見ると、確かにすごいと思います。
ただ、経営者として僕が知りたいのは、その後です。
それで、毎月の集計は何時間減ったのか。問い合わせへの返信は早くなったのか。社長が夜に持ち帰っていた仕事は、持ち帰らなくて済むようになったのか。
「AI社員が100人います」と聞いても、社員が確認する仕事まで100人分増えていたら、ちょっと困りますよね。
AIを何人動かしたかと、会社の仕事が楽になったかは、別の話です。
AIを入れる前に、聞いておきたいことがある
例えば、「毎月の売上集計をAIで自動化したい」という相談があったとします。
すぐにツールを選びたくなるところですが、僕なら、まず今の作業を見せてもらいたいです。
どこから数字を集めているのか。誰が入力しているのか。どこで時間がかかるのか。そして、出来上がった集計表を誰が、何の判断に使っているのか。
ここをたどると、面倒な理由がAIとは関係のないところに見つかることがあります。
同じ数字を二つの表に入力している。担当者によって書き方が違うので、毎回直している。以前の上司に頼まれて作り始めた資料が、誰にも読まれないまま残っている。
こうした仕事を、そのままAIに引き継がせる必要があるでしょうか。
二重入力なら、入力先を一つにできないか。書き方が違うなら、最初からそろえられないか。使われていない資料なら、作るのをやめられないか。
AIにやらせる方法を考える前に、その作業を続ける必要があるかを考える。
ここを飛ばすと、人がやっていた無駄を、AIが速く繰り返すだけになってしまいます。
「業務の棚卸し」は、仕事の名前を書き出すことではない
業務の棚卸しという言葉は、少し堅く聞こえるかもしれません。
簡単に言えば、普段の仕事を広げてみて、「何に時間がかかっていて、何を変えれば楽になるか」を確かめることです。
ただ、「メール対応」「営業」「経理」と書き出しただけでは、まだ改善する場所は見えません。
例えば、メール対応。
時間がかかっているのは、文章を書くところでしょうか。それとも、返信に必要な情報を探すところでしょうか。
料金を確認するために担当者へ聞き、納期を確かめるために別の人へ連絡し、返事がそろうまで返信できない。そんな状態なら、文章を数秒で作れても、待ち時間はほとんど変わりません。
先に必要なのは、料金や納期をどこで確認できるようにするか、誰が回答を決められるかを整理することです。そのうえでAIに下書きを任せれば、役に立つ場面が増えます。
同じ「返信が遅い」という悩みでも、原因によって手の打ち方は変わります。
だから、AIについて詳しいことに加えて、実際の仕事を聞き取り、止まっている場所を見つける力が必要になります。
社長が当たり前にやっている判断ほど、見えにくい
少人数の会社では、社長やベテランの頭の中に、仕事の進め方が入っていることがあります。
「このお客様なら、先に納期を伝えた方がいい」
「この注文は、いつもの確認だけでは足りない」
「この見積もりは、一度電話してから出そう」
本人は自然に判断しています。でも、周りには理由が分からない。結局、何かあるたびに「社長、これどうしますか」と確認が集まります。
ここにAIを入れても、判断の材料が整理されていなければ、期待どおりには動きません。
僕らが営業を支援するときも、売れている人の言葉を、そのまま台本にすればよいとは考えていません。
なぜ、その質問をしたのか。どんな返事があったから、次の提案に進んだのか。反対に、どんな場合には勧めなかったのか。
そこまで聞いて初めて、ほかの人も使える形に近づきます。
AIに仕事を任せる準備も似ています。人が無意識にやっている判断を言葉にし、任せられる範囲と、相談が必要な範囲を分ける。その作業は、社員への引き継ぎにも役立ちます。
「自動化しました」の後に、人の仕事が増えていないか
AIで問い合わせへの返信文を作れるようになったとします。
ところが、毎回長すぎる文章が出てくる。料金を間違えることがある。必要のない説明まで加わる。担当者が一文ずつ直していたら、自分で書く方が早かった、ということも起こります。
これでは、文章を作る作業を、文章を直す作業に移しただけです。
見るべきなのは、AIが答えを出すまでの速さではありません。人が確認し、修正し、お客様に届けるまでを含めて、負担が減ったかどうかです。
最初は、よくある問い合わせの一種類だけでも構いません。回答に使う情報をそろえ、AIが下書きを作り、人が確認する。判断できない問い合わせは、人へ戻す。
範囲を絞った方が、うまくいかない理由も見つけやすくなります。
いきなり会社全体を変えるより、「この返信なら、以前より楽にできる」と現場の人が感じられるところまで仕上げたい。その積み重ねの方が、日々の仕事に残ります。
僕らが増やしたいのは、AIの人数ではなく、会社の余裕です
BLUE LEAFでも、AIを使うことで一部の外注費を減らし、発信や提案を考える時間を増やしてきました。
ただ、すべてをAIに任せているわけではありません。人が考えた方がよいところ、専門家の力を借りたいところは残しています。
お客様の仕事でも同じです。
AIが必要なら使います。今ある表の整理で済むなら、まず整理します。作業の順番を変えるだけで解決するなら、無理に新しい道具は増やしません。
営業でも、電話をかける件数だけ増やせば売れるわけではありません。誰に、何を伝えるかがずれていれば、忙しくなるだけです。AIも、何を任せるかを見誤ると、同じことが起きます。
僕らがお手伝いしたいのは、「AIを導入した会社になること」ではありません。
毎月の集計で残業しなくて済む。問い合わせをためずに返せる。社長が確認しなくても進められる仕事が増える。そして、空いた時間を営業や、お客様への対応に使える。
そういう変化を、現場で一緒につくることです。
相談の前に、AIを勉強しておく必要はありません。
「この作業が面倒で」
「なぜか毎回、ここで仕事が止まって」
「これ、もう少し楽にできませんか」
その話を聞かせてもらえる方が、僕らにはありがたいです。
AIに何ができるか分からなくても、自分の会社のどこが大変かは分かる。そこが、仕事を変える出発点になります。
毎日の仕事を、どこから減らせるか。AI活用の無料相談はこちら


