続けられる人が強い 沖縄企業が成果を焦らず積み上げる仕事術

9月30日、ABEMA Primeに出演し、ひろゆきさんをはじめとする皆さんと、ジャングリア沖縄についてお話ししました。
番組では厳しい意見も出ました。僕からは、実際に訪れた感想と、沖縄で暮らし、地元の事業者さんの営業や集客をお手伝いする中で感じていることをお伝えしました。
出演を終えて、あらためて書いておきたいことがあります。ジャングリアの評価をめぐる議論の中で、その近くで商売を続ける人たちの思いも、置き去りにしたくないということです。
まだ実感はない。それでも、頑張ってほしい
僕が接している北部の事業者さんからは、商売への効果をまだ十分に感じられない、という声を聞きます。
一方で、県内の商品を扱ってくれることや、地域のお祭り・イベントに関わってくれることを喜び、頑張ってほしいと話す方もいます。
もちろん、僕が接している方々の声であって、北部全体の意見ではありません。ただ、期待と、目の前の商売の厳しさ。その両方があることは、伝えておきたいと思います。
地元に大きな施設ができたからといって、翌日からお店の売上が増えるわけではない。期待して待っているだけでは、経営は続けられません。それでも、地域との関わりが生まれることを喜び、この挑戦がうまくいってほしいと思っている人がいる。
僕自身も、そういう気持ちで見ています。ジャングリアを何が何でも擁護したいわけではありません。改善すべき点には向き合ってほしい。そのうえで、沖縄でこれだけの挑戦が始まったのだから、地域にとってもプラスになる形で続いてほしいのです。
施設に人が来ることと、近くのお店が潤うことは別の話
営業や集客のお手伝いをしていると、お客さんが増えることと、利益が残ることは同じではないと感じます。
ジャングリア自身が事業として成り立つことは欠かせません。施設に利益が残らなければ、働く人を支えたり、体験を改善したりすることも難しくなります。
同時に、来園した人がどこで泊まり、どこで食べ、何を買うのか。ここまで考えなければ、周辺の事業者さんが感じる変化にはつながりにくいはずです。
例えば、施設を楽しんだあと、そのまま南部のホテルへ戻る旅と、北部で夕食を取り、一泊して翌日も周辺を回る旅では、地域のお店と出会う機会が違います。これは、どちらの旅行が良いという話ではありません。北部にも滞在したくなる選択肢を、きちんと用意できているかという話です。
地域への波及効果を語るなら、来園者数だけでなく、周辺のお店に実際の予約や注文が入ったかを見たい。施設と地域の両方に売上と利益が残って、初めて地元の人が変化を実感できるのだと思います。
夕方からの楽しみが、北部に泊まる理由にならないか

僕が可能性を感じているのは、夕方から夜の体験を、北部で一泊する理由につなげることです。
昼間は海や周辺の観光を楽しむ。夕方からジャングリアで過ごし、その日は北部に泊まる。翌朝は、伊江島などへ足を延ばす。
これは、すでにそのようなプランが整っているという紹介ではなく、僕が考えている旅行の組み方です。
沖縄に来る方には、海も、離島も、ホテルでゆっくり過ごす時間も楽しんでほしい。その限られた日程の中で、ジャングリアだけに一日を使ってもらおうとするのではなく、ほかの楽しみと組み合わせやすくする考え方があってもいいと思っています。
ただ、夜まで営業すれば解決する、というほど簡単ではありません。帰りの移動手段はあるか。夕食を取れるお店はあるか。宿泊先まで無理なく移動できるか。子ども連れでも疲れすぎないか。翌日の船や予定に間に合うか。
旅行する側がそこまで自分で調べ、手配しなければならないなら、魅力を感じても予定に入れにくいでしょう。宿泊施設や飲食店、交通に関わる事業者さんと一緒に、安心して予約できるところまで考えたいのです。
もちろん、夜の運営には安全面や自然環境、近隣の暮らしへの配慮が必要です。働く方の負担も増えます。追加の費用に見合う利用があるのかも確かめなければなりません。最初から大きく広げるのではなく、限定した日程や内容で試し、施設の利益と地域への効果の両方を見ながら判断する方法が現実的だと思います。
知っている施設から、自分たちが行きたい場所へ
名前を知っていることと、旅行の予定に入れることの間には、距離があります。
家族で行ったらどう過ごせるのか。何時間くらい必要なのか。移動や食事も含めて、いくらかかるのか。天気が変わったときはどうするのか。そうした疑問が残れば、話題になっている施設でも、予約するところまで進めません。
僕が普段の営業支援でも考えるのは、こちらが伝えたい魅力を並べる前に、相手が決められずにいる理由を探すことです。旅行も同じで、「すごそう」だけでは予定は決まらない。「自分たちなら、こう楽しめそう」と思えると、ようやく具体的な選択肢になります。
だから、地元の事業者さんの声を聞くことにも意味があります。泊まる人、食事をする人、商品を買う人に日々接しているからこそ、旅行者がどこで迷い、何を求めているかを知っている。その声は、宣伝に添える応援コメントではなく、次に何を改善するかを考える材料になるはずです。
北部で商売をする人が、続いてよかったと思えるように
今回の出演を通じて、ジャングリアについて、さまざまな立場から考える機会をいただきました。
厳しい指摘を避ける必要はありません。ただ、成功か失敗かを言い合うだけでは、北部の事業者さんの明日の商売は変わりません。僕が見たいのは、ここから何が改善され、地域にどんな仕事や売上が生まれていくかです。
県民が家族を連れて行き、県外の友人にも勧めたくなる。訪れた人が周辺のお店を知り、次の旅行ではそこを目当てにまた来てくれる。そうした関係が少しずつ増えていけば、施設の価値は園内だけでは測れなくなります。
施設が続いてよかった。うちのお店にも、お客さんが来るようになった。
いつか、そんな実感を持つ事業者さんが増えてほしい。沖縄で暮らし、地元の商売をお手伝いしている一人として、僕はその形での成功を願っています。
出演番組:ABEMA Prime(2026年9月30日放送)
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