「AIは苦手」で終わらせるのはもったいない。少人数の会社の仕事を、もっと楽にする方法
訪問先の下調べは、僕の場合、移動中の車の中で済ませています。AIと音声でやり取りしながら、これから会う会社について確認するんです。
机に座って、ホームページを何社分も開いて、調べたことをまとめて。それだけで結構な時間がかかりますよね。
もちろん、相手のことを知らずに訪問したいわけではありません。でも、調べものに時間を使いすぎて、お客様と話す時間が減ってしまうのも違う。
だから僕は、下調べにAIを使っています。
ただ、AIが話してくれた内容を、そのまま相手にぶつけることはできません。情報が古かったり、違っていたりすることもある。元の情報の確認は必要ですし、相手が実際に何に困っているかは、本人と話さないと分かりません。
会う前に分かることは、先に調べておく。会わなければ分からないことを、訪問先で聞く。
そのための準備を、移動中に進めている感覚です。
※車内で使う場合も安全優先です。運転中の画面操作や閲覧は避け、操作や情報の確認は安全な場所に停車してから行ってください。音声でも運転への集中を妨げる場合は利用を控えてください。
「ちゃんと調べて」と「もっと件数を」の間で
これは、訪問前の準備だけの話ではありません。新規の営業電話でも同じことが起きます。
会社概要を読んで、お知らせを見て、採用ページものぞく。「ここなら、うちのサービスが役に立つかもしれない」と調べているうちに、時間が過ぎる。電話は、まだかけていない。
相手のことを調べるのは、悪いことではありません。ただ、真面目に調べる人ほど、どこで切り上げればいいのか分からなくなるんですよね。
社長からは「相手に合わせて話そう」と言われる。その一方で、「もっと件数を増やして」とも言われる。
両方やりたいんです。でも、時間が足りない。
僕は、ここをAIに手伝ってもらいたい。立派な企業分析を何ページも作るためではなく、相手と話すところまで進むために。
調べたことを、全部しゃべらなくていい
例えば、複数の倉庫の在庫をまとめて確認できるサービスを売っているとします。営業先のサイトを見ると、新しい倉庫を開設したと書いてある。
電話をする理由は見つかりました。でも、ここで長々とサービスの説明を始めたら、せっかく調べても、いつもの営業電話になってしまいます。
「弊社では在庫の一元管理を実現するサービスを……」
相手からすれば、「それ、うちに関係ある話?」です。
僕なら、担当の方につながったところで、例えばこう切り出します。
「新しい倉庫を開設されたお知らせを見て、お電話しました。拠点をまたいで在庫を確認する手間を減らすサービスのご案内なんですが、今、在庫の確認はそれぞれの倉庫に連絡されていますか?」
あくまで一例です。この言い方なら必ず聞いてもらえる、という話ではありません。
ただ、何の電話なのかは伝わります。そのうえで、相手が自分の仕事と関係するか判断できます。
会社名を差し替えたり、「御社のホームページを拝見しました」を付けたりするだけでは、相手に合わせた電話にはなりません。調べた情報を使って、相手が答えられる話にする。そこまで考えて、ようやく下調べが役に立ちます。
「困っているはず」は、電話する側の都合です
新しい倉庫ができた。だから在庫管理に困っている。
つい、そう考えたくなります。自分たちの商品を売る理由が欲しいので。
でも、新設に合わせて管理の仕組みも整えたかもしれません。こちらが知らないだけで、何も困っていないこともあります。
AIに営業トークを作らせるときも、ここは気をつけたいところです。もっともらしい提案ができたからといって、相手の事情まで分かったわけではありません。
僕なら、会社のお知らせと自社の商品説明を渡して、こう頼みます。
「この会社について分かっていることと、まだ想像でしかないことを分けて。電話の最初に聞くなら、何を確認するとよさそう?」
返ってきた内容を全部使う必要はありません。元のページで内容や日付を確かめて、聞きたいことを一つ選ぶ。
「各倉庫に電話しています」と返ってくるのか。「もう一つの画面で見られます」と返ってくるのか。それは話してみないと分かりません。
調べてから電話する。でも、調べた段階で答えを決めない。この感覚は、AIを使っても変わらないと思います。
アポが取れたのに、話がつながっていない
電話で相手が、「普段は困らないけど、月末の集計だけ時間がかかるんですよ」と話してくれたとします。
それなのに、商談担当者へ渡るメモは「在庫管理に興味あり」。
これは、もったいない。
相手は在庫管理全般の説明を聞きたいのではなく、月末の集計の話をしたのかもしれません。商談でまた最初から商品説明をされたら、「電話で話したこと、伝わっていないのかな」と感じるでしょう。
電話の件数やアポ数を増やしても、ここで話が途切れてしまいます。
残してほしいのは、上手にまとめた営業報告より、相手が実際に言ったことです。「月末の集計だけ時間がかかる」。まず、その一行が欲しい。
AIには、会社で利用を認めた範囲のメモから、聞けたことや次に確かめたいことを整理してもらう。こちらが約束したことも分けてもらう。ただし、メモにない約束を補わせない。電話した本人が最後に確認します。
相手の言葉が残っていれば、商談の入り方も変わります。
「月末の集計に時間がかかると伺ったんですが、どの作業が大変ですか?」
この一言から始められる。電話で聞いたことが、ちゃんと次の話につながります。
きれいな資料が増えて、電話が減ったら困る
AIを使うと、準備の資料はどんどん作れます。会社の特徴、想定される課題、提案の切り口。見ていると、かなり仕事が進んだ気になります。
でも、今日、お客様とは何件話せたでしょうか。
僕はここを見たいです。調べるのが早くなったなら、その分、電話できたのか。昨日話した相手に、約束の資料を送れたのか。
もちろん、件数だけ増やせばいいわけでもありません。受付で終わるのか、担当者にはつながるけれど話が続かないのかで、直すところは違います。断られた理由が分からなければ、分からないまま残す。AIに理由を埋めてもらっても、次の営業を間違えるだけです。
最初は数社で十分です。普段より準備が軽くなったか。相手から聞けた話はどうだったか。少ない件数で売れる・売れないを決めつけず、まず自分たちが使いやすいかを確かめてみる。
一社ずつ丁寧に調べるか、数をかけるか。その二択で苦しくなっているなら、AIに手伝ってもらえる部分はあるはずです。
BLUE LEAFでは、AIに営業トークを書かせる前に、誰に、何の話で電話をするのかを一緒に考えます。調べることが多すぎるのか、最初の説明が長いのか、電話で聞いたことが商談に届いていないのか。実際の仕事を見ないと、分からないことがあります。
「AIで営業を効率化したい」まで整理できていなくても構いません。「調べてばかりで電話できていないんです」。そこから相談してください。
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