嚥下障害の患者さんに注意すること
皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。
脳卒中などをきっかけに、飲み込み機能が障害を受けたり、
誤嚥性肺炎を繰り返したりすると、食べたりする機能が低下してしまう事となります。
そのため胃ろうの処置受けられる方も多いと思います。
そうなると口から食べ物は入ってこなくなるわけです。(直接胃に栄養が入るため)
もちろん胃ろうは一時的な栄養補給のためで、
食べる機能が改善するとまた口からという患者さんもいらっしゃいます。
しかし障害が重く、胃ろうを継続される場合は、口腔ケアが大切になってきます。
「口から食べられないのだから、口の中は汚れないのではないか?」と思われる方も多いのではないでしょうか?
口の中には口腔細菌が多く存在しており、口の中で繁殖しています。
また食事をしないため、唾液の分泌も悪く、口腔乾燥が大きな問題となります。
そのため痰や唾液などが乾燥して、痂皮を作り、上顎や舌にべったりと付着して、
歯ブラシだけではなかなか取れない状態になります。
ひどくなると舌の動きを抑制することもあり、毎日のケアが大切です。
また強い口臭をを放つばかりでなく、細菌の増殖を招き誤嚥性肺炎のリスクを高めます。
その乾燥した痂皮や汚れは口腔保湿剤の使用により口腔乾燥が軽減できます。
付いている量にもよりますが、汚れや痂皮の上に3~5分位位塗ってふやかしてから
歯ブラシやクルリーナなどの粘膜ブラシで除去すると良いでしょう。
その時、汚れを口腔外にきっちりと取り去って下さい。
残ると誤嚥を起こすことにもつながります。
特にうがいなどができない患者さんの場合は、口腔ケアの汚れや唾液、汚水の管理が大切です。
そのためにも痰の吸引器が必須で、
歯ブラシや粘膜ブラシも吸引しながら清掃できるものも市販していますので使われると良いと思います。