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小原悦子

エアライン流で魅力を磨き好感度アップにつなげるマナーのプロ

小原悦子(おはらえつこ) / マナー講師

ESA(イーエスエー)人材プロデュース

コラム

接遇から学ぶ~クレーム対応の基礎知識~

2016年3月25日 公開 / 2016年5月30日更新

コラムカテゴリ:ビジネス


お客さまから指摘された問題などについて、適切に対処していくためにも接遇マナーが欠かせません。お客さまの立場に立ってクレームの内容を正しく読み取り不満を解消することができれば、お客さまをファンに変えることもできます。

苦情や不満をネガティブに受け止めず、企業の問題や業務改善のヒントを見つけ出す良いチャンスとして捉えることが大切です。

「クレーム」は業務改善のヒントを得るためのチャンス

「クレーム」とは、商品やサービスなどに不満を持った人が、その商品やサービスを提供している企業などに向けて問題点を指摘したり苦情を述べたりすることです。

「クレーム」と聞くとネガティブな印象を抱くかもしれませんが、クレームはお客さまからいただく貴重な意見です。自分たちの会社の商品やサービスに対する、お客さまの期待の表れでもあります。クレームは、情報やアイディアの宝庫です。敬遠せずに、企業の問題や業務改善のヒントを見つけ出す良いチャンスとして捉えましょう。

接遇マナーの行き届いたクレーム対応とは?

クレームは、対応の仕方で明暗が分かれる重要な分岐点です。
クレームを受け付けたスタッフの対応が悪ければ、お客さまの怒りや不満が拡大してしまう可能性もあります。

スタッフの対応が行き届いていれば、マイナスをプラスに変えることができます。「困っていたけど(不満に思っていたけど)親身になって聴いてくれて良かった」とお客さまに喜んでいただけるように努めましょう。

クレームに対応するときには、お客さまの立場に立って考え、行動する接遇力が欠かせません。
まず、お客さまに対して敬意を払うことが大切です。敬意を払うとは、お相手に対する尊敬の念を行動や言葉にして表すことです。

「クレームから逃れたい」「早く終わらせたい」といった気持ちでいると、お客さまの話に集中することができず心情を理解することができません。お客さまに寄り添うことができずについ言い訳をしてしまうと、お客さまの心が離れてしまいます。

まず、お客さまが不快な思をしていることに対してお詫びをします。足を運んでいただいた、または電話をかけていただいたことに対し「わざわざお越しいただき…」「お待たせしてしまい…」「ご不便をおかけしてしまい…」申し訳ございませんと丁寧に謝罪します。
お客さまが感情的になっている場合もありますので落ち着いて、そして誠実にお詫びの言葉を述べましょう。

お客さまをファンに変えるための接遇力

お客さまに不快な思いをさせたことに対してお詫びをした後は、お客さまの話を傾聴し、不満に思っていることや要望などをしっかりと受け止めましょう。

このとき、お客さまの言葉を途中でさえぎるのは良くありません。不満の原因は何か、お客さまが求めているものは何かということを導き出すためにも、最後まで集中して話を聴くようにしましょう。

実際に会って話をする際は、お客さまの話すスピードに合わせてうなずいたりあいづちを打ったりして傾聴の姿勢を示します。
電話の場合は、お客さまにこちらの表情を見てもらうことができませんので、「はい」「さようでございましたか」「よくわかります」「ごもっともです」など、しっかりと声に出してあいづちを打ってください。

謝罪の言葉を述べるときは「すみません」ではなく、「大変、申し訳ございません」「心よりお詫び申し上げます」と丁寧な言葉で、ゆっくりと誠意を込めて言いましょう。

そして「ご迷惑をおかけしております。○○について△△ということでございますね」と復唱します。復唱することで要点を確認することができ、お客さまにも「自分の話したことを理解してもらえた」と感じてもらうことができます。

事実関係や状況などがわかり、解決案や代替案を提示する際は「それでは○○とさせていただきます」とこちらから一方的に提案するのではなく、「ご事情も大変よくわかりました。貴重なご意見をありがとうございます。それでは○○とさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」とお客さまの立場に立って進めるようにしてください。

お客さまからの言葉に感謝して精一杯の誠意を示すなど、信頼回復に努めましょう。

この記事を書いたプロ

小原悦子

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小原悦子(ESA(イーエスエー)人材プロデュース)

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