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高齢の利用者様の中には、言語や聴覚に障害を持ち、意思疎通がうまくできない方もいらっしゃいます。
お元気な方でも言葉がスムーズに出なくなり、話すペースが遅くなったりします。利用者様の言葉にできない気持ちを正確にくみとるために、介護従事者は利用者様のペースで話を進め、根気強く話を聴くという姿勢を心掛けてください。
利用者様の心身の状態、性格や境遇などをしっかりと把握し、ひとりひとりに合った介護で利用者様の自立を支えましょう。
高齢者介護における言葉にできない気持ちを尊重する方法
老化により物忘れが多くなったり視力や聴力が衰えたり、心身の機能は低下していきます。お元気な方でも、スムーズに言葉が出なくなり話すペースが遅くなることもあります。
「ああしてほしい、こうしてほしい」という気持ちをわかってもらえないと、利用者様の大きなストレスになり、「自分のことを誰も理解してくれない」といった孤独感を抱いてしまう可能性もあります。
介護従事者は利用者様の言葉に耳を傾けるほか、表情や話し方、体の動きなどを見て、利用者様が何を望んでいるのか、何を伝えようとしているのかを理解していくことが大切です。
介護従事者は、焦らず、根気強く時間をかけて話を聞くように心掛けましょう。利用者様に話しかけるときは、「簡潔に、わかりやすい言葉で」伝えるようにしましょう。
共感の気持ちを表現するため、また、表情から気持ちを読み取るためにも、利用者様の目線に合わせてコミュニケーションをとるようにしてください。
介護従事者が高齢の利用者に向けて実践すべき接遇マナーとは?
言語障害や聴覚障害を持つ高齢の利用者様も少なくありません、そのため伝えたつもりでは意味がなく、確実に伝わるコミュニケーションが求められます。わかりやすい言葉を選び、ジェスチャーを交えるなど「伝わりやすさ」を重視してください。そして、利用者様にきちんと伝わっているかどうかを、表情などから読み取っていくことが大切です。
コミュニケーションの際、あれもこれもと、一度にたくさんの話題を出すのは控えてください。あくまでも利用者様のペースで話しをするようにしましょう。言いたい言葉が見つからなくて困っている時には、介護従事者から助け舟を出すなど、利用者様の言葉を遮らないように配慮しながら会話を進めるようにしましょう。
デンマークで生まれた「高齢者ケアの3原則」とは
「高齢者」とひとくくりにされがちですが、まだまだ元気な方から介護が必要な方までさまざまです。心身の状態だけではなく、性格や境遇も異なってくるため、利用者様の個性に合わせた接遇が求められます。
心身の機能が低下しているからと、特別扱いされることを嫌がる方も少なくありません。介護や介助を行う際は、利用者様の自尊心を傷つけないように十分に配慮しましょう。
ここで、デンマークで生まれた「高齢者ケアの3原則」をご紹介します。
◆生活の継続性
これまでの生活をできるだけ続けていけるようにサポートする。
◆自己決定の尊重
高齢者の方が自分のことは自分で決め、まわりはその意思を尊重する。
◆残存能力の活性化
身体機能を生かした生活が送れるようにサポートする。
「ご本人の意思を尊重し、残された能力を十分に生かしながら生活の質を保つ」ということを心に留め、高齢の方々の自立を促すケアを実践し、利用者様とご家族の暮らしをサポートしていきましょう。