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小原悦子

エアライン流で魅力を磨き好感度アップにつなげるマナーのプロ

小原悦子(おはらえつこ) / マナー講師

ESA(イーエスエー)人材プロデュース

コラム

医療機関で必要な接遇マナーとは?

2015年12月7日 公開 / 2016年5月30日更新

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: おもてなし サービスおもてなし 講座


医療における接遇とは、接客業における「いかに好印象を与えるのか」というものとは異なります。医療従事者は、不安を抱いた患者様やご家族に、日々の対応を通して、安心感を与えることが必要とされます。
患者様からすると「強者」として映りがちな医療従事者。自分たちの立場を再認識し、無意識に高圧的な印象を与えてしまわないためにも、注意深い対応が求められています。

あらゆる業界で必要とされる「おもてなし」をする接遇スキル

接遇とは、「遇す(もてなす)」という意味であり、人をおもてなしすることが本義といえます。

一般的な接客業務においては、お客様への接客スキルを指しますが、医療機関においての接遇は根本的に異なってきます。接客業では「一瞬の出会いで、いかに好印象を与えられるのか」という接遇に対し、医療機関においては「長期間にわたるコミュニケーションの過程」として捉えています。

しかし、診療報酬のマイナス改定や少子高齢化、競合医院の増加など、医療機関を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。そのため、良質な医療を提供するためには、他院にはないものを生み出し、患者様に選ばれる医院づくりが必要とされます。そこで注目されるのが、医療従事者が身に付けるべき接遇のスキルなのです。

不安や葛藤を抱えて来院される患者様に向けた正しい接遇とは?

日々、医療従事者が対応するのは、患者様やそのご家族です。患者様やご家族は、症状の重い、軽いはありますが、診察や治療に対して、少なからず不安や恐怖心を抱いています。そこで医療に求められているのは、安全という要素以前に「いかにして安心感を与えられるか」ということです。

医療従事者は言葉で伝えるのではなく、相手の目を見て挨拶をし、一人ひとりの心に寄り添った温かい対応が求められます。

患者様は体調がすぐれず不安を抱いている精神状態です。そこで暗い挨拶をされてしまえば、不安を募らせてしまいます。患者様が安心できる声のトーンで、ニッコリと笑顔を添えて挨拶をするだけで「ここで治療を受けたい」という安心感を生むことができます。

そして、たくさんの患者様やご家族が利用されるため、誰に対しても平等に対応をすることも重要になります。公正公平な医療機関であるという信頼感の獲得にもつなげることができます。

患者満足度を高めるには「自分たちは強者だ」という自覚を持つ

患者様を温かい眼差しでお迎えし、やわらかな口調で対応することは「安心」と「信頼」を獲得する上で欠かせない要素です。しかし医療従事者が接遇に目を向ける際、心に留めておかなければならないのは、「医療者は強者だ」という認識です。患者様は、自分たちにはできないことを、専門的な知識を持つ医療従事者にお任せしている「医療弱者」といえます。

そのため、医療従事者は普通に話しているつもりでも患者様には「高飛車な言い方をされた」「高圧的な態度を取られた」などと、捉えられてしまいます。そこで、医療従事者は大前提として「強者だと思われている」という意識を持ち、常に患者様の心情に配慮して接することが必要となってきます。

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