入れ歯の耐用年数
「状態が悪いのはわかるんですが、歯をなるべく抜きたくないんです!」という訴えをよく耳にします。
私の方もプロフェッショナルとして、あまりにも無理な希望(将来的にご本人がお困りになるような)は聞き入れるわけにはいきませんが、できるだけご希望に添えるように努力します。
その一つの例が、「歯を抜かないでつくる義歯治療」。
残っている歯の本数が少なく、咬み合わせのバランスをとるのが難しく、歯を支える骨の量が少なくなっているような場合、『抜歯』という選択肢も勿論あるのですが、そこであえて『抜歯』せず、歯の長さを半分くらいにして、入れ歯を下から支えるような形にする方法があります。
そうすることで、状態の悪い歯でも、かかる負担が半分になり、結構、長持ちすることが多いのです。その上、歯の周囲にある歯根膜が保存されるので、咬むことによる脳への刺激は以前のままで、痴呆の予防にも効果があるのではないかと思われます。歯槽骨という歯の周囲の骨も同時に保存されますので、義歯の安定感も抜群です。
「歯を抜かなきゃいけないかなぁ~?」と不安になったり落ち込んだりしている方は、そういう方法もありますので、諦めないで相談してみてください。