酷暑で体がだるくなるのはなぜ?夏の暑さを乗り越えるためには

「腰痛がなかなか良くならないのですが、プロテインは飲んだ方がいいですか?」
患者さんから、このような質問をいただくことがあります。
投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「腰痛が治りにくいのはタンパク質不足?慢性痛と栄養の関係」という内容になります。
最近では、健康維持や筋力低下の予防を目的にプロテインを飲む方も増え、「腰痛があるなら筋肉をつけた方がいいのでは?」「タンパク質が足りないから身体が治りにくいのでは?」と考える方もいらっしゃいます。
確かに、タンパク質は筋肉だけでなく、皮膚や臓器、酵素など、身体を構成し維持していくために欠かせない栄養素です。私たちの身体では毎日さまざまな組織がつくられたり分解されたりしており、その材料として食事から摂ったタンパク質が利用されています。
一方で、「タンパク質を摂れば腰痛が治る」というほど単純ではありません。
腰痛をはじめとした慢性痛には、身体の使い方、関節の動き、活動量、睡眠、心理社会的要因など、さまざまな要素が関係します。食事やタンパク質もその中の一つとして考える必要があり、タンパク質不足だけを慢性痛の原因と考えるのは適切ではありません。
ただ、年齢を重ねるほど食事量や活動量が減りやすいうえ、筋肉がタンパク質から受ける刺激への反応も若い頃とは変化していきます。
そのため、腰痛などの慢性痛が長く続き、「最近あまり歩かなくなった」「食事も簡単に済ませることが増えた」という方ほど、施術だけではなく日頃の栄養状態にも一度目を向けてみることは大切です。
今回は、慢性痛とタンパク質にはどのような関係が考えられるのか、なぜ年齢とともに不足しやすくなるのか、1日にどのくらい必要なのか、そしてプロテインは必要なのかまで順番にお話しします。
1.腰痛などの慢性痛とタンパク質にはどのような関係がある?

最初に押さえておきたいのは、「タンパク質不足だから腰痛になる」とは言えないということです。
慢性的な筋骨格系疼痛と食事との関係を調べた研究では、食事内容やタンパク質摂取量と痛みとの間に関連が報告されています。また、慢性腰痛と食事パターンを調べた研究でも、高タンパク質型の食事パターンと慢性腰痛の有無との関連が報告されています。
ただし、このような研究の多くは「タンパク質を増やしたら腰痛が改善した」と証明したものではありません。
では、なぜ慢性痛を考えるうえでタンパク質が注目されるのでしょうか。
痛みそのものより「身体を維持する土台」として考える
タンパク質は筋肉を構成する大切な材料です。
腰痛が続いて歩く量が減ったり、運動を避けたりすると、筋肉に入る刺激も少なくなります。そこへ食事量の減少が重なり、タンパク質まで十分に摂れていなければ、筋量や筋力、身体機能を維持する条件としては不利になってしまいます。
すると、以前なら何ともなかった買い物や家事、階段、長時間の立ち仕事などでも身体に余裕がなくなり、疲れを感じやすくなることがあります。
つまり、タンパク質が痛みを直接取り除くのではなく、慢性痛がある人が身体を維持し、動ける状態を保つために必要な栄養素の一つとして考えるのが適切です。
施術を受けて一時的に身体が動きやすくなったとしても、その身体を日常生活の中で維持していくためには、身体を動かすことだけでなく、その材料となる栄養も必要になります。
2.タンパク質は身体の補修や維持にどう使われている?

「タンパク質=筋肉」というイメージを持っている方は多いかもしれません。
しかし、タンパク質の役割は筋肉だけではありません。
私たちの身体を構成する筋肉、皮膚、内臓などにはタンパク質が含まれており、身体の機能を支える酵素などにもタンパク質が関係しています。
そして身体の中では、古くなったタンパク質を分解し、新しいタンパク質をつくるという入れ替えが絶えず行われています。
食べたタンパク質がそのまま筋肉になるわけではない
肉や魚、卵、大豆製品などから摂ったタンパク質は、そのまま身体の一部になるわけではありません。
食べたタンパク質は胃や小腸で消化され、より小さな形へ分解されていきます。そして最終的にはアミノ酸などとして小腸から吸収され、血液を介して身体の各組織へ運ばれます。
そのアミノ酸を材料として、身体では必要なタンパク質が再びつくられます。
つまり、
食事のタンパク質
→ 消化
→ アミノ酸などへ分解
→ 小腸から吸収
→ 身体の必要な場所へ運ばれる
→ 筋肉やその他の組織をつくる材料として利用される
という流れです。
このため、「たくさん食べればその分だけ筋肉になる」というものでもありません。身体を動かす刺激や年齢、全体の食事内容など、さまざまな条件によって利用のされ方は変わります。
3.年齢を重ねるとタンパク質を摂っても筋肉がつくられにくくなる?

ここは40代、50代以降の方に知っていただきたいところです。年齢を重ねても、食べたタンパク質をまったく吸収できなくなるわけではありません。
一方で、研究では加齢によって、食事からタンパク質やアミノ酸を摂取したときの筋タンパク質合成の反応が若い頃より鈍くなることがあると報告されています。
これを「同化抵抗性(anabolic resistance)」と呼びます。
アミノ酸を摂れば必ず同じように筋肉が反応するわけではない
若い人では比較的少ない量の必須アミノ酸でも筋タンパク質合成が刺激されますが、高齢者では少量に対する反応が弱くなることがあります。
ただし、これは「年を取ったらタンパク質を利用できない」という意味ではありません。研究では、十分な量のアミノ酸を摂取すれば高齢者でも筋タンパク質合成を刺激できることが示されています。
つまり重要なのは、加齢するとタンパク質が必要なくなるのではなく、むしろ筋肉を維持するために摂取量や身体活動を意識する必要性が高くなるということです。
そしてもう一つ大切なのが運動です。
身体を動かすことは筋肉に刺激を与え、食事から摂ったアミノ酸を筋タンパク質合成へ利用する反応とも関係します。
反対に、腰痛があるからと長期間動かない状態が続けば、
慢性痛がある
→ 動かなくなる
→ 筋肉への刺激が減る
→ 身体機能が低下しやすくなる
→ さらに動くことがつらくなる
という循環につながる可能性があります。
ここにタンパク質摂取不足まで重なれば、身体を維持するという点ではさらに不利な条件が重なることになります。
4.タンパク質は1日にどのくらい必要?意外と不足しやすい理由

では、実際にどのくらい摂ればよいのでしょうか。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、タンパク質の1日当たりの推奨量は、30〜49歳では男性65g・女性50g、50〜64歳でも男性65g・女性50gとされています。
65〜74歳では男性60g・女性50g、75歳以上でも男性60g・女性50gです。
ここで注目していただきたいのが、女性の場合です。
30代でも、50代でも、65歳以上でも推奨量は50gです。
「年を取ったから食べる量が少なくていい」と考えやすいのですが、活動量や食事量が減ったからといって、身体を維持するために必要なタンパク質まで同じ割合で減るわけではありません。
「3食食べている」だけでは判断できない
たとえば、朝は食パンとコーヒー。昼はうどんやそうめん。夜になってようやく魚や肉のおかずを食べる。このような食事でも「私は毎日3食きちんと食べています」と感じるでしょう。
確かに3食は食べています。しかし、食事回数とタンパク質摂取量は同じではありません。
パン、ご飯、麺類にもタンパク質は含まれていますが、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などのタンパク質源が少ない食生活では、必要量を確保しにくくなる可能性があります。
特に夏場は食欲が落ち、「朝はパンだけ」「昼はそうめんだけ」「夜もあまり食べたくない」という日が続く方もいます。
この状態では本人に「食べていない」という自覚がなくても、身体を維持するための材料が不足している可能性があります。
5.年を取って慢性痛がある人ほどタンパク質不足に注意したい理由

腰痛や膝痛などが長引いている人では、栄養だけを単独で見るのではなく、日常生活まで含めて考える必要があります。
たとえば腰が痛くて外出する回数が減ったとします。
すると歩く量が減り、以前ほどエネルギーを消費しなくなります。身体を動かさなければ空腹を感じにくくなり、食事量そのものが少なくなることもあります。
さらに、買い物へ行くのがつらい、長時間台所に立つと腰が痛い、料理をするのが面倒になったという状況まで重なると、簡単に食べられるものを選ぶ機会が増えてきます。
その結果、
腰痛などで活動量が低下する
→ 消費エネルギーが減る
→ 食事量が減る
→ 肉や魚などを食べる量も減る
→ タンパク質摂取量が少なくなる可能性がある
という流れが生まれます。
さらに年齢を重ねれば、前述した同化抵抗性の問題も加わります。
「食べる量は減っているのに、筋肉を維持するためのタンパク質は必要で、しかも筋肉側の反応は若い頃より鈍くなりやすい」
ここが、中高年以降でタンパク質を意識したい大きな理由です。
ただし、慢性痛がある人ほど必ずタンパク質不足になるという意味ではありません。腰痛が続いている方の中には十分な量を摂れている方もいます。
大切なのは、痛い場所だけを見るのではなく、その人が普段どのくらい動いているのか、どのような食事をしているのか、身体を維持する条件が整っているのかまで広く確認することではないでしょうか。
6.腰痛があるならプロテインは飲んだ方がいい?

ここで冒頭の「腰痛があるのですが、プロテインは飲んだ方がいいですか?」という質問に戻ります。
結論から言えば、腰痛があるという理由だけで、全員がプロテインを飲む必要はありません。
プロテインは薬ではなく、主にタンパク質を補給するための食品です。そのため、普段の食事から必要なタンパク質を摂れているのであれば、「腰痛を治すためにプロテインを追加する」という考え方にはなりません。
まず確認したいのは普段の食事
最初に確認したいのは、朝・昼・夕の食事です。
肉、魚、卵、大豆製品、牛乳や乳製品などがどの程度入っているでしょうか。
夕食ではしっかり肉や魚を食べていても、朝はパンだけ、昼は麺だけという場合、1日の中でタンパク質摂取が夕食に偏っていることがあります。
このような場合には、いきなりプロテインを追加するのではなく、まず普段の食事を見直してみることも大切です。
一方、食が細くなって一度にたくさん食べられない、食事だけでは必要量を確保するのが難しいといった場合には、補助的な食品が選択肢になることもあります。
ただし、持病がある方、特に腎機能について医師から指摘を受けている方などは、自己判断でタンパク質摂取量を大幅に増やさず、医師や管理栄養士などへ相談してください。
そして何より、プロテインを飲んでいるから運動をしなくても大丈夫、施術を受けなくても身体が整う、ということではありません。
身体を維持するためには、「材料となる栄養」と「身体を使う刺激」の両方が必要です。プロテインだけに答えを求めるのではなく、食事、運動、睡眠、日常生活まで含めて見直すことが大切です。
7.慢性痛が続く方は施術だけでなく「身体を維持する環境」まで見直しましょう

腰痛などの慢性痛が続くと、どうしても「腰のどこが悪いのだろう」「どこをほぐせば楽になるのだろう」と、痛みがある部分へ意識が向きやすくなります。
もちろん、身体の状態を確認し、必要な施術を行うことは大切です。
しかし、慢性的な問題ほど、施術を受けている時間以外に身体がどのような状態で過ごしているのかも無視できません。
一日中ほとんど身体を動かしていない。
食事は簡単なもので済ませている。
睡眠時間が不足している。
痛いからさらに動かなくなっている。
こうした状態が続いたままでは、施術によって身体が動きやすくなったとしても、それを維持していく身体の土台が十分とはいえない場合があります。
特に年齢を重ねた方では、活動量や食事量が少なくなりやすいうえ、タンパク質摂取に対する筋タンパク質合成反応も若い頃とは変わってきます。
だからこそ、「痛いところを施術してもらう」だけではなく、「身体を動かす」「身体をつくるための栄養を摂る」「しっかり休んで回復する」というところまで含めて考えることが大切です。
タンパク質についても同じです。たくさん摂れば腰痛が治るわけではありませんし、プロテインを飲めば慢性痛が改善するというものでもありません。
しかし、身体を維持するために必要な栄養が不足した状態をそのままにして、痛みのある部分だけに施術を繰り返すという考え方も十分ではないと当院では考えています。
大分駅前整体院では、痛みのある腰だけを見るのではなく、股関節や足首など身体全体の動き、普段の活動量や生活習慣なども確認しながら施術を進めています。
そして必要に応じて、身体を維持していくために日常生活で何を見直した方がよいのかという部分にも意識を向けています。
「整体に通っているけれど腰痛を繰り返している」
「最近、以前より歩かなくなった」
「食事量も減ってきた気がする」
「身体を良くするために何から見直せばいいのか分からない」
そのような方は、痛みが今よりさらに強くなり、できないことが増えてしまう前に、一度身体の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
慢性痛は、痛む場所だけではなく、その身体を支えている生活全体から考えていくことが大切です。
腰痛をはじめ、長く続く身体の痛みでお悩みの方は、大分駅前整体院へご相談ください。


