膝痛|しゃがめるけど立ち上がれない原因

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「変形性股関節症で膝が痛くなる原因|股関節と同じ側・反対側に痛みが出るのはなぜ?」という内容になります。
変形性股関節症と診断されている方のなかには、足の付け根だけでなく、太ももや膝に痛みを感じる方も少なくありません。
「股関節が悪いはずなのに、なぜ膝まで痛くなるのだろう」
「股関節と同じ側の膝が痛いのは、変形性股関節症の影響なのか」
「痛い股関節とは反対側の膝まで痛くなってきた」
このような疑問や不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
変形性股関節症がある方の膝痛は、必ずしも膝だけの問題とは限りません。股関節から膝に痛みを感じる**関連痛**の場合もあれば、股関節をかばう歩き方によって膝へ負担が集中している場合もあります。
また、股関節とは別に、膝そのものに炎症や関節の問題が起きている可能性も考えなければなりません。大切なのは、「変形性股関節症があるから膝も痛い」と単純に決めつけないことです。
股関節、骨盤、膝、足首は、それぞれが独立して動いているわけではありません。立つ、歩く、階段を上る、椅子から立ち上がるといった動作では、腰から足までが連動しながら身体を支えています。
今回は、変形性股関節症で膝が痛くなる仕組みを、股関節と同じ側に痛みが出る場合、反対側に出る場合に分けて詳しく説明します。
目次
1.変形性股関節症で膝が痛くなることはある

結論からお伝えすると、変形性股関節症によって膝周辺に痛みを感じることはあります。ただし、股関節の変形が直接膝を壊しているという単純な意味ではありません。
変形性股関節症では、股関節の軟骨や骨の状態が変化するだけでなく、関節の動く範囲が狭くなったり、周囲の筋肉が緊張したりすることがあります。
股関節を曲げにくい、伸ばしにくい、脚を内側や外側へ回しにくいといった制限が起こると、身体は無意識に別の場所を使って動作を補おうとします。
たとえば、股関節を十分に曲げられないまま椅子から立ち上がろうとすると、上半身を大きく前へ倒したり、膝に力を集めたりすることがあります。歩くときには、痛い股関節へ体重をかける時間を短くし、反対側へ急いで重心を移す歩き方になることもあるでしょう。
このような動きが続くと、膝には本来より大きな力やねじれが加わりやすくなります。
痛みが出るプロセスは一つではありません
変形性股関節症がある方に膝痛が出るプロセスは、大きく分けると三つ考えられます。
一つ目は、股関節の痛みを膝周辺に感じる関連痛です。
二つ目は、股関節の動きにくさを膝が補うことで起こる、動作時の負担です。
三つ目は、変形性股関節症とは別に、膝そのものにも炎症や関節の問題が起きている状態です。
実際には、これらが一つだけではなく、複数重なっていることもあります。そのため、膝痛を改善するには、痛みを感じている膝だけでなく、股関節の状態や歩き方、骨盤の動きまで確認することが重要です。
2.股関節から膝へ出る「関連痛」

変形性股関節症では、必ずしも足の付け根だけに痛みが出るとは限りません。
お尻、太ももの前側、太ももの外側、膝の前側や内側など、股関節から離れた場所に痛みを感じることがあります。
このように、実際に問題が起きている場所とは異なる場所に痛みを感じる現象を、関連痛と呼びます。
股関節の痛みを膝で感じる仕組み
股関節と太もも、膝周辺には、腰から枝分かれした神経が関係しています。
股関節周辺の関節包や筋肉などから伝わる刺激と、太ももや膝周辺から伝わる感覚は、途中で近い神経経路を通って脳へ伝えられます。
そのため、脳が痛みの発生源を正確に区別できず、本来は股関節周辺から生じている刺激を、太ももや膝の痛みとして認識することがあります。
図解で表すと、股関節から太ももの前側を通り、膝の内側や前側へ痛みが広がるようなイメージです。
この場合、膝を動かしたから痛いとは限りません。膝を押しても明確な痛みがなく、膝の画像検査でも大きな異常が見つからない一方で、股関節を曲げたり回したりすると膝周辺の痛みが再現されることがあります。
膝だけに症状を感じることもあります
変形性股関節症というと、最初から足の付け根に強い痛みが出ると思われがちです。
しかし、初期や進行途中では、足の付け根よりも太ももや膝の痛みを強く感じる方もいます。
「膝が悪いと思って膝だけを治療していたが、なかなか変化しない」
「膝を検査しても大きな異常はないと言われた」
「膝だけでなく、最近は靴下を履く動作や車の乗り降りもしにくい」
このような場合は、股関節からの関連痛も一つの可能性として考えられます。
ただし、痛みの出方だけで股関節由来かどうかを決めることはできません。膝の状態と股関節の状態を両方確認することが必要です。
3.股関節と同じ側の膝が痛くなる理由

変形性股関節症がある側と同じ側の膝が痛む場合は、関連痛だけでなく、股関節の動きにくさによって膝にねじれや負担が加わっている可能性があります。
股関節の回旋制限を膝が補う
股関節には、脚を前後に動かすだけでなく、内側や外側へ回す動きがあります。
歩く、方向転換する、椅子から立ち上がる、車から降りるといった動作では、股関節の回旋運動が欠かせません。
ところが、変形性股関節症によって股関節を内側へ回しにくくなったり、伸ばしにくくなったりすると、その不足分を骨盤や膝、足首が補うようになります。
股関節が滑らかに回らない状態で足先だけが正面を向こうとすると、膝関節にねじれが加わります。反対に、膝へのねじれを避けるためにつま先を外側へ向けて歩くと、今度は膝の内側や外側に偏った負担がかかることがあります。
日常生活で起こりやすい場面
同じ側の膝痛は、歩き始めや方向転換、階段の上り下りなどで感じやすくなります。
長く座った後に立ち上がるとき、股関節が十分に伸びないまま身体を起こそうとすると、膝へ体重が集中します。
買い物や散歩で歩く時間が長くなったときには、股関節の動きを膝が繰り返し補うため、最初は股関節だけだった痛みが、次第に膝へ広がることもあります。
また、車から降りるときに片脚を外へ出し、身体をひねりながら立ち上がる動作では、股関節の回旋制限があると膝にねじれが加わりやすくなります。
階段では、股関節で身体を持ち上げられない分、膝を強く伸ばして上ろうとするため、膝の前側や内側に痛みを感じるケースもあります。
原因だけでなく、負担を受けた膝も見る必要があります
股関節の動きにくさが膝痛のきっかけになっている場合でも、股関節だけを整えれば必ず膝痛がなくなるわけではありません。
股関節から繰り返し負担を受けてきた膝では、膝周辺の筋肉が緊張したり、関節の動きが悪くなったりしていることがあります。
そのため当院では、負担の始まりとなった股関節と、実際に負担を受けて痛みが出ている膝の両方を確認することが大切だと考えています。
4.反対側の膝が痛くなる理由

変形性股関節症がある側とは反対の膝が痛くなる場合は、痛い股関節をかばうことによる荷重の偏りが関係している可能性があります。
痛い側へ体重をかける時間が短くなる
歩行では、本来、左右の脚へ交互に体重を移しながら前へ進みます。
しかし、片側の股関節に痛みがあると、身体は痛い側へ体重をかける時間を無意識に短くします。
痛い側の脚を早く地面から離し、反対側の脚で長く身体を支えるようになるため、反対側の膝には通常より大きな負担が加わります。
一歩ごとの負担は小さくても、毎日の歩行や立ち仕事、買い物、家事などで繰り返されれば、反対側の膝に痛みが出ることがあります。
立っているだけでも負担は偏ります
かばう動作は、歩いているときだけに起こるものではありません。
台所で立っているとき、信号待ちをしているとき、人と話しているときなどに、痛くない側の脚へ体重をかけ続ける方もいます。
本人はまっすぐ立っているつもりでも、骨盤が横へずれ、反対側の股関節や膝で身体を支えていることがあります。
この状態が続くと、反対側の膝だけでなく、腰やお尻、足首にも負担が広がるかもしれません。
反対側が痛いからといって、反対側だけの問題とは限りません
右の股関節が痛く、左の膝に症状が出ている場合、左膝だけを見ていても、負担の偏りが変わらなければ症状を繰り返す可能性があります。
一方で、反対側の膝にすでに変形性膝関節症や炎症があるケースも考えられます。
したがって、反対側の膝痛では、痛い膝の状態を確認すると同時に、なぜその膝へ体重が偏るようになったのかを見ていくことが重要です。
5.膝そのものにも問題があるケース

変形性股関節症がある方の膝痛が、すべて股関節から起きているとは限りません。
変形性膝関節症、半月板の問題、膝周辺の腱や筋肉への負担、関節内の炎症など、膝そのものに原因があるケースもあります。
膝の腫れや熱感がある
膝関節に炎症が起きている場合、膝が腫れたり、熱を持ったりすることがあります。
左右の膝を比べたときに一方が明らかに腫れている、曲げ伸ばしで圧迫感がある、膝に水がたまったような感じがする場合は、関連痛だけで説明できない可能性があります。
引っかかりや動かしにくさがある
膝を曲げ伸ばしするときに、途中で引っかかる、ロックするように動かなくなる、特定の角度で鋭く痛むといった症状も、膝そのものを確認したい特徴です。
歩き始めだけでなく、膝を曲げる動作そのもので繰り返し痛む場合は、股関節の影響とともに膝関節の状態も確認する必要があります。
痛む場所がはっきりしている
関連痛では、太ももから膝にかけて広く重だるい、場所を指一本で示しにくいといった痛み方をすることがあります。
一方、膝の内側の一点を押すと強く痛む、膝のお皿の下だけが痛む、膝の裏に張りや腫れを感じるなど、局所的な症状が明確な場合は、膝周辺の組織が直接負担を受けている可能性があります。
ただし、痛み方だけで正確に区別することはできません。
腫れや熱感が強い、急に体重をかけられなくなった、夜間も強く痛む、転倒やひねった後から症状が出た場合は、まず医療機関で状態を確認してください。
6.股関節だけを見ても膝痛を繰り返す理由

変形性股関節症と膝痛が同時にあると、股関節と膝だけに注目しやすくなります。
しかし、立つ、歩く、階段を上るといった動作では、腰、骨盤、股関節、膝、足首が連動して身体を支えています。
骨盤の動きが少ないと股関節へ負担が集まる
歩行では、骨盤が左右へわずかに動きながら、股関節へ体重を移します。
腰や骨盤の動きが少なくなると、その不足を股関節だけで補わなければならなくなります。変形性股関節症がある股関節へさらに負担が集中すれば、痛みをかばう動きも強くなり、膝への影響が広がります。
足首が硬いと膝と股関節が補う
歩くときには、足首が前後に動くことで身体を滑らかに前へ運びます。
足首が硬く、足裏へ均等に体重を乗せられない場合、膝が内側へ入ったり、つま先が外側へ向いたりすることがあります。
そのねじれは膝だけで止まらず、股関節や骨盤まで伝わります。
股関節が悪いから足首に負担が出ることもあれば、足首の動きにくさが股関節と膝の負担を増やしていることもあります。
原因の部分だけ整えればよいとは限りません
仮に、腰や骨盤の動きにくさがきっかけとなり、股関節へ負担が集まっていたとします。
その場合でも、腰や骨盤だけを整えればよいわけではありません。
長期間負担を受けてきた股関節や膝には、それぞれ動きにくさや筋肉の緊張が残っている可能性があります。
反対に、痛みが出ている膝だけを施術しても、腰や骨盤、股関節、足首から膝へ負担が加わる動きが続いていれば、症状を繰り返しやすくなります。
そのため当院では、負担を生み出している部分と、実際に負担を受けている股関節・膝の両方から身体を整えることを重視しています。
7.変形性股関節症と膝痛を繰り返す方へ

変形性股関節症で膝が痛くなる背景には、股関節から膝へ痛みを感じる関連痛、股関節の回旋制限による膝のねじれ、痛い側をかばうことによる反対側への荷重偏位など、いくつかの仕組みがあります。
さらに、膝そのものにも炎症や関節の問題が起きている場合があるため、「股関節が原因」「膝が原因」と一つに決めつけないことが大切です。
当院で変形性股関節症と膝痛のある方を確認すると、股関節だけでなく、腰から足首までの連動が低下しているケースが多く見られます。
腰や骨盤が十分に動かないために股関節へ負担が集まり、股関節をかばうことで膝や反対側の脚へ負担が広がっていることもあります。
そのような場合には、痛みを感じている股関節や膝だけではなく、腰や骨盤、足首などの動きを調整することで、立ち上がりや歩行時の負担が変化することがあります。
ただし、腰や骨盤がきっかけだったとしても、そこだけを整えれば十分とは限りません。
長く負担を受けてきた股関節と膝には、それぞれ動きにくさや筋肉の緊張が生じています。負担を加えている部分と、負担を受けて痛みが出ている部分を分けて考え、両方から身体を見直す必要があります。
変形性股関節症と診断されていても、痛みのすべてが関節の変形だけで決まるわけではありません。
歩き方、立ち方、骨盤や足首の動きなど、今から確認できる部分が残されている可能性もあります。
「股関節だけを施術しても膝痛が残っている」
「膝だけを施術しても、歩くとまた痛くなる」
「痛い股関節とは反対側の膝まで痛くなってきた」
このような方は、股関節と膝を別々に考えるのではなく、腰から足までのつながりを一度確認してみてください。
今よりも歩きにくくなる前に、身体へ負担が加わっている流れを見直すことが大切です。
股関節だけ、膝だけの施術を続けても変化を感じにくい方は、大分駅前整体院へご相談ください。


