時間外労働等に関する協定(36協定)
それってパワハラなの?
「パワハラ」と言われたとき、どんな言動を思い出しますか?きっと、それぞれ自身の体験から「あれがパワハラだったんじゃ無いか・・・」そんな風に思うかもしれません。
実は、その殆どが「パワハラ防止法」でいうパワハラには該当しないんです。要件はいくつかあるのですが、要は、「相手の言動により、実際の損害が出ている場合」になります。なので、いくら不愉快でも、頭にきても、それだけではパワハラには該当せず、仕事や生活に支障が出ているかどうかがポイントになります。
常に完璧というわけにはいかず、やはりときには声を荒らげてしまうこともあるでしょう。それも全てパワハラといってしまえば、感情を全て無くすしか無くなってしまいます。
良くあるパターン
① ミスをしたときに上司がネチネチと嫌みを言ってくる。気分が悪いが適当に相づちをうっている。
この状況ではどうでしょうか?もしかしたら上司の言動には問題がある場合も考えられますが、ご本人はいたって冷静に対応しています。体調を崩しているわけでもなく、特に問題は無いようです。また、場合によっては、この上司の言動は「正当な指導」の可能性もあります。聞いているご本人は「嫌み」と言っていますが、第三者が聞けば「当たり前の指導」の可能性もあるんです。
② 現場での作業中、うっかりとヘルメットを忘れて高所に行ってしまったら、上司から「バカやろ~!」と怒鳴られた。うっかりしただけなのに怒鳴るなんてパワハラ以外の何物でも無いと思う。
この状況ではどうでしょうか?確かに「バカやろ~!」は、言葉も暴力とも言える単語かもしれません。しかし、ヘルメットの着用は、その人自身を守るために必要な物であり、万が一には命にかかわる重大なことです。そういった緊急の場合等であれば多少単語が厳しくなったとしても、これは致し方ない側面もあります。ただし、この言葉の後にさらに、罵倒するような言葉が続き、それによって本人が職場に出勤が出来なくなるような状態になれば、パワハラと言えるかもしれません。
以上のような状況ですが、何が原因なのでしょう?
色々な原因はあると思いますが、一つには「パワハラそのものに関する理解」がされていないことも大きな原因だと思われます。
①も②もパワハラとはどんな物なのか、そこら辺を理解していれば、労働者側も「これってパワハラじゃ無いの?」なんて思わなかったかもしれません。
セクハラと同じように、イメージが先行して一人歩きしないように気をつける必要があります。
※例えば、女性が、嫌いな男性から呼び止めるために肩を軽に触れられた場合等に、「気持ち悪い!これってセクハラ!」なんて言ってしまうような場合