税務関係書類に係るスキャナ保存制度の見直し
消費税軽減税率②
軽減税率とは
標準税率より低く抑えられた税率のこと。低所得者の相対的な負担割合を緩和する効果がある一方で、対象品目の線引きが難しいなどの課題もあります。日本の消費税にあたる付加価値税をいち早く導入した欧州では、食料品などに軽減税率を設け、消費者の税負担を軽くしています。2015年6月現在、日本では軽減税率は導入されていませんが、消費税増税に伴い、食料品などの生活必需品への同税率の適用について議論が進められています。
軽減税率導入のメリット
1.暮らしの中で、税負担の軽減を実感できる
今回の軽減税率の対象品目は、食料や日用品などの生活必需品です。
毎日の暮らしの中で、必要度の高いものの税負担が軽くなれば、家計へのダメージが少ない感覚を得られるでしょう。
2.低所得者に増税の負担が影響しない
生活必需品への軽減税率なので、生活必需品が出費の大半を占める低所得者層は消費税の負担が小さい。
軽減税率導入のデメリット
1.生活必需品の線引きが難しい
食料品に限定しても毎日食べる食品から高級食材に至るまでその数は膨大です。
2.税率が異なると事務負担が増える
企業側には複数税率を扱うレジの導入や会計帳簿の複雑さに伴って起きる費用や時間の負担が大きくなります。大 企業で導入できるようなレジや会計ソフトといったものを購入できない中小企業はどうなってしまうのでしょうか?税率が 複数になることへの値付けや商品タグの付け替えといった作業は手間がかかるものになります。経理の帳簿に至っては、 出張の際のホテル1つを例にとっても、宿泊費、食事、売店での物品の購入がそれぞれ違った税率になれば、それぞれ 分ける必要が出てきます。
3.生活必需品以外の税率がより高くなる可能性がある
軽減しただけでは国の税収が減るだけなので、どこかで増税することになるかもしれません。
4.低所得者対策としては非効率
生活必需品は高所得者も低所得者も購入するものなので低所得者に的を絞った対策ができません。
5.各業界に天下り先を増やす可能性がある
軽減税率の選定にあたって、各諸団体は何としても自分たちの業界を軽減税率にしてもらおうと政府に陳情することに なります。このことはそれを選定する政治家や官僚への癒着や天下り先を増やす結果になるのではないでしょうか?