免疫力を上げるために知っておきたい「消化」「吸収」と「＋α」の重要性について ～食品編～
今回のコラムでは、以前：免疫力を上げるために必要な「鼻呼吸」のポイント にてお伝えした際の③ゆっくりとした呼吸で「吸気（吸う）時間」より「呼気（吐く）時間」が長いことについてお伝えいたします。
前回までのおさらいですが、呼吸の仕方としては『鼻呼吸』『腹式呼吸』が基本です。そのうえで、「ゆっくりとした」「吸気時間≼吐く時間」がポイントです。
まず、「ゆっくりとした」とは、「鼻息が荒くない」「周りの人が気付かないくらいの静かな」呼吸と思っていただければ結構です。できるだけ、鼻の中での空気の流れを感じないくらいゆっくりな鼻呼吸を心がけてください。
次のポイントは「吸気時間≼吐く時間」です。以前にご紹介した「4・4・4呼吸法」では4秒吸って、4秒止めて、4秒吐くのを3～5分繰り返すのですが、私自身は4秒吸って8秒吐くことを繰り返してトレーニングしています。普段の呼吸の状態によっては最初は8秒も吐けない方もいらっしゃいます。その時は6秒に縮めて4秒吸って6秒吐くようにしてみてはいかがでしょうか？調整のポイントは、しっかり『吐き切って』浅い呼吸にならないことです。「吸う秒数」×1.5～2＝「吐く秒数」が目安です。
ここから先は理論です。先ず、「ゆっくりとした」については昔、ゴムボートや家庭用プールを膨らませるのに使った黄色い「空気入れポンプ」を思い出してみてください。「空気入れ」の中と外の気圧が調和して十分に蛇腹部分が広がった状態から踏んで青色ホースから空気を排出するといった仕組だったと思います。早くボートを膨らませるためには早く踏めばいいのですが、早く踏もうとすると蛇腹が広がらずに1回の排出空気量は減少してしまいます。これが浅い呼吸であり、荒く早い呼吸のイメージです。蛇腹部分の膨らむのが遅いのを解消したければ、空気の流入量を増やせばいい（空気入れの場合は空気の「入口と出口」が違いますが、同じと想像してください）ということで、緑の太いチューブをつなぐ・・・これが抵抗の少ない、楽に息ができる口呼吸です。口呼吸では酸素の多い＝新鮮な空気を吸っても肺全体（空気入れ全体）へいきわたらせるのが難しいというわけです。
では、吐き切るのは？・・・これはちょっと難しいので、ポイントだけ抑えてください。肺での「酸素」と「二酸化炭素」の交換を行う小部屋を肺胞とお伝えしましたが、この小部屋でのガス交換は壁の表面で行われており、壁に触れる空気の「酸素」濃度が上がればガス交換の効率は上がります。これを利用したのが酸素カプセル（高濃度酸素が充満したカプセルの中で何時間か過ごす・・・というアレ）です。でも、皆さんの自宅にはないですよね？我が家にもないです。そこで、ガス交換が行われる壁の中に注目すると、実は壁の中には血管が走っており、全身から「二酸化炭素」を集めてきています。この集められてきた「二酸化炭素」と部屋の中の「酸素」とを壁を介して交換するのがガス交換で、壁に「二酸化炭素」を多く集めるとガス交換がしやすくなることが分かっています。そのため、『意図的に』二酸化炭素を多く集めるために「息止め」をしたり、「吐き切る」ことが必要なのです。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、理論はそこそこでも「ゆっくりとした」「吸気時間≼吐く時間」を意識した呼吸法を是非トライしてみてください。過剰な緊張（交感神経過緊張）を鎮め、うまく行えれば『意図的に』副交感神経優位な状態を作り出すことができます。コロナに限らず、ご自身の免疫力を最大限発揮させるためには
・全身に栄養をいきわたらせ
・全身に酸素をいきわたらせ
・全身に免疫細胞をいきわたらせることが必要です。
そして、この『全身にいきわたらせる』ためにはどうしても「副交感神経」に働いてもらうしかないのです。マスク習慣が長引いて口呼吸（＝交感神経優位）になってきている方もいらっしゃいます。ご自身がどのように呼吸しているか？少しの間、意識していただき健康への一歩につなげて頂くことを願っています。
