マイベストプロ長崎
西田英治

「噛み合わせ」から健康へ導く「健口」のプロ

西田英治(にしだえいじ) / 歯科医

にしだ歯科医院

コラム

免疫力を上げるために必ず知っておきたい「副交感神経」のこと

2021年7月29日 公開 / 2021年7月31日更新

テーマ:免疫力アップ

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: 免疫力アップ

前回のコラムでは、副交感神経に注目して過ごしていただくことが「免疫力を上げる」ために役立つことをお伝えいたしました。今回は、「なぜ副交感神経」なのか?というところまで詰めてみたいと思います。(理由やメカニズムがわかると、ご自身の実生活の中でも応用が利くと思います。難しいとは思いますが是非読み進めてください。分からなければ、Facebook等のリンクやメールにてお気軽にご質問ください)
 まず、副交感神経についてご説明いたします。副交感神経とは自律神経の一種です。大きなカテゴリーとして自律神経があり、自律神経には交感神経と副交感神経があるという構図です。また、交感神経と副交感神経はよくシーソーの関係にたとえられます。一方が優位(高い位置にあるとき)、もう一方は低い位置にあるといった具合です。
 そもそも、自律神経とはその名が示す通り、「自律」して働いており、ヒトが意識してコントロールしているわけではなくご自身の脳の判断で自動的にコントロールしている神経になります。たとえとして分かりやすいのは心拍数や呼吸数だと思います。1分間に何回心臓を動かして、血液を全身に巡らせよう!とか、1分間に何回呼吸してフレッシュな空気を吸って、酸素を脳に届けよう!なんて誰も考えないですよね?普段はみんな考えないで、無意識のうちに自動的に働いているのが自律神経というわけです。そして、自律神経のうち、「興奮しているとき」「極度の緊張やストレス時」に働く(優位になる)のが『交感神経』で、「リラックスしているとき」「睡眠中の一部」が『副交感神経』というわけです。
 交感神経が優位=興奮しているときにはドキドキして、心拍数が上がると思います。また、息も荒くなり、口でゼエゼエ、ハァハァなんてこともあると思います。逆に副交感神経が優位=リラックスしているときには心拍数も落ち着いて、顔が紅潮するなんてこともないと思います。また、呼吸もゆっくりとしており、鼻息が荒いなんてこともないと思います。
 「交感神経」と「副交感神経」には、もう一つ大きな特徴があります。それは、年齢とともに「副交感神経」の働きは低下しているということです。(一説では、男性では30歳、女性では40歳ごろから低下する一方と言われています)。繰り返しますが、「副交感神経」だけが低下するというところが重要なポイントです。そして、「自律神経失調症」や「更年期障害」をはじめとした自律神経のバランスにかかわる疾患はもとより、様々な生活習慣病、「がん」に至るまで様々な疾患についても、この副交感神経の低下が影響しているのでは?と考えています。(「がん」については機会を作って、別途ご説明いたします)
 話を元に戻すために、前回のコラムでお伝えした「毛細血管括約筋」を思い出してください。(細)動脈から毛細血管へ血液が流れる際に、その調整を行っているのが「毛細血管括約筋」で、この括約筋は副交感神経が優位になると緩んで、血液の流れがよくなるということでした。毛細血管にはもう1つ裏話があって、成人の血管の総距離は10万キロ(地球2周半)と言われています。さらに、そのうち、毛細血管は99%(私が調べた書籍等の中で最低の表現でも95%)を占めると言われています。その毛細血管への入り口で調整している「毛細血管括約筋」、この括約筋を緩めることでそれぞれの臓器や組織、末梢へ
・酸素を多く含んだ血液
・栄養をたくさん含んだ血液
・「監視、攻撃能力=免疫力」のある免疫細胞
を十分に届けてあげることが免疫力のアップにつながるのでは?というのが今回ご説明している核心です。
 ここまで、ずいぶんな長文となりましたがしっかりご理解いただいた方は「じゃあどうしたらいいの?」「そもそも自律神経だから自分の意志でコントロールできないのでは?」と思われるかもしれません。実際に副交感神経が優位な状態を作ろうとしたら、リラックスしているとき、リラックスタイムを長くとることがおススメで「食事をしているとき」や「寝ているときの一部」「笑ってるとき」などの時間を増やすことが挙げられるのですが、長時間食事するわけにもいかず、ずっと寝てられないし、お笑いのビデオをずっと見て過ごすわけにもいきません。そこで私からオススメする唯一の方法が「呼吸」です。
 「呼吸」と言っても副交感神経を優位にするような特殊な呼吸です。(当院では機能的鼻呼吸と呼んでます)。次回のコラムにて、機能的鼻呼吸の方法についてご紹介いたします。

この記事を書いたプロ

西田英治

「噛み合わせ」から健康へ導く「健口」のプロ

西田英治(にしだ歯科医院)

Share

関連するコラム

西田英治プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
095-834-4056

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

西田英治

にしだ歯科医院

担当西田英治(にしだえいじ)

地図・アクセス

西田英治のソーシャルメディア

facebook
Facebook

西田英治プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ長崎
  3. 長崎の医療・病院
  4. 長崎の歯科治療・口腔外科
  5. 西田英治
  6. コラム一覧
  7. 免疫力を上げるために必ず知っておきたい「副交感神経」のこと

© My Best Pro