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塩原真貴プロは信濃毎日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

サッシのガラス選定や断熱材の厚さ・種類をどう選択するのか

塩原真貴

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テーマ:建築について

家づくり中毒!?

家づくりを勉強すればするほど中毒化するのは止むを得ないことです。
これだけインターネットや専門書、雑誌、見学会なんかで情報が取れますし、
いろんな論者が、いろんな商品が、いろんな考え方が私たちの周りには膨大に存在しています。

「この○△工法以上に優れたものはありません!」
「断熱材は□□だと絶対に結露します!」

そんな独眼的な主張も、もっともらしく聞こえてきます。
1冊の本を読んだらその著者の主張を信じる。
なんとなくチラシの感じが良さそうだったモデルハウスの家に行ったら、その営業マンの言っていることがもっともらしく聞こえた。

情報を脳にインプットすればするほど整合性が取れてゆかなくなり、何を信じるべきなのかわけが分からなくなってゆきます。
そしてさらに工法の評判や建材の口コミ情報などをネットで検索。益々わからなくなってゆきます。

人は、相手を信じることが大切です。何千万を作り手にお金を預けて家をつくるのですから、最後はだれかを信じないと家は建ちません。
確信を得るために情報をもっともっと取ろうとします。

やがて中毒が病気になり、重篤になってしまうこともあります(*_*)
際限のない深~い家づくりブラックホールです。ここに入ってしまうとなかなか出てこられません(笑)

その一方、信じるに値するものが見つかることもあります(^_^)/
病気に向かっているのかも?、と途中で気付いて「もうこのへんで」、と深追いしないという自己防御機能が働く方もいます。


スポーツにはルールがあります。これを破ったら競技になりません。
またセオリーとか基本的な動き・技術が存在します。

そしてどんな一流選手でもスランプに陥ります。
そんな時はまずどうするんでしょうか?

コーチにアドバイスをもらったり、基本に立ち返った練習を積み上げます。

たとえ話が下手ですみません。
家づくりにおいてもルールと基本が大事であることに変わりはありません。
この場合ルールと基本は建築基準法のことではなく、

「断熱材は途切れることなくすっぽりと建物全面を囲う」
「透湿性は、室内側から外に向かってだんだん通しやすい素材を用いること」

といった基本的な設計・施工技術のこと。
このあたりさえ押さえておけば大きな失敗はしないはず。競技は成立します。

あなたはどんなスポーツが好きですか?
好きなチームはどんなチームカラーなのでしょう?
好きな選手のタイプは?

家づくりを業とするプロにも、いろんなレベルがあり、たくさんのプレーヤーが存在します。
私も「あ~この家いいな~♫」
「あの建築士が設計する家はいつもすごいな^^」
そんな気持ちも当然のようにあるんです。

プランニングを考えていて、行き詰ることがしばしばあります。
いやほとんどの場合行き詰るといってもいいかもしれません。

そんな時は基本に戻ります。
設計にも当然に基本技術があります。
近づいた視線をちょっと引いて観てみる、これも基本技術の一つです。

家づくり中毒になりかかっている人も、やはりいったんいろんな情報を俯瞰して観てみてください。
家づくりの基本性能=耐震性・断熱性・耐久性をどのように技術として、どう建物に落とし込んでいるのか、
そのことをまず確認する作業から始めてみてください。

建てる前にシミュレート? できるんです♪

長野市内で、35坪ほど(115㎡)の一戸建ての住宅について、新住協開発のQPEXでいろいろ試してみました。
マニアな人はお読みください。
Ua値=0.34(Q値=1.0) 全館暖房で灯油換算で400リットル/年という燃費性能の家です。
要は設計段階でここまで検討してもいいのではないかという話。
もちろん断熱や気密の施工がいい加減だとこんなものはふっ跳びますが・・・。

・設計で第三種換気だったものを第1種熱交換(顕熱)換気の機械に変えると△100リットル
・樹脂サッシ ペアガラスLOW-E アルゴンガス入りを、とある違うメーカーの樹脂サッシにすると+20リットル
・寝室と子供室にある引違い窓を、タテスベリ+FIXの組み合わせの同じ大きさの窓にすると、△3リットル
・北側のみトリプルガラス(2アルゴンガス 2Low-E 各16mm)とすると △6リットル
・    〃        (スペーシア(真空)+Low-E アルゴンガス13mmとすると  △7リットル
・東、西、北側をトリプルガラス(2アルゴンガス 2Low-E 各16mm)とすると △17リットル
・南面のみトリプルガラス(2アルゴンガス 2Low-E 各16mm)とすると、△19リットル

・壁充填 高性能グラスウール16K 120mmを、硬質ウレタンA-2-1にすると △25リットル
・      〃                     高性能グラスウール24K品とすると、△6リットル
・一部ですが平天井断熱(高性能グラスウール16K 200mm)を300mmとすると、△4リットル
・     〃                               100mmとすると、+11リットル
・付加断熱100mmを高性能グラスウールではなく、ネオマフォーム50mmとすると、+3リットル
・     〃                       押し出し法ポリスチレンフォーム3種B 50mmとすると、+24リットル
・付加断熱 高性能グラスウール16K 100mmをやめると、+137 リットル

30分ほどこのようなあっちへ行ったりこっちへ行ったりしていると、見えてくるものがあります。
理想はこの作業を住む人自身が行い、断熱材やサッシ、ガラスの仕様を決定する。

そんな時代がもう、すぐそこにきているのかもしれません。

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塩原真貴
専門家

塩原真貴

株式会社Reborn

的確なインスペクション(現況の調査・診断)により、既存住宅を地震に強く、夏涼しく冬暖かい高断熱省エネ住宅へと再生。「新築建て替えへの選択肢以外にも、こんなことができるなんて!」補助金申請お任せ下さい

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