洗濯物をどこに干すか、の問いに対して
断熱はウレタンで、ものすごいコストをかけています!
C値(隙間の程度を示すものさし)も0.5を切ります!
サッシも全箇所木製トリプル(3重ガラス)でお金かけてます!
だから暖房はエアコン1台でいいんです。
床下にエアコンを置いてみたりするものいいかもしれません・・・。
果たして本当にそんな空間が快適なんでしょうか?
技術者の勝手な思い込みではないでしょうか?
確かに数字だけをみてみると、確かにエアコン1台で熱量は足りるようです。
日本が世界に誇るヒートポンプ技術で、電気代も圧縮できます、は曲者です。
ところで、
冬の間、家の中では綱引き合戦が盛んです。
逃げていく熱と発生する熱の綱引き合戦。
「両者一歩も譲らず」
の状態が続けば家の中は一定の温度に保たれます。
これを温度感知センサーを使ってシーソーゲームに持ち込むわけです。
「にげる君」が勝つと、当然ですが室温はどんどん下がってゆきます。
断熱性能が悪いと、「にげる君」はかなり意地悪なヤツで厄介です(笑)
断熱性能を高める、ということは、
「にげる君」が暴力的でない、思いやりのある優しいひとにしてあげる、ということなんですね(笑)
~話を元に戻します~
断熱に100万、サッシ・玄関ドアに180万、暖房(エアコン)に20万
トータル300万
なんだかお得になったような気分で、そんな住宅に住んだら大変です。
なんだかちっとも暖かくない。数字的には心地いいように話を展開できるのですが、うすら寒い。
綱引き合戦は、毎日引き分け、で勝負がつかないはずですが・・・。
暖房はどんなものがいいのでしょうか?
というご質問には迷わず輻射式の「温水パネルヒーター」
とずっと前よりお応えしています。
そしてできればちっちゃなものでいいので薪ストーブを♪とも
暖房設備が”別途工事”で扱われているハウスメーカーや工務店が多いと聞きます。
暖房は提案するものではなく、建築主がチョイスするものだという考え方なんだそうです。
各社、建築士や営業担当が、これだ!って自信を持っておすすめしているというのはあまり聞きませんね。
断熱をいくら良くしても、サッシをいくら良くしても、
暖房設備が良くなければ、リッチな断熱材やサッシに囲われた空間であっても、決して居心地のいい場所にはなりません。
実際に住んでみればわかります。
ここ、大事なところなのでもう一度言っておきます。
「断熱とサッシと暖房はワンセット」なのです。
断熱に80万、サッシ玄関ドアに100万、暖房に120万
トータル300万
これが私が推奨する、延床面積30坪くらいの新築住宅を造る場合の目安です。
暖房はぬるい熱を輻射放出するものが、たくさん、家のあちこちにある方が居心地が良くなります。
灯油またはガスのボイラーが1台で、ここで温水をつくり、家のあちこちにパイプを使って放熱するラジエーターに送る。
温水パネルヒーターの最もよいところは、”輻射熱をあちこちに分散できる”、ということに尽きると思います。
エアコン20万の家とは比べようもないくらい上質な温熱環境の家ができます。
輻射熱が体に優しく、居心地のいい暖かさだということはもうみなさんご理解いただいているかと思います。
マキストーブや蓄熱暖房、それに床暖房も主として輻射熱による暖房方式です。
マキストーブには、炎を見て癒される、というおよそ暖房器具にとってあるまじき性格を持っています。ただし局部的な輻射熱なので温度コントロールは不得手。しかしエネルギー源が樹木そのものという点や、観ていてウットリ、なんていうとんでもないプレイボーイです(笑)
蓄熱暖房機も局所的な輻射で、家全体を同じ温度にすることは不得手。
安い深夜電力を熱に変換するという単純なメカニズムで本体は安価ですが、そもそも原発が稼働していない現在、
導入すべき器具とは思いません。
エネルギー問題があるので、とにかく熱が逃げないように考えてゆくのが基本になりますが、居心地の良さも当然いいほうがいいわけでありまして、ぜひ今後住宅を新築やリフォームする際は、
なんだか顔の赤い人がそんなこと言ってたな、なんて覚えていてもらえると幸いです(笑)
本格的な暖房シーズンがやって参りました。
今年も冬の綱引き合戦です。