段取り上手になるための魔法のワード?
現場の一つ一つの行動が、業績を大きく左右する
現在、 コロナ禍における経済情勢の悪化閉塞感に
苦しめられる企業も多い。
しかし、どういった状況下であっても人材活用は
重要な経理課題であることに変わりはない。
昨今、従業員が、勤務先の商品(特に食品)や什器
その他の備品を使用していたずら・悪ふざけを行う
様子をスマートフォンなどで撮影し、Twitterなどの
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や
YouTubeなどの動画共有サイトに投稿して炎上する
現象も記憶に新しい。
発生した企業・店舗に対する社会的なイメージダウンを
引き起こすのみならず、返金や商品の返品・交換および
消毒、最悪の場合は発生した店舗(フランチャイズ店)の
契約解除や閉店に伴う巨額の損害賠償の請求も発生する
している。
いわゆる、「アルバイトによるテロ行為」として
「バイトテロ」と呼ばれている。
このように現場の一つ一つの行動が、業績を大きく左右
し、最悪致命傷となり得るわけだ。
現場に戦略的視点が欠けている
仕事をする上で、戦略的視点が必要だとよく言われる。
しかし、その意味はと問われると明確に答えられる人は
そう多くない。
では、そもそも「戦略」とは何か?
そこで、論を進める上で「戦略」を
「戦いの道筋を意図的・意識的に作る」と定義したい。
また、「戦略」の「略」とは、田畑を開拓して横に畦道(道筋)を
設けることを意味する。
これは、 田畑を耕すための通路と同時に境界線を明確にするために
意図的につくられるものである。
これを仕事上に転用して考えれば、4つの工程があるのではないか?
① プラン・・先行きを想定する
② 現実的記憶・・想定するから現実がよく見える
③ 記憶の刻印・・不適切な行動の印象が刻印されるから改善される
まで頭から離れない
④改善行動・・だから、本気で改善する
ただ、通常「戦略」というと①事前想定(プラン)と捉えられる
ことが多い。
しかし、実際頭で考えたことと、実際に意識的に体験して痛感した
ことでは、その改善や実行のエネルギーが全く違う。
どん底を体験した人間は強いと言われることからも「悔しさ」という
エネルギーが③の記憶の刻印を強めるのは疑いようがない。
勝負の世界で考えても、たとえばスポーツの世界のプロとアマ
(オリンピック狙うようなセミプロは別として)では全く違う。
同じ100回の素振りでもプロのイチローとアマでは雲泥の差が
ある。もちろん、100回の素振りという事実は同じだ。
しかし、その取組み(見えない部分)にこそプロとアマを隔つ
ものがある。
そして、実際の試合でも今日の事前想定を持ってバッターボックスに
立つはずだ。その意識的な取組がバットの一振り一振りを記憶として
残し刻まれる(刻印)。
そして、記憶されるからこそ新たな課題点も浮き彫りになる。
ましてや、空振りなど失敗したとき、「なぜ失敗したのか?」という
「悔しさ」が、原因追及と共により一層の次なる改善の動機となる。
ところが、アマの場合、多くは無意識的にバッターボックスに立つ。
仮に事前想定することがあったにしてもプロのそれには遠く及ばない。
そして、空振りしても「あぁ〜、失敗した」で終わる。
そこには、事前想定もないから、記憶にも残らない。残らないから
課題も見えない。見えないから記憶(刻印)にも残らない。
ましてや、「あぁ〜、失敗した」で悔しさも昇華してしまっている
から改善への動機も生まれない。
つまり、プロとアマでは技術・技能を別にすれば、その取り組み
すなわち戦略的視点のあるなしが大きな隔たりとなっている。
戦略的視点によって、次の一手を生み出す知恵とする
まずは戦略は、意識的に己の行動を観察することから始まるという
ことを腹に落とすことが大事だ。
具体的には、
①道筋(段取り)を考え
②極力それに従って行動し
③出来なかったところを明確にして
④ もっとよい(改善)方法を考える
これをルーティン化(習慣化)するということだ。
無意識な行動を繰り返す限り、自分の行動の問題点や周囲の環境の
変化にも永遠に気づかない。
だからこそ、
行動の前に意図的に道筋をつけるから
意識が深くなり一つ一つの行為を正確に記憶できる
よって、反省材料が豊富に得られ
その蓄積が、次の一手を生み出す知恵となる
さて、最後に質問です。
この戦略的視点を持った社員が多い会社と
いない会社ではどちらの会社を経営したいですか?