夫が遺言書を作ってくれていれば・・・ケース2

鴇田誠治

鴇田誠治

テーマ:遺言書のこと

先日は、お子さんがいらっしゃらない方は、相続争いを未然に防ぐためにも遺言を書いたほうがいいですよ、ということを書きました

今回も同様に「遺言を残しておいたほうがいいですよ」という方をご紹介します

再婚をされている場合

相続手続きをご依頼いただく方の中には、亡くなった旦那さんとは再婚で自分はいわゆる後妻なんですが・・・という状況の方もいらっしゃいます

再婚をされている方で、「先妻との間にお子さんがいた」という方が死亡した場合、現在のご家族(現在の奥様とお子様)と先妻のお子さんが相続人になります

普段から連絡を取り合っていて、ある程度意思疎通が図られるような状態であれば相続トラブルになる可能性は減るかと思います

しかし、そうでない場合は遺されたご家族は前妻のお子さんとの間でトラブルになることもありえるのです
 

実際にこんな事例もあります

相続人は現在の妻(A)、Aさんとのお子さん(B)、先妻とのお子さん(C)という相続関係です

相続財産はマンションと数百万円の預貯金です

Cさんにどんな相続財産があるのかをお知らせして、Aさん、Bさんの意向のとおり

「相続財産は家族が今住んでいるマンションと預貯金しかないので、現在の妻のAさんにすべて相続させてほしい」といったことをご連絡しました

当初のCさんの意向は「預貯金のうち少しでも貰えれば・・・」ということでした

ところが!Cさんのお母様、つまりは先妻の方がここでCさんの意向をひっくり返してしまいます

「お父さんには何もしてもらってないんだから、法律どおりもらいなさい!」

マンションの評価額が高額なので預貯金をすべて渡すだけではどこにも足りません

このことをお伝えすると

「マンションを売ってそのお金を分ければいいじゃない!」

Cさんもお母様を無視することはできなかったようで、どんどん泥沼化していきました

最終的には弁護士さんにお願いして遺産分割調停で解決することになりました

Aさんはなんとかマンションを手放さずに済みましたが、数百万円を支払い、弁護士さんの費用も当然に支払いました

相続対策は元気な今のうちに!

この事例でもわかるとおり、このような相続関係の場合には奥様の生活が脅かされる可能性がでてきます

遺言書があるからと言ってもCさんの「遺留分」の問題は残りますが、遺言書とあわせて遺留分を担保するための生命保険に入るなどの対策によって、AさんやBさんの不安は解消されます

生命保険は年齢が高くなると契約できる商品数が減り、対策の幅が狭められることも考えられます

また、認知症などにより遺言書が作れなくなってしまえばので、もう対策のしようがありません

もちろん、先妻のお子さんにも確実に遺産を渡せるように・・・ということで遺言書を作られる方もいらっしゃいます

いずれにしろ、相続対策はできるだけ早く、元気な今のうちに手を付けましょう!
 

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鴇田誠治
専門家

鴇田誠治(行政書士)

社会保険労務士・行政書士 ときた事務所

相続・相続対策の専門家として、相続手続きの総合的なご支援はもちろん、争族の対策もお客様と共に立案いたします。また、任意後見、財産管理、家族信託など、お客様が安心できる老後の生活支援もお手伝いします。

鴇田誠治プロは河北新報社が厳正なる審査をした登録専門家です

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