空き家を1年間持つといくらかかる?固定資産税だけではない「実家の維持費」を計算してみる
相続した実家について、
「そろそろ売った方がいいかもしれない」
と考え始めたとき、価格と同じくらい気になるのが、
「売れるまでどのくらい時間がかかるのか」
ではないでしょうか。
例えば、
「年内には整理したい」
「固定資産税や管理費をこれ以上払い続けたくない」
「相続人同士で早く現金化して分けたい」
という事情がある方もいます。
しかし、不動産売却は、
査定を依頼する
↓
すぐ買主が見つかる
↓
翌週にお金が入る
というものではありません。
物件によっては数か月で完了することもあれば、
相続登記
境界
残置物
建物の状態
買主の住宅ローン
などの問題によって、半年以上かかることもあります。
今回は、相続した実家や空き家を売却するとき、
「相談してから実際に引き渡すまで、何をするのか」
を時系列で整理します。
まずは「売れる状態か」を確認する
空き家を売ろうと思ったら、最初に行うのが現在の状況確認です。
例えば、
・土地と建物の名義は誰か
・相続登記は終わっているか
・抵当権は残っていないか
・境界に問題はないか
・建物に未登記部分はないか
・家財はどの程度残っているか
などです。
ここで重要なのは、
「全部整理してから不動産会社へ相談する」
必要はないということです。
むしろ、
「何を整理する必要があるのか分からない」
という段階で査定を依頼した方が、必要な手続きだけを確認できます。
例えば、
相続登記が必要
↓
司法書士へ依頼
境界確認が必要
↓
土地家屋調査士へ相談
というように、物件ごとに必要な手続きが異なります。
査定は売却のスタート地点
不動産会社へ査定を依頼すると、
土地
建物
立地
接道
周辺相場
建物状態
などを確認し、
「この状態なら、どの程度の価格で売れそうか」
を検討します。
ここで確認したいのは、
査定額だけではありません。
例えば、
現状のまま売る場合 1,000万円
家財処分後 1,050万円
解体後 1,300万円
という査定だったとしても、
家財処分費
解体費
測量費
などを差し引けば、最終的な手取りは変わります。
そのため、
「一番高く売れる方法」
ではなく、
「費用と時間を含めて、どの方法が有利か」
を確認します。
売却方法を決める
査定結果を確認したら、
仲介で売る
のか、
不動産会社などに買い取ってもらう
のかを検討します。
仲介の場合は、一般の購入希望者を探すため、
高く売れる可能性がある一方、
買主が見つかるまで時間がかかることがあります。
一方、買取の場合は、
価格は仲介より低くなる可能性がありますが、
条件が合えば比較的早く売却できる場合があります。
例えば、
「多少価格が下がっても早く整理したい」
という人と、
「半年かかってもできるだけ高く売りたい」
という人では、選ぶ方法が変わります。
売却期間を考えるときは、
価格
時間
手間
をセットで比較することが重要です。
販売を始めても、すぐ買主が決まるとは限らない
仲介で売却する場合は、
物件情報を公開
↓
問い合わせ
↓
内覧
↓
購入検討
↓
価格・条件交渉
という流れになります。
人気のある地域で、
価格も適正
建物状態も良い
という物件であれば、早い段階で購入希望者が見つかることがあります。
一方、
価格が相場より高い
建物が古い
私道や境界に問題がある
再建築に条件がある
郊外で需要が少ない
といった場合は、時間がかかる可能性があります。
「売り出せばいつか売れる」
と考えるのではなく、
販売開始後の反応を見ることが重要です。
1か月たっても問い合わせが少ない場合は?
販売を開始した後は、
問い合わせ数
内覧数
買主からの反応
を確認します。
例えば、
閲覧は多いのに問い合わせがない
のであれば、
価格
写真
物件説明
条件
などに問題がある可能性があります。
一方、
問い合わせも閲覧も少ない
のであれば、
そもそも市場での需要が弱い可能性もあります。
この場合、
価格を下げる
だけではなく、
・現状渡しを可能にする
・家財を残したまま売れるようにする
・用途を住宅だけに限定しない
・隣地所有者へ打診する
・買取を比較する
など、販売方法自体を見直すこともあります。
買主が決まったら売買契約へ進む
購入希望者が現れ、
価格
引渡条件
契約時期
などについて合意すると、売買契約を締結します。
ここで、
「契約した日=売却完了」
ではありません。
一般的には、
売買契約
↓
買主の住宅ローン手続き
↓
売主側の引渡準備
↓
残代金決済
↓
所有権移転
↓
引渡し
という流れになります。
買主が住宅ローンを利用する場合は、金融機関の審査などの期間も必要です。
売主側も、
家財撤去
境界確認
必要な登記
抵当権抹消
など、契約条件に応じた準備を進めます。
売買契約後に売却が止まるケースもある
例えば、
買主は見つかった
ものの、
買主の住宅ローンが通らない
ということがあります。
また、
売主側でも、
相続人が一人足りなかった
抵当権が残っていた
境界確認に時間がかかった
必要な書類が見つからない
という問題が発覚することがあります。
そのため、
「買主が決まったから安心」
ではなく、
売却を始める段階で権利関係や書類をある程度確認しておくことが重要です。
空き家売却が長引きやすい代表的なケース
売却期間が長くなりやすいのは、
単純に買主が見つからない場合だけではありません。
例えば、
相続人が複数いる
土地と建物で名義が違う
祖父名義のままになっている
境界が不明確
私道持分がない
未登記の増築がある
残置物が大量にある
古い擁壁がある
再建築について確認が必要
といった物件です。
一つひとつは解決できる可能性があります。
ただし、
売買契約直前に発覚
すると、そこから調査が始まるため時間が延びます。
だからこそ、
売却を急いでいなくても、
「現状だけ先に調べておく」
意味があります。
「半年後に売りたい」なら、半年前から動く
例えば、
「来年3月までには実家を整理したい」
と考えているなら、
2月になってから不動産会社へ相談するのではなく、
半年前くらいから状況確認を始める方が安心です。
例えば、
9月
査定・登記確認
10月
相続関係・境界など整理
11月
販売開始
12月~1月
内覧・条件交渉
2月
売買契約
3月
引渡し
という流れが考えられます。
もちろん、実際のスケジュールは物件によって異なります。
しかし、
「売りたい時期」
が決まっているのであれば、
そこから逆算して準備を始める
ことが重要です。
急いで売ると安くなる?
必ず安くなるわけではありません。
ただし、
「1か月以内に絶対現金化したい」
など期限が非常に短い場合、
一般の買主を長期間探す方法より、
買取を選ぶ可能性が高くなります。
反対に、
半年から1年かけてもよい
のであれば、
市場へ広く売り出し、条件の合う買主を探せる可能性があります。
つまり、
売却価格と売却期間は無関係ではありません。
査定時には、
「いくらで売れますか?」
だけではなく、
「この価格なら、どのくらいの期間で売れる想定ですか?」
と聞いてみることをおすすめします。
売れるまでの期間も「保有コスト」が続く
以前のコラムで、
空き家を所有すると、
固定資産税
保険
ライフライン
草刈り
庭木管理
修繕
などの費用が発生するという話をしました。
売却活動中も、この負担は続きます。
例えば、
年間維持費 30万円
なら、
6か月で約15万円
です。
仮に、
1,000万円で半年かけて売る
場合と、
950万円で1か月で売る
場合では、
単純な売却価格だけでなく、
維持費
管理の手間
売却までの時間
も含めて比較する必要があります。
「50万円高く売れた」
としても、
そのために1年間かかり、
管理費や修繕費が50万円発生した
のであれば、実質的な差は小さくなります。
一番大切なのは「いつまでに、どうしたいか」
空き家売却では、
「できるだけ高く売りたい」
という希望は当然あります。
しかし、
価格だけを決めても販売戦略は決まりません。
例えば、
・3か月以内に整理したい
・半年程度なら待てる
・1年以上かかっても高値を狙いたい
では、選ぶ方法が変わります。
さらに、
家財を全部片付けるのか
現状渡しにするのか
解体するのか
買取も比較するのか
も変わります。
不動産会社へ相談するときは、
「いくらで売りたい」
だけでなく、
「いつまでに整理したい」
も伝えると、現実的な提案を受けやすくなります。
まだ売る時期が決まっていなくても、査定はできる
「売るとしても来年かもしれない」
「兄弟とまだ話がまとまっていない」
という段階でも、査定や状況確認をすることはできます。
むしろ、
現在の価格
必要な手続き
売却までの想定期間
年間維持費
が分かれば、家族で話し合いやすくなります。
例えば、
現在1,000万円程度
売却まで半年程度想定
年間維持費30万円
という情報があれば、
今売る
あと3年持つ
を具体的に比較できます。
「売ると決めてから調べる」
のではなく、
「売るかどうか決めるために調べる」
という考え方もあります。
まとめ|空き家売却は「売りたい日」から逆算して考える
相続した実家を売却するとき、
査定を受ければすぐ売却できる
とは限りません。
まず、
査定
権利関係確認
販売準備
買主探し
売買契約
引渡準備
決済
という流れがあります。
さらに、
相続登記
境界
私道
未登記
抵当権
残置物
などがあれば、追加の時間が必要になる場合があります。
そのため、
「いつか売ろう」
ではなく、
「いつ頃までに整理したいか」
を一度考えてみてください。
売却時期から逆算すれば、
今やるべきこと
も見えやすくなります。
そして、
まだ売却を決めていない段階でも、
現在の価格
売却までに必要な手続き
おおよその期間
保有を続ける場合の費用
を確認することはできます。
売却を決めるのは、それらを確認してからでも遅くありません。
「いつ売るか決まっていない」という段階でもご相談いただけます
「来年までには整理したい」
「兄弟とまだ話がまとまっていない」
「売却までどのくらい時間がかかるのか知りたい」
「相続登記や境界の問題がありそう」
という段階でも構いません。
現在の実家の価値と、売却までに必要となる手続き・期間を確認し、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら今後の方針を整理していきます。
株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら、今後の方針を整理しています。
売却を決めていない段階でもご相談いただけます。
空き家相談専用ページはこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/
※本コラムは、空き家・相続不動産の売却期間や一般的な売却手続きをまとめたものです。実際の売却期間、必要となる登記・測量・契約手続き、住宅ローン審査期間などは物件や取引条件によって異なります。具体的な売却スケジュールについては、不動産会社、司法書士、土地家屋調査士など必要な専門家へご確認ください。


