相続した実家を売ったら確定申告は必要?「利益が出ていないから不要」と決める前に確認したいこと
親から実家を相続したものの、
「今すぐ売る決心はつかない」
「誰も住まないなら、家賃収入を得た方がいいのでは?」
と考える方もいると思います。
例えば、
売却する → 実家を手放すことになる
そのまま持つ → 固定資産税や管理費がかかる
貸す → 家を残しながら家賃収入を得られる
と考えると、
「とりあえず貸す」
は魅力的な選択肢に見えます。
実際、立地や建物の状態によっては、空き家を住宅として貸すことが有効な場合もあります。
しかし、
「売るか決められないから、とりあえず貸す」
という順番は慎重に考えたいところです。
一度賃貸に出すと、
売却方法
修繕費
契約期間
税務上の扱い
将来自分たちが使える時期
などが変わる可能性があるからです。
今回は、相続した実家について「売る・持つ・貸す」で迷っている場合の考え方を整理します。
「空き家のまま」より貸した方が得?
例えば、
家賃 月6万円
で貸せる実家だったとします。
単純計算では、
6万円×12か月
=年間72万円
の家賃収入になります。
一方、空き家のまま所有していれば、
固定資産税
火災保険
草刈り
庭木管理
電気・水道
修繕
などの支出だけが続きます。
それなら、
「貸した方が圧倒的に得」
と思うかもしれません。
しかし、72万円すべてがそのまま利益になるわけではありません。
賃貸経営では、
・入居前の修繕
・設備故障への対応
・管理費
・保険
・固定資産税
・入退去時の費用
・空室期間
なども考える必要があります。
大切なのは、
「家賃はいくら取れるか」
ではなく、
「年間で最終的にいくら残りそうか」
です。
古い実家では、貸す前の修繕費が問題になることがある
築40年、50年の実家の場合、
そのまますぐ入居者へ貸せるとは限りません。
例えば、
給湯器が古い
エアコンが故障している
水回りに不具合がある
雨漏りがある
畳や床が傷んでいる
ということがあります。
仮に、
月6万円で貸せる
としても、
賃貸前の修繕費 200万円
が必要なら、判断は変わります。
年間家賃72万円だけで単純計算しても、修繕費200万円を回収するには数年かかります。
さらに、その途中で追加修繕が発生する可能性もあります。
そのため、
「家賃が取れるから貸す」
だけではなく、
初期費用
年間収入
年間支出
何年間貸す予定なのか
をセットで考えます。
一度貸すと「空いたらすぐ売る」とは限らない
ここも非常に重要です。
空き家の状態であれば、
売りたい
↓
買主を探す
という動きができます。
しかし入居者がいる状態では、賃貸借契約の内容を無視して、
「売ることにしたので来月出てください」
と自由に進められるものではありません。
契約形態や契約内容によって扱いが変わるため、
将来的に売却する可能性が高いのであれば、
賃貸契約を結ぶ前に出口まで考えておく
必要があります。
「とりあえず1年間だけ貸したい」
という希望がある場合も、どのような契約方法が適しているのか、不動産会社などへ確認してから進めた方がよいでしょう。
入居者がいる状態でも売却はできる?
売却できる場合があります。
ただし、
誰も住んでいない中古住宅
と、
入居者がいる賃貸中の住宅
では、想定する買主が変わります。
例えば空き家なら、
「自分で住みたい」
という一般の住宅購入者が検討できます。
一方、賃貸中であれば、
「家賃収入を得たい」
という投資目的の購入者が中心になることがあります。
すると、
家賃はいくらか
入居者との契約内容はどうなっているか
年間経費はいくらか
利回りはどの程度か
など、違う基準で価格を判断されることがあります。
つまり、
「貸しておけば、あとで同じように売れる」
とは限りません。
「貸すか売るか」を数字で比較したい方へ
例えば、
現状売却 1,000万円
賃貸する場合
家賃 月6万円
修繕費 200万円
だったとします。
この場合、
「家賃が月6万円取れるから貸す」
だけでは判断できません。
何年間貸す予定なのか。
年間の維持費はいくらか。
数年後に売却するとき、建物はどの程度古くなるのか。
これらを含めて比較する必要があります。
宮城県内の実家について、
「今売る場合」と「貸して保有する場合」を比較したい段階でもご相談いただけます。
空き家相談専用ページ
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/
「家を残したい」という理由なら、目的を明確にする
相続した実家では、
「親が残した家なので、すぐ売りたくない」
という気持ちもあると思います。
その場合、
売却しない
という選択自体に問題があるわけではありません。
ただ、
「残したい」
と、
「賃貸経営をしたい」
は分けて考えた方がよいでしょう。
例えば、
5年後に自分たちが使う予定がある
子どもが将来住む可能性がある
地域の拠点として利用したい
という目的があるなら、保有する意味があります。
一方、
誰も使う予定はない
売るのも何となく嫌
空き家のままではもったいないので貸す
という状態なら、一度、
売却
賃貸
そのまま保有
を数字で比較してみることをおすすめします。
賃貸する前に税金についても確認する
相続した古い実家では、売却時に利用できる可能性のある税制上の特例があります。
こうした制度には、
相続後の建物の利用状況
などが関係する場合があります。
そのため、
「売却する可能性もあるけれど、とりあえず数年間貸してみよう」
と考えている場合は、賃貸へ出す前に税務上の影響についても確認しておく方が安心です。
不動産会社だけで税務判断を確定せず、必要に応じて税務署・税理士へ確認します。
賃貸するなら「誰が大家をするのか」も考える
家を貸すということは、
毎月家賃が振り込まれる
だけではありません。
例えば、
「給湯器が壊れました」
「エアコンが動きません」
「水漏れしています」
と入居者から連絡が来ることがあります。
自分で対応するのか。
管理会社へ委託するのか。
修理費は誰が負担するのか。
相続人が複数いるなら、
誰が窓口になるのか。
こうした運営面まで考える必要があります。
遠方に住んでいる場合は、特に管理方法を決めておくことが重要です。
「家賃×12か月」だけで売却と比較しない
例えば、
月6万円
×12か月
=72万円
なので、
「10年間貸せば720万円になる」
と考えることがあります。
しかし実際には、
空室期間
修繕費
設備交換
管理費
保険
税金
などがあります。
さらに10年間経過すれば、
築50年
↓
築60年
というように建物も古くなります。
その時点で売却するとき、
現在と同じ価格で売れるとは限りません。
反対に、土地価格が上昇する可能性もあります。
将来は確定できませんが、
少なくとも、
家賃収入だけを見るのではなく、
「賃貸収入+維持費+将来の売却価格」
で考える必要があります。
こんな場合は、貸す前に一度比較してみる
例えば、
「売却する決心はまだついていない」
「月5~6万円くらいでは貸せそう」
「貸すために100万円以上修繕が必要と言われた」
「数年後には売却するかもしれない」
「将来、自分たちが使う可能性がある」
「相続した空き家の税制上の特例も気になる」
という場合です。
賃貸募集を始める前なら、
売却
賃貸
保有
を自由に比較できます。
一度契約して入居者が決まれば、その契約を前提に今後を考えることになります。
だからこそ、
**「貸してから考える」のではなく、「貸す前に出口を考える」**
ことが大切です。
まとめ|「とりあえず貸す」ではなく「何年貸して、その後どうするか」まで考える
相続した実家について、
誰も住まないなら貸す
という考え方は、一つの有効な選択肢です。
ただし、
家賃が取れる
という理由だけで決めるのではなく、
貸すための修繕費
年間の手取り
管理の負担
将来売却するときの条件
自分たちが再び使う可能性
まで考えてみてください。
例えば、
「最低5年間は貸して収益を得る」
という計画なら、賃貸する意味があるかもしれません。
一方、
「来年売るかもしれない」
という状態なら、まず売却した場合の価格も確認してから判断する方がよいでしょう。
大切なのは、
売るか
貸すか
の二択ではありません。
それぞれを選んだ場合、3年後・5年後にどうなっているか
まで比較することです。
まだ「売るか貸すか」決めていない段階でもご相談いただけます
「空き家のままではもったいない」
「貸せるなら貸したいが、修繕費が心配」
「数年後には売却するかもしれない」
という段階でも構いません。
現在の売却価格や想定賃料、必要な修繕などを整理し、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら今後の方針を考えていきます。
株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却だけを前提にせず、今後の選択肢を整理しています。
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※本コラムは、相続した空き家を賃貸する場合の一般的な考え方をまとめたものです。賃貸借契約の内容、修繕負担、税務上の取り扱い、売却時の条件などは物件・契約によって異なります。具体的な賃貸借契約については不動産会社や必要に応じて弁護士等、税務については税務署・税理士へご確認ください。


