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国も「築古住宅を再生して貸す」方向へ|空き家は“売るか解体するか”だけではなくなる?

伊藤友佑

伊藤友佑

空き家について相談を受けていると、

「古い家なので解体するしかないですよね」

「誰も住まないなら売った方がいいですか?」

という話になることがあります。

もちろん、

売却する
解体する

ことが適している空き家もあります。

しかし今後、

「古い住宅を直して、もう一度使う」

という選択肢が、これまで以上に広がる可能性があります。

2026年9月、日本経済新聞で興味深いニュースが報じられました。

国土交通省が、空き家などの築古住宅をリフォームし、賃貸住宅として貸し出す事業者を対象にした優遇融資制度を、2027年度にも創設する方針だという内容です。

現在はまだ制度の詳細を検討している段階ですが、

「築古住宅を壊すだけではなく、改修して再び住宅市場へ戻す」

という方向性は、今後の空き家活用を考えるうえで非常に重要だと感じています。


築古住宅は「価値がない」のか?



例えば、

築40年
築50年

と聞くと、

「建物にはほとんど価値がない」

と思われることがあります。

不動産の売却査定では、築年数によって建物評価が低くなることもあります。

しかし、

売却査定上の建物価格が低いこと

と、

その建物をもう使えないこと

は同じではありません。

実際には、

構造
雨漏り
基礎
屋根
設備
間取り
立地

などによって、利用できる可能性は大きく変わります。

古い建物でも、

必要な部分を改修することで、

賃貸住宅
店舗
事務所
宿泊施設
地域の拠点

などとして再利用できるケースがあります。


国も「中古住宅を活用する」という方向へ



今回報じられた制度では、

空き家などをリフォームして貸し出す事業者

への優遇融資が検討されています。

背景には、

新築住宅価格や建築費の上昇

などがあると報じられています。

新しい住宅を一から建てるだけではなく、

すでに存在する住宅を改修して使う。

そして、

適切に管理された築古住宅を賃貸市場へ流通させる。

こうした動きが進めば、

これまで、

「古いから売る」
「古いから壊す」

と考えられていた住宅に、別の選択肢が生まれる可能性があります。


空き家所有者にとっても選択肢が増える



例えば、

築50年の実家を相続した

とします。

これまでは、

そのまま売却する

解体して土地として売却する

自分でリフォームして使う

といった方法が中心でした。

しかし、

空き家再生を行う事業者が増えれば、

事業者へ売却する

事業者へ賃貸する

改修して一般住宅として貸す

事業者と連携して活用する

といった方法も広がっていく可能性があります。

つまり、

「自分では使わない」

からといって、

すぐに解体する必要があるとは限らなくなります。


大切なのは「リフォームできるか」ではなく「事業として成立するか」



ただし、

古い家を直せば何でも活用できる

という意味ではありません。

ここは非常に重要です。

例えば、

物件取得費 300万円

リフォーム費 700万円

合計投資 1,000万円

だったとします。

これを、

月5万円

で賃貸するなら、

年間家賃は60万円です。

そこから、

固定資産税
保険
管理費
修繕費
空室リスク

なども考えます。

一方、

取得費300万円
改修費300万円

で、

月7万円

の賃料が見込めるのであれば、事業としての見え方は大きく変わります。

空き家再生で重要なのは、

「きれいに直せるか」

ではありません。

いくらで取得できるのか。

改修にいくらかかるのか。

いくらで貸せるのか。

どの程度需要があるのか。

最終的に売却できるのか。

ここまで含めて考える必要があります。


空き家活用で最初にリフォーム見積もりを取らない



空き家を活用したいと思うと、

まず工務店へ相談し、

「全部きれいにすると800万円です」

という話になることがあります。

しかし、

その800万円を回収できる事業なのか

を先に考えなければなりません。

例えば、

家賃5万円しか取れない地域

なのに、

1,000万円かけてリフォームする

のであれば、慎重な検討が必要です。

反対に、

最低限の改修で十分需要がある

のであれば、必要以上にきれいにする必要はありません。

空き家再生では、

物件

用途

収益

必要な改修

という順番で考えることが重要です。


売却するより活用した方がよい空き家もある



例えば、

売却査定 300万円

だった実家があるとします。

所有者からすると、

「300万円なら売らずに持っておこうかな」

と思うかもしれません。

もしその住宅が、

300万円程度の改修

によって、

月6万円

で貸せる可能性があるなら、

活用という選択肢を検討する意味が出てきます。

一方、

改修費1,000万円

かけても、

月5万円程度

しか見込めないのであれば、売却した方がよい可能性があります。

つまり、

売却
賃貸
活用
解体

のどれが正解かは、

築年数だけでは決まりません。


Blue Keyでも実際に「古い空き家を使う」取り組みをしています



私たち株式会社Blue Keyでも、

「古いから壊す」

だけではなく、

「この建物をもう一度使えないか」

という視点で空き家を見ています。

例えば、石巻では、所有者から無償貸与を受けた築50年近くの空き家を整備し、「灯ゲストハウス石巻」として2026年7月から活用しています。

もちろん、

すべての空き家が宿泊施設にできる

という意味ではありません。

むしろ大切なのは、

住宅なら住宅。

店舗なら店舗。

宿泊なら宿泊。

その建物や地域に合った利用方法を考えることです。

空き家を、

「処分しなければならないもの」

だけではなく、

「使い方を変えられる不動産」

として考えることで、選択肢は広がります。


宮城県の空き家で「売る以外の方法もある?」と考えている方へ



築40年、50年を超えていても、

建物の状態
立地
改修費
想定賃料

によっては活用を検討できる場合があります。

反対に、

無理にリフォームするより、

現状で売却した方が負担が少ない

というケースもあります。

大切なのは、

リフォームすることを先に決めないことです。

まず、

現状ならいくらで売れるか。

貸すならいくらか。

活用するなら改修費はいくらか。

を比較します。

宮城県内の空き家について、
「売るか、貸すか、活用するかを比較したい」
という段階でもご相談いただけます。

空き家相談専用ページ
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/


融資制度ができれば、空き家再生はもっと進む?



今回報じられた新しい優遇融資制度については、現時点ではまだ詳細な条件が決まっていません。

対象となる物件。

対象となる事業者。

融資率。

金利。

自己資金。

改修内容。

こうした具体的な条件は、今後整理されていくことになります。

そのため、

「来年から空き家なら何でも低金利でリフォームできる」

と考えるのは早いでしょう。

一方で、

国が築古住宅の改修・賃貸流通を金融面から後押ししようとしている

という方向性には注目したいところです。


空き家問題は「処分」から「流通・活用」へ



全国で空き家が増える中、

これまで空き家対策というと、

放置しない

管理する

危険な建物を解体する

といった話が多くありました。

もちろん、それらも重要です。

しかし今後は、

まだ使える住宅をどう市場へ戻すか

という視点も、さらに重要になると思います。

売却する。

貸す。

改修して使う。

用途を変える。

事業者が再生する。

空き家所有者が選べる方法が増えれば、

「どうしていいか分からないので、とりあえず放置する」

という空き家を減らせる可能性があります。


まとめ|「築50年だから解体」ではなく、まず可能性を比較する



今回報じられた築古住宅リノベーションへの優遇融資制度は、まだ検討段階です。

制度の具体的な内容については、今後の正式発表を確認する必要があります。

ただ、

古い住宅を改修し、再び賃貸住宅として流通させる

という方向性は明確になりつつあります。

これは空き家所有者にとっても、

売却
賃貸
活用
解体

を比較するきっかけになるのではないでしょうか。

築50年だから解体。

空き家だから売却。

と最初から決める必要はありません。

まず、

この建物にはどのような使い方があるのか。

活用するならいくら必要なのか。

貸すならいくらなのか。

現状で売却するといくらなのか。

それらを比較してから、

実家の今後を決める。

これからの「実家じまい」では、

処分方法を考えるだけでなく、

残っている不動産の価値をどう生かすか

という視点も、より重要になっていくと思います。


株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら、今後の方針を整理しています。
売却を決めていない段階でもご相談いただけます。

空き家相談専用ページはこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/


※2026年9月時点の情報をもとにしています。報道されている築古住宅のリノベーションに関する新たな優遇融資制度は検討段階であり、融資条件・対象物件・対象事業者等は今後変更または具体化される可能性があります。実際の利用については、国土交通省・住宅金融支援機構等から公表される最新情報をご確認ください。

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伊藤友佑
専門家

伊藤友佑(不動産業)

株式会社Blue Key

空き家や相続不動産の相談窓口として、売却や賃貸、活用など幅広い選択肢を提案。大手企業での実務経験や商工会議所での創業支援経験を生かし、地域の専門家と連携しながら依頼者を多角的にサポートします。

伊藤友佑プロは河北新報社が厳正なる審査をした登録専門家です

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