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相続した空き家の固定資産税は誰が払う?実家を売却した年の税金まで整理

伊藤友佑

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親が亡くなり、実家を相続した。

まだ相続登記は終わっていない。

兄弟の誰が実家を相続するかも決まっていない。

それなのに固定資産税の納税通知書が届いた。

このような場合、

「誰が払えばいいの?」

「相続登記が終わるまで払わなくてもいい?」

「今年中に売却すれば固定資産税は戻ってくる?」

と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

固定資産税について特に重要なのは、

「その年の途中で誰が所有していたか」

ではなく、

原則として「その年の1月1日時点で誰が所有していたか」

です。

また、実家を相続した場合には、亡くなった方の納税義務を相続人が引き継ぐことがあります。

今回は、相続した実家・空き家の固定資産税について、

相続したとき
売却したとき
解体したとき

それぞれどう考えればよいのか整理します。


固定資産税は「1月1日の所有者」に課税される



固定資産税は、原則として毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。

例えば、

2026年1月1日
父が実家を所有

2026年6月
父が亡くなる

というケースです。

この場合、その年度の固定資産税については、父に課税された納税義務を相続人が引き継ぐことになります。

「6月に亡くなったので、それ以降は税金がかからない」

ということではありません。

一方、翌年1月1日までに相続登記が終わり、新しい所有者が登記されていれば、原則としてその所有者が翌年度の固定資産税の納税義務者になります。


相続登記が終わっていなくても固定資産税はなくならない



親が亡くなった後、

「まだ誰が実家を相続するか決まっていない」

ということがあります。

だからといって、

「名義変更していないので固定資産税も払う人がいない」

とはなりません。

相続登記が完了していない場合でも、亡くなった方の土地・建物を現に所有している相続人などが納税義務者になることがあります。

仙台市では、次の賦課期日までに相続登記が完了していない場合、「固定資産現所有者申告書」の提出が必要になる場合があります。

つまり、

相続登記
固定資産税

は別々に考える必要があります。

「登記が終わっていないから税金も保留」

ということではありません。


兄弟で相続した場合、固定資産税は誰が払う?



例えば、

父が亡くなり、




の2人が実家を共有で相続したとします。

共有名義となった不動産については、固定資産税を単純に、

兄に50%
弟に50%

と市町村が分けて請求する仕組みではありません。

共有者全員が連帯して納税義務を負い、そのうち一人を代表者として納税通知書が送付されることがあります。

そのため、

「兄のところに納税通知書が届いたから、全部兄が負担する」

という意味ではありません。

実際の負担については、

持分割合で分ける
兄弟間で別の割合を決める

など、家族間で整理することになります。

空き家を共有で相続する場合は、

固定資産税
火災保険
草刈り
修繕
家財処分

などについて、

「誰がいくら負担するのか」

まで早めに話しておくことをおすすめします。


年の途中で実家を売ったら固定資産税はどうなる?



ここは不動産売却でよく質問されるところです。

例えば、

2026年1月1日
自分が実家を所有

2026年9月30日
買主へ売却

したとします。

「9月に売ったので、10月から12月分の固定資産税は買主に市役所から請求される」

と思うかもしれません。

しかし、固定資産税は1月1日時点の所有者に対して課税されるため、年度途中で売却しても、その年度分について自治体からの納税義務者が途中で買主へ切り替わるわけではありません。

仙台市も、年の途中で土地・家屋を売却した場合でも、その年の税金は1月1日時点の所有者へ全額課税されると案内しています。


では、売却後の分まで売主が全部負担するの?



実際の不動産売買では、

「固定資産税等の精算」

を行うことがあります。

例えば、

年間固定資産税等 12万円

引渡日 10月1日

だったとします。

売主と買主の契約上、

引渡日までを売主
引渡日以降を買主

という考え方で日割り精算することがあります。

例えば単純化すると、

売主負担
1月1日~9月30日

買主負担
10月1日~12月31日

という形です。

ただし、これは自治体が買主へ固定資産税を課税し直しているわけではありません。

自治体に対する納税義務と、

売買契約上の売主・買主間の精算

は別です。

実際の精算方法や起算日は売買契約によって確認します。


「12月に売るなら税金をほとんど払わなくていい」は違う



例えば、

年間固定資産税 12万円

で、

12月20日に実家を売却したとします。

自治体から見れば、その年1月1日の所有者がその年度の納税義務者です。

そのため、

「年末に売ったから固定資産税は1か月分だけ」

という仕組みではありません。

売買契約の中で買主と精算する場合はありますが、

「売った月までしか固定資産税がかからない」

と考えないよう注意が必要です。


1月1日前後で売却すると翌年度の納税義務者が変わる



例えば、

2026年12月25日までに所有権移転

2027年1月1日時点では買主が所有者

となっていれば、原則として2027年度分は新しい所有者が納税義務者になります。

一方、

売買契約は2026年12月に締結

したものの、

所有権移転・引渡しが2027年1月10日

だった場合、2027年1月1日時点ではまだ売主が所有者ということがあります。

そのため、

「契約した日」

だけでなく、

「いつ所有権が移るのか」

も重要です。

年末から年始にかけて売却する場合には、不動産会社や司法書士へ固定資産税の扱いも確認しておきましょう。


空き家を解体したら固定資産税は安くなる?



古い実家について、

「建物が古いので壊せば固定資産税も安くなるだろう」

と考えることがあります。

確かに建物を解体すれば、その建物について翌年度以降の固定資産税が課税されなくなる場合があります。

しかし、土地について注意が必要です。

住宅が建っている土地には、一定の要件を満たす場合、「住宅用地の特例」が適用されています。

そのため、

住宅を解体

翌年1月1日時点で住宅がない

となると、原則として土地について住宅用地の特例が適用されなくなることがあります。

つまり、

建物の固定資産税はなくなった

一方で土地の固定資産税等が上がった

ということがあります。

仙台市も、1月1日までに住宅を取り壊した場合には、土地の住宅用地の特例が原則として適用されなくなると案内しています。


「固定資産税が6倍になる」と単純に考えない



空き家について調べると、

「家を壊すと固定資産税が6倍になる」

という表現を見かけることがあります。

しかし、実際の税額は、

土地の評価額
面積
住宅用地特例
都市計画税
その他の条件

などによって変わります。

そのため、

「解体=必ず税額が6倍」

と単純に考えない方がよいでしょう。

解体を検討している場合は、

現在の固定資産税等
解体後の固定資産税等の見込み
解体費
売却価格の変化

を比較して判断することが重要です。


固定資産税だけを理由に解体する必要はない



例えば、

現状の空き家として売却
1,000万円

解体後の土地として売却
1,200万円

だったとします。

解体費が250万円なら、

現状売却
1,000万円

解体後
1,200万円-250万円
=950万円

となります。

さらに解体後、売れるまで年をまたげば、土地の固定資産税等の負担が変わる可能性もあります。

つまり、

「古い建物だから解体する」

ではなく、

現状売却
解体後売却
買取

それぞれについて、

最終的にいくら残るのか

を比較する必要があります。


固定資産税の納税通知書は査定にも役立つ



実家の売却相談をするとき、

固定資産税の納税通知書や課税明細書が手元にあれば、持参しておくとよいでしょう。

そこから、

土地
建物
地番
家屋番号
面積
評価額

などを確認する材料になります。

特に古い実家では、

土地が複数筆ある
建物が複数ある
未登記の建物がある

といったことがあります。

課税明細書と登記事項証明書を比較することで、

「何か数字が違う」

ことに気付く場合もあります。


売るか迷っているなら「固定資産税×5年」で一度考える



例えば、

固定資産税等 年間10万円

の実家だったとします。

5年間なら、

50万円

です。

これに、

火災保険
電気・水道
草刈り
庭木
修繕

などが加わります。

以前のコラムで取り上げたように、実家全体の維持費が年間30万円なら、

5年間で150万円

になります。

固定資産税はその中の一項目です。

だからといって、

「税金がもったいないので今すぐ売る」

必要はありません。

大切なのは、

その150万円を使ってでも5年間保有する理由があるか

ということです。


こんな場合は一度整理してみる



例えば、

「父が亡くなったが、固定資産税を誰が払うのか決まっていない」

「兄弟で実家を相続したが、納税通知書は自分にだけ届く」

「売却した年の固定資産税を誰が負担するのか知りたい」

「解体すると固定資産税が上がると聞いて迷っている」

「毎年固定資産税だけ払い続けている」

という場合です。

まず、

現在の固定資産税等
現在の査定価格
年間の維持費
今後何年間保有する予定か

を整理します。

そうすると、

売却する
保有する
貸す
解体する
活用する

という選択肢を比較しやすくなります。


実家をこのまま持つか、売るか迷っている方へ



「固定資産税だけ毎年払い続けている」

「解体した場合の税金が心配」

「売却すると今年の固定資産税がどうなるのか分からない」

という段階でも、売却を決める必要はありません。

まず、

現在の実家の価値
保有を続けた場合の年間負担
現状で売る場合の価格
解体して売る場合の費用

を整理して比較することができます。

売却するかどうかは、その数字を確認してから判断しても構いません。


まとめ|固定資産税は「払う金額」だけでなく「何年払い続けるか」で考える



相続した実家の固定資産税について重要なのは、

原則として毎年1月1日時点の所有者を基準に課税される

という点です。

親が亡くなれば、その納税義務を相続人が引き継ぐ場合があります。

年度途中で売却しても、自治体からの固定資産税が月割りで買主へ切り替わるわけではありません。

一方、実際の不動産売買では、売主と買主の契約上、固定資産税等を日割りなどで精算することがあります。

そして空き家では、

「今年いくら払うのか」

だけでなく、

あと3年払うのか
5年払うのか
10年払うのか

まで考えることが重要です。

固定資産税
保険
管理
修繕

を払い続けながら保有するのか。

売却して整理するのか。

賃貸や別の用途で活用するのか。

「固定資産税の通知が毎年来るから、とりあえず払う」

だけではなく、その実家を今後どうするのかを考えるきっかけにしてみてください。


まだ売却を決めていない段階でもご相談いただけます



「毎年の固定資産税が負担になってきた」

「実家を持ち続ける場合と売る場合を比較したい」

「解体した方がよいのか分からない」

「兄弟で実家について話がまとまっていない」

という状態でも構いません。

現在の実家の価値と保有を続ける場合の負担を整理し、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら今後の方針を考えていきます。


株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら、今後の方針を整理しています。
売却を決めていない段階でもご相談いただけます。

空き家相談専用ページはこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/


※本コラムは、空き家・相続不動産の固定資産税について一般的な情報をまとめたものです。実際の納税義務者、売買時の精算方法、住宅用地特例、税額などは物件・契約内容・自治体によって確認が必要です。具体的な税額や手続きについては、物件所在地の市区町村、不動産会社、税理士等へご確認ください。

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伊藤友佑
専門家

伊藤友佑(不動産業)

株式会社Blue Key

空き家や相続不動産の相談窓口として、売却や賃貸、活用など幅広い選択肢を提案。大手企業での実務経験や商工会議所での創業支援経験を生かし、地域の専門家と連携しながら依頼者を多角的にサポートします。

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