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土地と建物の名義が違う実家は売れる?相続した空き家で見つかる「名義のズレ」を整理

伊藤友佑

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相続した実家を売却しようとして、登記事項証明書を確認したところ、

「土地は父名義なのに、建物は祖父名義だった」

「土地は母名義、建物は父名義になっている」

「土地は相続登記したが、建物だけ亡くなった親の名義のままだった」

ということがあります。

実家に長年住んでいると、家族にとっては土地も建物もまとめて「うちの家」です。

しかし、不動産登記では土地と建物は別々の不動産として扱われます。

そのため、売却を始めようとして初めて、

「土地と建物の所有者が違う」

ことに気付くケースがあります。

では、このような実家は売却できないのでしょうか。

結論から言えば、名義が違うからといって直ちに売却できないわけではありません。

ただし、

誰が土地を所有し、誰が建物を所有しているのか


を確認し、それぞれについて売却できる状態へ整理する必要があります。

今回は、相続した実家で見つかりやすい「名義のズレ」について整理します。

まず確認|土地と建物は別々に登記されている



一戸建てを見ると、

土地の上に建物がある

ので、一つの不動産のように感じます。

しかし登記上は、

土地
建物

は別々です。

例えば、

土地所有者 父
建物所有者 母

という状態もあり得ます。

また、

土地所有者 父
建物所有者 祖父

という状態もあります。

売却するときには、

土地を売却できる人

と、

建物を売却できる人

をそれぞれ確認しなければなりません。

まず実家について、

「土地と建物の名義は同じだろう」

と思い込まず、双方の登記事項証明書を確認するところから始めます。

ケース1|土地は父、建物は母名義



例えば、

土地 父名義
建物 母名義

で、父母ともに存命というケースです。

この場合、土地と建物をまとめて第三者へ売却するのであれば、基本的には父と母それぞれが売却に関与することになります。

子どもが、

「将来自分が相続する家だから」

という理由だけで、両親に代わって売却することはできません。

家族内では一つの実家でも、

誰が何を所有しているのか

を確認したうえで進めます。

売却代金についても、土地と建物を誰が所有しているかによって整理が必要になるため、契約前に確認しておくことが重要です。

ケース2|土地は父名義、建物が亡くなった祖父名義



古い実家で比較的注意したいのが、

土地 父名義
建物 亡くなった祖父名義

というような状態です。

家族としては、

「祖父が亡くなった後は父の家になった」

という認識だったとしても、登記が自動的に父へ変更されるわけではありません。

建物について相続登記が行われていなければ、登記簿上は祖父名義のまま残っていることがあります。

この状態で建物を含めて売却する場合は、

祖父の相続人は誰なのか

を確認する必要があります。

例えば、祖父が亡くなった時点の相続人が、

祖母

叔父
叔母

だった場合、現在の父だけを見ればよいとは限りません。

さらにその後、相続人の一人が亡くなっていれば、その人の相続人まで確認することがあります。

長期間相続登記を行っていない不動産ほど、関係者が増えて手続きが複雑になることがあります。

ケース3|土地は相続登記したのに建物だけ旧名義



相続が発生した際、

「土地だけ相続登記していた」

というケースもあります。

固定資産税の通知書などを見て、

「全部自分の名義になっていると思っていた」

ものの、調べると建物だけ亡くなった親名義だったという場合です。

このケースでは、

土地の登記
建物の登記

を別々に確認します。

土地の相続登記が終わっているからといって、建物も自動的に変更されているとは限りません。

特に古い実家では、

・母屋
・離れ
・物置
・車庫

など複数の建物が存在することがあります。

一つずつ登記状況を確認する必要があります。

ケース4|土地や建物が兄弟との共有名義



例えば、

土地 兄2分の1、弟2分の1
建物 兄2分の1、弟2分の1

という共有状態です。

この場合、土地と建物全体を売却するには、共有者との調整が必要になります。

兄は、

「もう誰も住まないから売りたい」

と考えていても、

弟は、

「親の家なので残しておきたい」

と考えているかもしれません。

共有不動産では、

「自分は売りたい」

という意思だけで、不動産全体を自由に売却できるわけではありません。

そのため査定を受ける段階で、

・誰が共有者なのか
・持分はどの程度か
・各共有者がどう考えているか

を整理します。

まだ意見がまとまっていなくても、まず査定価格や維持費を確認し、それを家族会議の材料にする方法もあります。

ケース5|土地の一部だけ別の親族名義



実家の敷地が一筆の土地とは限りません。

例えば、

母屋が建っている土地 父名義
庭の一部 祖父名義
進入路 叔父名義

ということもあります。

普段生活していると、すべて一つの敷地のように見えます。

しかし売却時に公図や登記事項証明書を確認すると、

「この部分だけ所有者が違う」

ことが判明する場合があります。

特に注意したいのが、

・進入路
・駐車場
・庭
・物置の敷地

などです。

例えば住宅自体は父名義の土地に建っていても、道路へ出るための通路が別の親族名義だった場合、買主はその土地を今後利用できるのか確認する必要があります。

これは以前取り上げた私道や接道問題とも関係してきます。

売却前に最低限確認したい3つの資料



名義について不安がある場合でも、最初から大量の資料を集める必要はありません。

まず次の3つから確認します。

① 固定資産税の課税明細書


土地や建物について、

・所在地
・地番
・家屋番号
・面積

などを把握する手掛かりになります。

ただし、課税上の所有者と登記上の名義を同一と決めつけず、登記も確認します。

② 土地の登記事項証明書


現在の土地の所有者、持分、抵当権などを確認します。

③ 建物の登記事項証明書


建物の所有者、構造、床面積などを確認します。

土地と建物を並べて見ると、

「所有者が違う」

ことに気付きやすくなります。

名義が違っていたら、まず誰に相談する?



名義が違うことが分かったからといって、すぐ司法書士へ登記を依頼しなければならないとは限りません。

まず、

この実家を今後どうしたいのか


を整理することも重要です。

例えば、

売却したい

売却に必要な名義整理を確認する

という場合と、

まだ売却するか決めていない

現在の価値を確認してから家族で考える

場合では、進め方が違います。

不動産会社へ相談する際に、

「土地は父名義ですが、建物が祖父名義になっています」

と伝えれば、売却までに何を整理する必要がありそうかを確認できます。

そのうえで、相続登記などが必要であれば司法書士へ相談します。

相続登記は義務化されている


2024年4月から相続登記が義務化されています。

原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

また、義務化以前に発生した相続で未登記となっている不動産についても対象となる場合があります。

そのため、

「売る予定がないから、昔の名義のままでよい」

とは考えず、相続登記が済んでいない不動産が見つかった場合は確認が必要です。

特に親や祖父母名義の不動産が残っている場合は、早めに相続関係を確認することをおすすめします。

建物が古いなら、相続登記せず解体してしまえばいい?


古い実家で、

「どうせ建物は解体するから、名義は直さなくてよいのでは?」

と思うことがあります。

しかし、自己判断で進めるのはおすすめできません。

建物を解体した場合は、建物の滅失登記なども関係してきます。

また、

誰が建物の所有者なのか

が整理されていない状態で、一部の相続人だけの判断で解体を進めれば、家族間の問題につながる可能性があります。

さらに、

建物を残して売った方がよいのか
解体した方がよいのか

は、売却価格や解体費を比較しなければ分かりません。

名義問題が見つかったからといって、

登記する
解体する

と先に決めるのではなく、

売却方法と必要な手続きを一緒に整理する


ことが重要です。

「親名義のままでも査定できますか?」



査定の相談自体は可能です。

例えば、

父が亡くなっている
土地も建物も父名義
相続登記はまだ

という状態でも、

物件の所在地や面積、建物状態などから売却価格の目安を確認できる場合があります。

つまり、

相続登記

査定

と必ずしも順番を固定する必要はありません。

むしろ、

査定

売却する方向になる

必要な相続登記を進める

という方法も考えられます。

ただし、最終的に売買契約や所有権移転を行うためには、必要な権利関係を整理しなければなりません。

名義を整理する前に、実家の価値を知る意味


例えば、兄弟で相続する実家について、

「売却するなら相続登記を進めよう」

と考えていたとします。

しかし査定してみると、

売却見込み 300万円
相続・家財・測量などの費用も必要

という場合と、

売却見込み 2,000万円

という場合では、家族の考え方も変わるかもしれません。

また、

売却より賃貸が向いている
隣地所有者から需要がある
建物を活用できる

という可能性もあります。

そのため、

権利関係を整理することと、実家の出口を考えることを並行して進める


という考え方も重要です。

例えば、

「土地と建物の名義が違うので売れません」

とだけ言われた場合は、

もう一歩踏み込んで確認してみましょう。

聞きたいのは、

「何を整理すれば売却できる可能性がありますか?」

ということです。

土地と建物の名義が違う理由が、

夫婦それぞれの所有

なのか、

相続登記が未了

なのか、

何代も前の親族名義

なのかによって対応は変わります。

問題があることと、

解決できないこと

は同じではありません。

こんな状態でも、まずご相談いただけます


例えば、

・土地と建物で名義が違う
・祖父名義の建物が残っている
・誰が相続人なのか分からない
・兄弟との共有名義になっている
・敷地の一部だけ別の親族名義
・相続登記をしてから査定すべきか分からない

という段階でも構いません。

最初から所有者自身ですべての登記を整理する必要があるとは限りません。

まず、

現在の名義はどうなっているのか


そして、

売却・管理・活用のどの方向を目指すのか

を確認し、必要な手続きを整理していきます。

まとめ|「誰の家か」ではなく「誰の名義か」を一度確認する



家族の中では、

「父の家」
「祖父の家」
「実家」

と呼んでいても、登記上の所有関係は別の状態になっていることがあります。

特に古い実家では、

土地と建物で名義が違う
建物だけ祖父名義
一部の土地だけ親族名義
兄弟との共有

といったことがあります。

しかし、名義が複雑だからといって、すぐに売却を諦める必要はありません。

まず、

土地の登記
建物の登記
固定資産税の資料

を確認します。

そのうえで、

誰が所有しているのか
どの相続が未処理なのか
売却までに何を整理する必要があるのか

を一つずつ確認します。

そして重要なのは、

登記を全部終わらせてから不動産会社へ相談する必要はない


ということです。

「土地と建物の名義が違うようですが、この実家を今後どうしたらよいでしょうか」

という段階から相談し、実家の価値と必要な手続きを並行して整理する方法もあります。

土地・建物の名義が整理できていない段階でもご相談いただけます



相続登記がまだ終わっていない、祖父母名義が残っている、共有者がいるなど、権利関係が分からない状態でも構いません。

まず現在の状況と今後の希望を確認し、売却・賃貸・管理・解体・活用のどの方向を検討するのか、そのために何を整理する必要があるのかを確認します。

株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら、今後の方針を整理しています。
売却を決めていない段階でもご相談いただけます。

空き家相談専用ページはこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/

※本コラムは、土地・建物の名義、相続登記、空き家・相続不動産の売却について一般的な情報をまとめたものです。法定相続人、遺産分割、登記手続き、共有関係、売却に必要な手続きなどは個別の状況によって異なります。具体的な相続登記については司法書士、相続紛争などについては弁護士、不動産の売却については不動産会社などへご確認ください。

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伊藤友佑(不動産業)

株式会社Blue Key

空き家や相続不動産の相談窓口として、売却や賃貸、活用など幅広い選択肢を提案。大手企業での実務経験や商工会議所での創業支援経験を生かし、地域の専門家と連携しながら依頼者を多角的にサポートします。

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