相続した実家を「とりあえず貸す」は正解?売るか決める前に賃貸へ出すときの考え方
相続した実家を売却したあと、
「不動産を売ったら必ず確定申告が必要なの?」
「1,000万円で売ったけれど、税金はいくらかかる?」
「買ったときより安く売ったから申告しなくていい?」
と迷う方もいるのではないでしょうか。
会社員の場合、普段は勤務先で年末調整をしているため、
「確定申告をしたことがない」
という方も少なくありません。
しかし、土地や建物を売却して利益が出た場合には、原則として確定申告が必要になります。
一方で、
不動産を売却した=必ず税金が発生する
というわけでもありません。
今回は、相続した実家や空き家を売却した場合の確定申告について整理します。
まず確認するのは「いくらで売ったか」ではなく「利益が出たか」
不動産を売却したときの税金は、単純に売却価格へ税率を掛けるわけではありません。
基本的には、
売却した金額
-取得費
-譲渡費用
=譲渡所得
という考え方で計算します。
例えば、
売却価格 1,500万円
だったとしても、
取得費 1,000万円
売却のためにかかった費用 100万円
なら、
1,500万円
-1,000万円
-100万円
=400万円
が譲渡所得を考える際の基礎になります。
つまり、
「1,500万円で売ったので、1,500万円に税金がかかる」
わけではありません。
「取得費」が分からないと税金の計算が大きく変わることがある
相続した実家では、
「親が40年前にいくらで購入したか分からない」
ということがあります。
前回のコラムでも取り上げましたが、相続した不動産では原則として、亡くなった方の取得費を相続人が引き継ぎます。
しかし、
売買契約書がない
購入金額が分からない
という場合には、一定の場合、売却金額の5%相当額を概算取得費として計算することがあります。
例えば、
2,000万円で売却
した場合、
2,000万円×5%
=100万円
です。
実際には親が1,000万円以上で購入していたとしても、その取得費を確認できなければ税金の計算結果が大きく変わる可能性があります。
そのため、実家を片付ける際は、
昔の売買契約書
建築請負契約書
購入時の領収書
などをすぐに処分しないことが重要です。
売却するときに払った費用も確認する
不動産売却では、売却代金だけでなく、
「売るために直接かかった費用」
も確認します。
例えば、
・不動産会社への仲介手数料
・売買契約書の印紙税
・売却のために必要となった測量費
・土地を売るために建物を取り壊した場合の一定の解体費
などは、譲渡費用として扱われる場合があります。
一方で、
固定資産税
通常の修繕費
日常的な維持管理費
などは、単純にすべて譲渡費用として差し引けるものではありません。
そのため売却時の領収書や請求書も、確定申告が終わるまでは整理して保管しておきましょう。
利益が出たら確定申告が必要?
土地や建物を売却し、
売却価格
-取得費
-譲渡費用
を計算した結果、譲渡所得が生じた場合は、原則として確定申告が必要です。
例えば、
2026年中に実家を売却した
のであれば、原則として2027年の確定申告期間に申告することになります。
不動産を売却した年ではなく、
その翌年に手続きする
という点も覚えておきたいところです。
利益が出なかったら確定申告しなくてもいい?
例えば、
売却価格 1,000万円
取得費・譲渡費用等 1,100万円
となり、売却による利益が生じていない場合です。
その売却について課税される譲渡所得がなく、利用する特例などもない場合には、所得税の確定申告が不要となることがあります。
ただし、
給与以外の所得がある
ほかの不動産を売却している
一定の特例を利用したい
など、本人の所得状況によって判断が変わります。
「安く売ったから申告不要だろう」
と自己判断せず、金額が大きい不動産売却では一度確認した方が安心です。
3,000万円控除を使って税金がゼロでも「申告不要」ではない
ここは特に注意したいところです。
例えば、
相続空き家の売却による譲渡所得 1,500万円
だったとします。
一定の条件を満たし、
相続空き家の3,000万円特別控除
を利用できれば、
1,500万円
-1,500万円
=0円
となる可能性があります。
すると、
「税金が0円なら確定申告もしなくていい」
と思うかもしれません。
しかし、この特例を利用するためには、必要書類を添えて確定申告する必要があります。
つまり、
もともと利益が出ていない
ことと、
特例を使った結果、課税される利益が0円になる
ことは別です。
特例を利用する予定なら、申告手続きを忘れないよう注意が必要です。
「自分の実家を売ったら税金が出そうか分からない」という方へ
売却を決める前の段階でも、
想定売却価格
購入時の資料
仲介手数料
解体・測量などの予定費用
を整理すれば、
どの部分を税務上確認する必要がありそうか
が見えてきます。
Blue Keyでは税額そのものを確定するのではなく、まず不動産売却側の数字を整理し、必要に応じて税務署・税理士へ確認しやすい状態にすることができます。
「税金が怖くて売却を進められない」という場合も、まず現在の実家の価値を確認するところから始められます。
宮城県の空き家相談はこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/
確定申告のために残しておきたい書類
相続した実家を売却する可能性があるなら、次のような書類はまとめて保管しておきましょう。
・実家を購入したときの売買契約書
・建物を建てたときの契約書
・購入時の仲介手数料などの資料
・今回の売買契約書
・今回支払った仲介手数料の領収書
・測量費などの資料
・売却のために解体した場合の工事資料
・相続関係の資料
・登記事項に関する資料
特に古い実家では、
購入時の契約書
が税金計算で重要になる可能性があります。
家財整理業者へ一括処分を依頼する場合でも、不動産関係の書類だけは先に確認しておくことをおすすめします。
不動産会社の査定額だけでは「税引後の手取り」は分からない
例えば、
査定価格 2,000万円
と言われても、
2,000万円がそのまま残るわけではありません。
そこから、
仲介手数料
登記関係費用
家財処分
測量
解体
住宅ローン残高
などがあれば差し引いて考えます。
さらに譲渡所得が発生すれば税金も考慮します。
そのため空き家売却では、
「いくらで売れますか?」
だけではなく、
「売却に必要な費用を差し引くと、どの程度残りそうですか?」
まで確認することが大切です。
最終的な税額については税務署・税理士への確認が必要ですが、その前段階となる売却価格や費用は不動産会社でも整理できます。
確定申告はいつする?
土地や建物を売却した場合の譲渡所得については、原則として、
売却した年の翌年
に確定申告します。
一般的な申告期間は、翌年2月16日から3月15日までです。
例えば、
2026年に実家を売却
↓
2027年に確定申告
という流れです。
売却から確定申告まで数か月空くことがあるため、
「売却が終わったから書類は全部捨てていい」
とは考えないようにしましょう。
売買契約書や費用関係の領収書などは、確定申告に備えてまとめて保管しておくと安心です。
まとめ|「税金がかかるか」は売却価格だけでは判断できない
相続した実家を売却したからといって、売却価格そのものに税金がかかるわけではありません。
まず、
売却価格
-取得費
-譲渡費用
をもとに譲渡所得を確認します。
そして、
相続空き家の3,000万円特別控除
など、利用できる特例があるかを確認します。
特に注意したいのは、
「税金が0円だから確定申告も不要」
とは限らないことです。
特例を利用するために確定申告が必要になる場合があります。
空き家を売却するときは、
売却価格だけを見るのではなく、
取得費
売却費用
税制上の特例
最終的な手取り
まで一緒に考えることが重要です。
まだ売却を決めていない段階でもご相談いただけます
「売ったら税金がどのくらいかかるのか不安」
「親の購入時の資料が見つからない」
「3,000万円控除の対象になる可能性があるのか知りたい」
「売却価格から費用を引いた手取りを整理したい」
という段階でも構いません。
現在の実家の価値や売却に必要となる費用を整理し、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら今後の方針を考えていきます。
税務上の最終判断については、必要に応じて税務署・税理士等へ確認することが重要です。
株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却だけを前提にせず、今後の選択肢を整理しています。
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※本コラムは、土地・建物を売却した場合の譲渡所得や確定申告について一般的な情報をまとめたものです。実際の申告義務、取得費、譲渡費用、特例の適用可否、税額などは個別の状況によって異なります。具体的な税務判断については税務署または税理士へご確認ください。


