築50年の実家はいくらで売れる?「建物価値ゼロ」と言われても諦める前に確認したい7つのこと
相続した実家や、長期間使っていない空き家を売却しようとすると、
「仲介で売った方が高く売れるのか」
「買取ならすぐ売れると聞いた」
「古い家でも不動産会社に買い取ってもらえるのか」
「家財が残っていても売れるのか」
と迷うことがあります。
不動産を売却する方法は、大きく分けると「仲介」と「買取」があります。
どちらが優れているということではなく、
・できるだけ高く売りたいのか
・早く現金化したいのか
・家財や建物の状態はどうか
・遠方から何度も対応できるのか
・いつまでに実家を整理したいのか
によって、適した方法が変わります。
今回は、相続した実家や空き家を売却する際に知っておきたい「仲介」と「買取」の違いを7つのポイントから整理します。
まず知っておきたい「仲介」と「買取」の違い
仲介とは
不動産会社に売却を依頼し、一般の購入希望者を探してもらう方法です。
不動産会社は、
・不動産ポータルサイトへの掲載
・自社ホームページでの紹介
・既存顧客への案内
・他の不動産会社への情報共有
・現地案内や購入申込みへの対応
などを行い、買主を探します。
購入希望者が見つかり、条件がまとまれば売買契約を締結します。
買取とは
不動産会社や買取事業者が、直接その不動産を購入する方法です。
一般の買主を探す必要がないため、条件が合えば仲介よりも短い期間で売却できる可能性があります。
買取後、不動産会社は、
・リフォームして再販売する
・建物を解体して土地として販売する
・賃貸物件として活用する
・隣接地とまとめて利用する
などの方法で事業化します。
そのため、一般の購入希望者が買う場合とは価格の考え方が異なります。
1.売却価格を優先するなら仲介を検討する
売却価格を重視する場合は、まず仲介による売却を検討するのが一般的です。
仲介では、実際にその家へ住みたい人や、その土地を利用したい人を市場から探します。
例えば、
「この地域で一戸建てを探している」
「実家の近くに住みたい」
「自分でリフォームして住みたい」
という購入者が見つかれば、不動産会社が直接買い取るより高い価格で売却できる可能性があります。
一方、買取業者は購入後に再販売や改修を行うため、
・リフォーム費用
・解体費用
・販売経費
・保有期間中の費用
・事業上の利益
なども考慮して買取価格を決めます。
そのため、一般的には仲介による想定成約価格より、買取価格の方が低くなる傾向があります。
ただし、
「仲介なら必ず高く売れる」
とは限りません。
長期間売れずに値下げを繰り返した結果、最終的な成約価格が当初の買取価格と大きく変わらないこともあります。
査定時には、
「仲介ならいくらくらいで成約しそうか」
「買取ならいくらになるか」
の両方を確認しておくと比較しやすくなります。
2.売却までのスピードを優先するなら買取も選択肢
空き家をできるだけ早く整理したい場合は、買取が向いていることがあります。
例えば、
・相続税や他の支払いのため資金化したい
・遠方に住んでおり管理が難しい
・固定資産税や管理費の負担を早く止めたい
・建物の劣化が進んでいる
・近隣への影響が心配
・相続人同士で早く精算したい
といった場合です。
仲介では、購入希望者が見つかるまでの期間を正確に予測することはできません。
1か月程度で決まる物件もあれば、半年、1年以上かかる物件もあります。
一方、買取では不動産会社自身が購入するため、価格や契約条件について双方が合意すれば、比較的早く手続きを進められる可能性があります。
空き家売却では、
「いくらで売れるか」
だけでなく、
「いつ売れるか」
も重要な条件です。
3.家財が残っている場合は「そのまま売れるか」を確認する
相続した実家では、
・家具
・家電
・食器
・衣類
・布団
・本
・農機具
・物置の荷物
などが大量に残っていることがあります。
所有者が遠方に住んでいる場合、家財整理だけでも大きな負担になります。
仲介の場合、一般の購入希望者へ引き渡す前に、売主側で家財を撤去することが基本となるケースが多くあります。
一方、買取では、不動産会社によっては家財を残した状態で購入できることがあります。
例えば、
家財処分費 50万円
買取価格 900万円
と、
家財処分後の買取価格 950万円
だった場合、
自分たちで時間と手間をかけて片付けても、最終的な手取り額がほとんど変わらないことがあります。
そのため、家財を先に処分するのではなく、
「残置物ありの場合はいくらか」
「片付けた場合はいくらか」
を両方確認してから判断する方法もあります。
4.古い建物や修繕が必要な空き家では買取が合うこともある
築40年、50年と経過した空き家では、
・雨漏り
・床の劣化
・給湯器の故障
・水回りの老朽化
・シロアリ被害
・外壁や屋根の傷み
・耐震性への不安
などが見つかることがあります。
一般の購入希望者にとって、購入後にどの程度の修繕費が必要になるのか分からない物件は、購入判断が難しくなります。
そのため、仲介で売却する場合、
・建物状況を詳しく調べる
・一部修繕を行う
・価格を調整する
・古家付き土地として販売する
などの対応が必要になることがあります。
一方、買取業者は改修や解体を前提として購入することがあるため、建物の状態が悪くても検討できる場合があります。
ただし、
「古い家だから買取しかない」
と最初から決める必要はありません。
築年数が古くても、
・立地がよい
・駐車場が確保できる
・建物の維持状態がよい
・リノベーション需要がある
・土地として需要がある
場合は、仲介で買主が見つかる可能性があります。
5.仲介では内覧対応が発生する
仲介で売却する場合、購入希望者による内覧が行われることがあります。
空き家であれば所有者が毎回立ち会う必要がない場合もありますが、
・鍵の管理
・室内の整理
・清掃
・換気
・購入希望者からの質問への回答
などが必要になります。
特に遠方に住んでいる所有者の場合、
「内覧のたびに実家へ行かなければならないのか」
と不安になることがあります。
不動産会社へ鍵を預けて内覧対応を任せられる場合もあるため、査定時に確認しておきましょう。
一方、買取の場合は、一般の購入希望者を何組も案内する必要はありません。
そのため、
・近所に売却活動を知られたくない
・何度も内覧対応したくない
・室内を公開したくない
という方にとっては、買取の方が負担を抑えられる場合があります。
6.仲介手数料だけでなく「最終的な手取り額」で比較する
売却方法を比較する際は、提示された価格だけで判断しないことが重要です。
例えば、
仲介で1,500万円
買取で1,250万円
という査定結果だったとします。
数字だけを見ると、仲介の方が250万円高く見えます。
しかし、仲介では状況によって、
・仲介手数料
・家財処分費
・測量費
・修繕費
・解体費
・売却までの固定資産税や管理費
・遠方からの交通費
などが発生する可能性があります。
一方、買取では、
・家財を残したまま
・修繕しない
・測量条件を調整する
などの条件で購入してもらえることがあります。
そのため、
売却価格
ではなく、
売却価格 - 売却までに必要な費用 = 最終的な手取り額
で比較することが重要です。
さらに、売却までにかかる時間や家族の負担も含めて判断します。
7.「仲介で一定期間売り、売れなければ買取」という方法もある
仲介か買取かを、最初から完全に二者択一にする必要はありません。
例えば、
「まず3か月間は仲介で売却してみる」
という方法があります。
その期間で購入希望者が見つからなければ、
・価格を見直す
・販売方法を変える
・他社へ相談する
・買取へ切り替える
という判断をします。
この方法であれば、
「できれば高く売りたい」
という希望と、
「いつまでも売れないのは困る」
という希望の両方を考慮できます。
大切なのは、最初に期限を決めることです。
例えば、
「半年以内に実家を整理したい」
という目標があるのであれば、
最初の3か月は仲介
↓
反響を確認
↓
価格または販売方法を見直す
↓
5か月目までに売れなければ買取を比較
というスケジュールを作ることもできます。
仲介が向いている可能性が高いケース
次のような場合は、仲介から検討する価値があります。
・できるだけ高く売りたい
・売却を急いでいない
・建物の状態が比較的よい
・住宅需要がある地域
・土地として需要がある
・家財整理ができる
・内覧対応が可能
・価格調整をしながら売却活動を続けられる
買取が向いている可能性が高いケース
次のような場合は、買取も積極的に比較してみましょう。
・できるだけ早く売却したい
・遠方で管理が難しい
・建物の劣化が進んでいる
・家財が大量に残っている
・売却活動の手間を減らしたい
・近所に知られず売却したい
・相続人間で早く精算したい
・仲介で長期間売れていない
「買取保証」という方法もある
不動産会社によっては、一定期間仲介で販売し、その期間内に売れなかった場合、あらかじめ決めた条件で不動産会社が買い取る「買取保証」を設けていることがあります。
例えば、
仲介での売出価格 1,500万円
一定期間売れなかった場合の買取価格 1,100万円
というように、売却の期限と最低限の出口をあらかじめ設定する方法です。
ただし、
・どの物件でも利用できるわけではない
・買取価格の条件
・販売期間
・価格変更の条件
などは会社によって異なります。
利用する場合は、条件を書面で確認しましょう。
複数の会社へ買取価格を聞いてもよい?
買取の場合も、一社だけで決める必要はありません。
不動産会社によって、
・再販売が得意な地域
・リフォームのノウハウ
・土地としての販売力
・活用方法
・取得後の事業計画
が異なるため、買取価格にも差が出ます。
例えば、
A社 900万円
B社 1,050万円
C社 1,200万円
ということもあります。
ただし、価格だけでなく、
・家財を残せるのか
・測量は必要か
・契約条件はどうなるか
・引渡し時期はいつか
・売主側で必要な作業は何か
まで比較します。
高い金額を提示されたとしても、後から費用や条件が追加されれば、結果的に手取り額が下がる可能性があります。
査定時に聞いておきたい8つの質問
仲介と買取を比較するときは、不動産会社へ次の質問をしてみてください。
1.仲介の場合の想定成約価格はいくらですか
2.仲介の場合、売却までどの程度の期間を想定していますか
3.買取の場合はいくらになりますか
4.家財を残した状態でも売却できますか
5.修繕やリフォームは必要ですか
6.建物を解体した方がよいですか
7.それぞれの場合の最終的な手取り額はいくらですか
8.仲介で売れなかった場合、次にどの方法がありますか
この8つを確認することで、単純な査定額の比較ではなく、自分たちの状況に合った売却方法を考えやすくなります。
一番大切なのは「何を優先するか」を決めること
仲介と買取で迷ったら、最初に家族で優先順位を決めてみましょう。
例えば、
第1優先 できるだけ高く売りたい
第2優先 1年以内に売りたい
第3優先 家財整理の負担を減らしたい
という家庭もあります。
一方、
第1優先 3か月以内に整理したい
第2優先 遠方なので手間をかけたくない
第3優先 価格は多少下がってもよい
という家庭もあります。
同じ空き家でも、所有者の事情によって最適な方法は変わります。
「一番高く売れる方法」だけではなく、
「自分たちにとって最も負担が少なく、納得できる方法」
を考えることが重要です。
まとめ
相続した実家や空き家を売却する場合、仲介と買取にはそれぞれ特徴があります。
判断する際は、次の7つを比較しましょう。
1.売却価格を優先するか
2.売却までのスピードを優先するか
3.家財を残したまま売却したいか
4.建物の状態に問題があるか
5.内覧や売却活動に対応できるか
6.最終的な手取り額はいくらか
7.仲介から買取へ切り替える期限を決めるか
「高く売りたいから仲介」
「早く売りたいから買取」
という単純な判断だけではなく、
価格・期間・費用・手間を合わせて比較することが大切です。
特に空き家の場合は、売却までの間も固定資産税や管理、草刈り、修繕などの負担が続きます。
査定を受ける際は、仲介による想定価格だけでなく、
「買取ならいくらになるのか」
「どのくらいの期間で売れそうか」
「家財や修繕を含めた最終的な手取りはいくらか」
まで確認してみてください。
株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら、今後の方針を整理しています。
売却を決めていない段階でもご相談いただけます。
空き家相談専用ページはこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/
※本コラムは、空き家・相続不動産の仲介、買取、売却方法について一般的な情報をまとめたものです。実際の査定価格、買取条件、売却費用、契約内容、税務上の取扱いなどは物件や取引条件によって異なります。具体的な判断については、不動産会社、司法書士、税理士などの専門家へご確認ください。


