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空き家の査定は何社に頼むべき?高い査定額だけで不動産会社を選ばないための7つのポイント

伊藤友佑

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相続した実家や、長期間使っていない空き家を売却しようと考えたとき、

「査定は1社だけでよいのか」
「何社くらい比較すればよいのか」
「一番高い査定額を出した会社に任せればよいのか」

と迷う方は少なくありません。

不動産会社によって査定額に差が出ることは珍しくありません。

例えば、同じ空き家でも、

A社 1,200万円
B社 1,450万円
C社 1,700万円

といった査定結果になることがあります。

この場合、1,700万円を提示したC社が最もよい会社だと思いたくなります。

しかし、査定額は「その金額で必ず売れる」という保証ではありません。

空き家の売却では、査定額そのものよりも、

「なぜその価格になるのか」
「誰に、どのように売るのか」
「売れなかった場合はどうするのか」

まで確認することが重要です。

今回は、空き家の査定を依頼する際に確認したい7つのポイントを解説します。

1.査定は2~3社程度を比較する



空き家の売却を具体的に考えている場合は、1社だけではなく、複数の不動産会社から話を聞いてみることをおすすめします。

目安としては、まず2~3社程度で十分です。

多くの会社へ一度に査定を依頼すればよいわけではありません。

5社、10社と増やすと、

・各社への説明
・電話やメールへの対応
・訪問査定への立ち会い
・査定内容の比較

だけでも大きな負担になります。

重要なのは査定会社の数ではなく、提示された価格の根拠を比較することです。

また、査定する会社にも違いがあります。

例えば、

・地域の中古住宅に強い会社
・土地売却に強い会社
・空き家や相続不動産を多く扱う会社
・収益物件を扱う会社
・不動産買取を中心とする会社

などです。

同じ不動産でも、会社によって想定している購入者が異なるため、査定結果にも差が出ることがあります。

2.査定額と売却価格は同じではない



査定で最も誤解されやすいのが、

「査定額=売れる価格」

と考えてしまうことです。

不動産会社の査定額は、周辺の取引事例、土地や建物の条件、市場動向などから算出した売却価格の目安です。

実際の売却価格は、買主との交渉によって決まります。

例えば、1,500万円という査定を受けても、

1,500万円で販売開始

問い合わせが少ない

1,400万円へ変更

買主から1,300万円の購入申込み

1,350万円で合意

ということもあります。

反対に、需要が高い物件であれば、想定以上の価格で成約することもあります。

査定額を見る際は、

「いくらで売り出すか」

だけでなく、

「最終的にどの程度で成約すると考えているのか」

まで確認することが重要です。

3.高い査定額には理由を聞く



複数の査定結果の中で、一社だけ突出して高い場合は、その理由を確認します。

例えば、

A社 1,300万円
B社 1,350万円
C社 1,800万円

であれば、

「なぜ他社より400~500万円高く評価しているのですか?」

と聞いてみましょう。

明確な理由として、

・近隣で最近高値の成約事例がある
・土地として特定の需要がある
・事業用として利用できる
・隣接所有者からの需要が見込める
・建物の状態が良く中古住宅として評価できる

などが説明されるのであれば、検討する価値があります。

一方、

「まずは高く出してみましょう」
「このくらいでも売れると思います」

という説明だけであれば注意が必要です。

売却依頼を受けるために高めの査定額を提示し、後から段階的な値下げを提案されるケースも考えられます。

査定額の高さより、数字の根拠を確認することが重要です。

4.「売れない理由」まで説明してくれる会社を選ぶ



査定の際、多くの所有者が聞きたいのは、

「いくらで売れますか?」

ということだと思います。

しかし、空き家の場合は、

「この物件のどこが売却の障害になりそうですか?」

という質問も重要です。

例えば、

・接道条件
・境界が未確定
・建物の老朽化
・雨漏り
・残置物
・駐車場不足
・土地の形状
・擁壁
・上下水道
・共有名義
・未登記建物
・越境

などが売却に影響することがあります。

良いことだけを説明する会社より、

「この部分は売却時に問題になる可能性があります」

と事前に伝えてくれる会社の方が、売却後のトラブルを防ぎやすくなります。

空き家の査定では、価格だけでなく、問題点を洗い出すことも大きな目的です。

5.建物を残す場合と解体する場合を比較する



築年数の古い空き家では、

「建物を解体してから売った方がよい」

と言われることがあります。

しかし、必ずしも先に解体する必要はありません。

査定時には、

・古家付き土地として売る場合
・建物を利用できる中古住宅として売る場合
・売買契約後に解体する場合
・先に解体して更地として売る場合

を比較します。

例えば、

古家付き土地としての想定成約価格 1,000万円
解体後の土地としての想定成約価格 1,200万円
解体費 250万円

だった場合、単純に考えると、250万円を使って200万円価格が上がるだけでは売主の手取りは増えません。

もちろん、売却期間や建物の危険性なども含めて判断する必要があります。

重要なのは、

「解体すれば高く売れるか」

ではなく、

「解体費を負担した結果、最終的な手取り額が増えるか」

という視点です。

6.仲介と買取の両方を確認する



空き家を売却する方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」があります。

仲介



不動産会社が広告などを行い、一般の購入希望者を探す方法です。

時間はかかる可能性がありますが、市場価格に近い条件で売却できる可能性があります。

買取



不動産会社や買取事業者が直接購入する方法です。

一般的には仲介による売却より価格が低くなる傾向がありますが、

・早く現金化したい
・家財を残したまま売りたい
・建物の状態が悪い
・何度も内覧対応したくない
・遠方に住んでいる

といった場合には有効な選択肢になることがあります。

査定を依頼する際は、

「仲介ならどの程度か」
「買取ならどの程度か」

の両方を確認してみると、選択肢を比較しやすくなります。

価格だけでなく、売却までに必要な期間や、売主側の負担まで含めて考えることが重要です。

7.売却以外の選択肢も説明してもらう



空き家の査定を依頼したからといって、必ず売却する必要はありません。

査定結果を確認した結果、

「この価格なら急いで売る必要はない」

という判断になることもあります。

その場合は、

・住宅として貸せないか
・事業者へ貸せないか
・店舗や事務所として使えないか
・宿泊施設などに活用できないか
・一定期間管理して保有できないか
・解体して別用途に使えないか

といった方法も検討します。

特に、売却価格が低い地方の空き家では、

「安く売るくらいなら活用したい」

と考える所有者もいます。

ただし、活用には改修費や管理費、許認可、運営負担が発生します。

そのため、

売却した場合の手取り
賃貸した場合の収支
活用した場合の初期費用
保有した場合の年間維持費

を同じ条件で比較することが重要です。

査定を受ける前にリフォームや片付けは必要?



基本的には、査定前に高額なリフォームや家財処分を行う必要はありません。

家具や家電が残っている状態でも、査定は可能です。

むしろ先に費用をかけてしまうと、その費用を売却価格で回収できない可能性があります。

まず現状のまま査定を受け、

・片付ける必要があるか
・修繕した方がよいか
・そのまま売れるか
・買主負担で処分できるか
・建物を解体する可能性があるか

を確認してから判断します。

ただし、現地確認の妨げになるほど荷物が多い場合は、最低限の通路を確保するなどの整理が必要になることがあります。

査定時に聞いておきたい10の質問



不動産会社へ査定を依頼する際は、次の質問をしてみてください。

1.査定額の根拠となった成約事例は何ですか

2.売出価格はいくらを想定していますか

3.実際の成約価格はいくらくらいになると考えていますか

4.どのような買主を想定していますか

5.この物件の売りにくい部分はどこですか

6.建物は残した方がよいですか、解体した方がよいですか

7.家財は残したまま売却できますか

8.売却までどの程度の期間を想定していますか

9.仲介と買取では価格がどの程度変わりますか

10.売却しない場合、ほかにどのような活用方法がありますか

この質問に対して、具体的な根拠を持って説明できるかを見ることで、不動産会社を比較しやすくなります。

「査定無料」の後に何があるかも確認する



不動産会社の売却査定は、無料で行われることが一般的です。

ただし、査定後に、

「売却する場合、どのような契約になるのか」

は確認しておきましょう。

売却を依頼する際には、不動産会社と媒介契約を締結します。

媒介契約には主に、

・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約

があります。

それぞれ、不動産会社との契約関係や他社への依頼可否などが異なります。

査定を受けたからといって、その場で媒介契約を締結する必要はありません。

査定内容を家族で確認し、納得した会社を選んでから依頼しても問題ありません。

査定を受ける目的を最初に決める



空き家の査定というと、売却価格を確認するものと思われがちです。

しかし、実際には目的によって確認すべき内容が変わります。

例えば、

「できるだけ高く売りたい」

のであれば、一般の買主を対象とした仲介を中心に検討します。

「半年以内に整理したい」

のであれば、価格だけでなく売却期間を重視します。

「遠方なので手間を減らしたい」

のであれば、家財処分や管理まで含めて比較します。

「売るか貸すか迷っている」

のであれば、査定額だけでなく想定賃料も確認します。

「親から相続する前に知っておきたい」

のであれば、まず大まかな価値と権利関係を整理します。

査定を依頼する際に、

「何のために価格を知りたいのか」

を不動産会社へ伝えることで、より具体的な提案を受けやすくなります。

まとめ



空き家の査定は、1社だけの数字を見て判断するのではなく、2~3社程度の説明を比較することをおすすめします。

特に確認したいのは、次の7点です。

1.複数社の査定を比較する
2.査定額と実際の売却価格を分けて考える
3.高い査定額には根拠を確認する
4.物件の問題点も説明してもらう
5.建物を残す場合と解体する場合を比較する
6.仲介と買取の両方を確認する
7.売却以外の選択肢も比較する

最も高い査定額を提示した会社が、必ず最もよい不動産会社とは限りません。

空き家の売却では、

「いくらで売れそうか」

だけでなく、

「なぜその価格なのか」
「誰に売るのか」
「いくら手元に残るのか」
「売れなかった場合はどうするのか」

まで説明してもらうことが重要です。

査定は、売却を決めた人だけが利用するものではありません。

売却するか、賃貸するか、管理するか、解体するか、活用するか。

その判断をするための最初の情報収集として活用してみてください。

株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら、今後の方針を整理しています。
売却を決めていない段階でもご相談いただけます。

空き家相談専用ページはこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/

※本コラムは、空き家や相続不動産の査定・売却に関する一般的な考え方をまとめたものです。査定額、売却方法、必要な手続き、税務上の取扱いなどは、物件や所有関係によって異なります。具体的な判断については、不動産会社、司法書士、税理士などの専門家へご確認ください。

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伊藤友佑
専門家

伊藤友佑(不動産業)

株式会社Blue Key

空き家や相続不動産の相談窓口として、売却や賃貸、活用など幅広い選択肢を提案。大手企業での実務経験や商工会議所での創業支援経験を生かし、地域の専門家と連携しながら依頼者を多角的にサポートします。

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