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実家じまいで売却前にリフォームは必要?空き家にお金をかける前に確認したい7つのこと

伊藤友佑

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相続した実家を売却しようと考えたとき、

「古い家なので、リフォームしないと売れないのではないか」
「水回りを新しくすれば、高く売れるのではないか」
「見栄えを良くしてから査定を頼んだ方がよい」

と考える方は少なくありません。

確かに、建物の印象を整えることで、購入希望者が検討しやすくなる場合はあります。

しかし、売却前に高額なリフォームを行っても、工事費を売却価格へそのまま上乗せできるとは限りません。

買主が自分の好みに合わせて改修したい場合、売主が行ったリフォームが評価されないこともあります。

実家じまいでは、最初から工事を行うのではなく、建物の状態、地域の需要、想定する買主、売却方法を整理してから判断することが重要です。

今回は、空き家を売却する前にリフォームするべきか迷ったときの考え方を解説します。

結論は「リフォーム前に査定と建物確認を行う」



空き家を売却する可能性がある場合、最初に行うべきなのはリフォーム会社への見積もり依頼ではありません。

まずは不動産会社へ現状のまま査定を依頼し、次の点を確認します。

* 中古住宅として売却できる状態か
* 古家付き土地として売る方がよいか
* 建物を利用したい買主が想定されるか
* 土地としての需要が中心なのか
* 修繕によって売却条件が改善するか
* 現状のまま購入する買主がいるか
* 解体も含めて比較する必要があるか

必要に応じて、建築士などによる建物状況調査、いわゆるインスペクションを検討します。

国土交通省も、インスペクションによって建物の現在の状態を把握することは、売却後のトラブルを避けたり、修繕やリフォームの必要性を検討したりする際の参考になると案内しています。

ただし、インスペクションは建物に一切不具合がないことを保証するものではありません。目視や計測を中心に、調査時点で確認できる劣化状況を調べるものです。

1.「売るための工事」と「住み続けるための工事」は違う



自分や家族が今後も住み続ける住宅であれば、使いやすさや好みに合わせてリフォームできます。

一方、売却する住宅では、誰が購入するか分かりません。

例えば、売主が高額な費用をかけて、

* システムキッチンを交換する
* 浴室を新しくする
* 壁紙や床を全面的に変更する
* 和室を洋室へ変更する
* 外壁を好みの色に塗り替える

といった工事をしても、買主の希望に合うとは限りません。

購入後に間取りを変更したい人にとっては、売主が行った内装工事を再び撤去することになる場合もあります。

売却前の工事は、見た目を新築のようにすることではなく、購入希望者が建物を安全に確認し、利用方法を判断できる状態にすることが目的です。

2.清掃とリフォームを分けて考える



リフォームを行わなくても、最低限の清掃や整理によって物件の印象を改善できる場合があります。

例えば、次のような対応です。

* 室内の不用品を減らす
* 玄関や窓を清掃する
* 庭の雑草を刈る
* 郵便物やごみを撤去する
* 切れた照明を交換する
* カーテンを開けて室内を明るくする
* 臭いやカビの原因を確認する
* 水回りを簡易清掃する
* 壊れた家具や家電を撤去する

家財が大量に残っている場合でも、すべてを処分する必要があるとは限りません。

室内の広さ、水回り、床、壁、収納などを確認できる程度に整理するだけでも、内覧時の印象は変わります。

数百万円規模のリフォームを行う前に、数万円から対応できる清掃や小規模な整理で十分ではないかを検討します。

3.先に直した方がよい不具合もある



売却前のリフォームが必ず不要というわけではありません。

建物の安全性や、周囲への影響に関わる不具合については、早めに対応した方がよい場合があります。

例えば、次のような状態です。

* 屋根材や外壁が落下するおそれがある
* 雨漏りが進行している
* 水道管から漏水している
* 窓ガラスや玄関の鍵が壊れている
* 床が抜けるおそれがある
* 庭木が隣地や道路へ越境している
* 害虫や動物が侵入している
* 電気設備に危険がある

こうした不具合を放置すると、売却以前に、建物の劣化や近隣トラブルが進む可能性があります。

ただし、大規模な修繕を始める前に、

* 修繕して建物を残す
* 現状で売却する
* 買主負担で修繕する
* 解体して土地として売却する

という選択肢を比較する必要があります。

4.リフォーム費用を売却価格へ上乗せできるとは限らない



例えば、売却前に300万円のリフォームを行ったとしても、物件が300万円以上高く売れるとは限りません。

購入希望者が評価するのは、リフォーム費用そのものではなく、

* 立地
* 土地の広さ
* 建物の状態
* 駐車場
* 間取り
* 日当たり
* 周辺環境
* 将来の維持費
* 自分の希望に合っているか

といった物件全体の条件です。

工事費をかけすぎると、売却価格が上がっても、売主の手元に残る金額は減る可能性があります。

売却前に工事を行う場合は、次のように計算します。

リフォーム後の想定売却価格
-リフォーム費用
-売却までに発生する管理費や税金
=売主の想定手取り額

現状売却の場合と比較し、手取り額や売却期間がどの程度変わるのかを確認します。

5.リフォームが有効になりやすい空き家



次のような物件では、一定の修繕やリフォームが売却に有効な場合があります。

* 建物の構造状態が比較的良い
* 軽微な修繕で入居できる
* 中古住宅としての需要がある地域
* 購入希望者が住宅ローンを利用しやすい状態
* 水回りなど一部の不具合が購入判断を妨げている
* 工事費に対して売却価格の改善が見込める
* 競合する中古住宅との差別化が必要
* 売却までの時間と工事資金に余裕がある

例えば、室内全体を新しくするのではなく、

* 雨漏りの補修
* 給湯器など故障設備の交換
* 危険な部分の修繕
* 壁紙の部分補修
* ハウスクリーニング
* 庭や外構の整理

など、購入判断を妨げている部分だけを改善する方法があります。

重要なのは、工事業者へ「どこまできれいにできるか」を聞くことではなく、不動産会社へ「どの工事が売却条件の改善につながるか」を確認することです。

6.現状のまま売った方がよい空き家



次のような場合は、高額なリフォームを行わず、現状のまま売却する方が適している可能性があります。

* 建物の老朽化が著しい
* 買主が解体を前提としている
* 土地としての需要が中心
* 買主が自分で全面改修したい
* 売主が工事資金を用意できない
* 売却を急いでいる
* 工事中も固定資産税や管理費がかかる
* リフォーム費用を回収できる見込みが低い

現状売却には、主に次の方法があります。

古家付き土地として売る



建物を残したまま、土地を中心に販売する方法です。

買主が建物を利用するか、購入後に解体するかを判断できます。

現状有姿で売る



把握している建物の状態や不具合を説明し、現在の状態を前提に売買条件を調整します。

ただし、「現状有姿」と記載すれば、売主が知っている不具合を説明しなくてもよいという意味ではありません。

不動産会社などに買い取ってもらう



仲介による一般的な売却より価格が低くなる傾向がありますが、リフォームや家財処分を行わず、早期に売却できる可能性があります。

7.不具合を隠すためのリフォームは行わない



売却前に内装を新しくすると、壁紙や床の下にあった雨漏り跡、腐食、カビなどが見えなくなることがあります。

不具合を把握しているにもかかわらず、買主へ説明せずに表面だけを修繕すると、引き渡し後のトラブルにつながる可能性があります。

売買の目的物が契約で定めた内容に適合していない場合、買主から修補や代金減額などを求められる可能性があります。どこまで責任を負うかは、物件の状態や契約内容によって異なります。

雨漏り、シロアリ、建物の傾き、給排水設備の故障など、売主が把握している事項は、不動産会社へ正確に伝える必要があります。

リフォームの目的は不具合を隠すことではなく、必要な修繕を行い、その内容と建物の状態を買主へ分かりやすく伝えることです。

工事を行った場合は記録を残す



売却前に修繕やリフォームを行った場合は、次の資料を保管します。

* 見積書
* 工事請負契約書
* 請求書、領収書
* 工事前後の写真
* 使用した製品や設備の資料
* 保証書
* 工事を行った会社の連絡先
* 修繕した部分と原因の説明

例えば、雨漏りを補修した場合は、単に天井の壁紙を張り替えただけなのか、屋根や防水部分まで修理したのかによって意味が異なります。

工事内容を確認できる資料があれば、購入希望者へ説明しやすくなります。

リフォームするか判断する順番



空き家を売る前に工事を検討する場合は、次の順番で進めます。

1. 土地と建物の名義を確認する
2. 室内の貴重品や重要書類を取り出す
3. 現状のまま不動産査定を受ける
4. 建物の利用価値と土地需要を確認する
5. 必要に応じてインスペクションを行う
6. 安全上必要な修繕を整理する
7. 工事前後の想定売却価格を比較する
8. 工事費、管理費、売却期間を含めて手取り額を計算する
9. 現状売却、修繕後の売却、解体を比較する
10. 方針を決めてから工事を発注する

工事を始めた後に、買主が建物を解体する予定だったと分かっても、費用を取り戻すことはできません。

実家じまいでは、まず出口を決め、その出口に必要な範囲だけ整えるという順番が重要です。

まとめ



空き家を売却する前に、必ずリフォームする必要はありません。

高額な工事をしても、その費用を売却価格へ上乗せできるとは限らず、買主の希望に合わない場合もあります。

判断する際は、次の7点を確認しましょう。

1. 現状のまま中古住宅として売れるか
2. 土地としての需要が中心ではないか
3. 清掃や整理だけで印象を改善できないか
4. 安全面から早急な修繕が必要か
5. 工事費以上に売却条件が改善するか
6. 現状売却や買取という選択肢があるか
7. 把握している不具合を適切に説明できるか

リフォームすること自体を目的にせず、売却、賃貸、活用、解体など、実家の今後の方針に合った費用のかけ方を選ぶことが重要です。

株式会社Blue Keyでは、宮城県内の空き家・相続不動産について、売却・賃貸・管理・解体・活用を比較しながら、今後の方針を整理しています。
売却を決めていない段階でもご相談いただけます。

空き家相談専用ページはこちら
https://www.bluekey-sendai.com/akiya/

※本コラムは、空き家の売却前に行う修繕やリフォームに関する一般的な情報をまとめたものです。建物の状態、契約条件、売主の責任、必要な調査や工事は物件ごとに異なります。具体的な判断については、不動産会社、建築士、弁護士などの専門家へご確認ください。

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伊藤友佑
専門家

伊藤友佑(不動産業)

株式会社Blue Key

空き家や相続不動産の相談窓口として、売却や賃貸、活用など幅広い選択肢を提案。大手企業での実務経験や商工会議所での創業支援経験を生かし、地域の専門家と連携しながら依頼者を多角的にサポートします。

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