あなたらしく
いろんな地域のいろんな事業所さんに関わらせてもらっていると、つくづく
「価値観って、本当に人によって違う」
ということを実感します。
お話しさせてもらっていても、
みなさん「価値観は人それぞれ違う」ということは認識されていますし、
仲間を尊重しようと思っているのがわかります。
それでも、「これは常識・当たり前・普通でしょ」
っておっしゃいます。
例えば、
「残業せず定時で帰りなさい」と日ごろ指導している管理職の方が、終業時間間際に、
「今日中にこの資料作っておいて」と部下に指示します。
指示を受けた部下は、「残業になってしまうので、明日でいいですか?」と確認しました。
上司は、「仕事なんだから、残業してでもやるのが当たり前でしょ」と言い放ちます。
日ごろから「残業ゼロ」でお仕事をしている部下からすれば、
残業しないことが「普通」です。
上司からすれば、
指示された業務を期限内に仕上げることが「普通」であり、
そのために残業になるのは許容範囲内だということも「普通」。
どっちが間違っているわけでもないのに、
部下からすれば
「普段言ってることと違うじゃないか」
と、上司への不信感になりますし、
上司からすれば
「たまに残業になるだけなのに、仕事を放棄するなんて、ヤル気がない」
と部下を断罪することになります。
どっちかが間違ったことを言っているわけではないのに、関係性が悪くなります。
伝え方と受け取り方の問題です。
上司は
「いつも残業しないように言ってるんだけど、どうしても今日必要な急ぎの書類なので、やってもらいたいけど、いいかな?」
という感じで伝えれば気持ちよくやってくれたかもしれません。
部下は
「急ぎの仕事なんですね」と一旦受け取ってあげて、
「前もってわかっていたらよかったんですが、急なので残業するのが難しいんですが、何か他に方法ないですか?」
という感じで返せば、気持ちを汲み取り、代替案を考えてくれたかもしれません。
「これが当たり前でしょ」というスタンスの伝え方や受け方は、相手の納得感がなくなってしまいます。
自分にとっては当たり前だと思うけど、相手は違うかも、というスタンスで伝える・聴くをすると、無用なトラブルを避けられます。