出張先での出来事
年に2回くらいだったか、住んでいる賃貸マンションの火災報知器等の点検があります。
毎回、作業される方が居室内で点検されるので、
そのタイミングで自宅にいないといけない。
正直なところ、共働きの夫婦としてはなかなか厳しいんですが、
いつも妻がうまく調整してくれています。
以前、出かけようとバイク駐輪場に行くと、
見慣れない車が停まっていて、男性2人が何か機械を車から降ろしていました。
その様子から、火災報知器の点検だとピンときた。
妻は出かけているし、今日が点検だということを忘れていたらしい。
私も出かけたいんだけど、せっかく来てくれているし、
別日で再調整となるとお互い面倒だし、立ち合おうか。
とはいえ、普通に自宅で待っていたのでは、何番目に訪問してくれるかわからないので、ダメ元で声をかけてみる。
「出かけるところだったので、できれば最初のほうに来てもらえたら助かるんですが」
すると、点検員さんもそのほうが助かるとのこと。
自宅に戻り、一番に点検に来てもらう。
黙って、作業が終わるのを待てばいいものを、つい癖が。
「いつもありがとうございます。毎回点検に来られて、大変な時ってありますか?」
って聴いてみた。
すると、堰を切ったようにお話しされる。
「作業自体は簡単なんですけど、こうやっておうかがいしても、半数くらいのお宅は不在なんで、また日程調整し直して、何度も同じマンションに来ないといけないのが、ツライですかね」
と。それを聴いて、
「そうなんですね・・・そういう時って、どんな気持ちになるんてすか?」
とさらに聴いてみる。
「1回で済まないから、休みもとれないって感じですよ。あっ、ごめんなさい、愚痴ってしまって」
私
「いいんですよ。休みもとれないくらい訪問してもらってるんですね。ありがとうございます。逆に、このお仕事をしていて、良かった時って、どんな時ですか?」
と、もっと聴いてみた。
点検員さん
「今ですよ!話を聴いてもらって、なんだかうれしくなりました。ありがとうございます」
と、笑顔で次のお宅に行かれました。
出かける直前で、ほんとは早く出かけたかったんですが、
どうせ同じ立ち会うなら、楽しんだほうがいい。
そんな思いで、ちょっと質問しただけですが、
点検員さんに笑顔になってもらえたし、私も気分良く出かけられる。
仕事でもなんでもそう。
お金のためだとか、義務だからとか、そう思って取り組むより、
気分が上がる捉え方をしたほうが、自分にも周りにもイイ