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コラム

ある喫茶店にて

2023年5月19日

テーマ:コーチングコミュニケーション

コラムカテゴリ:ビジネス

「いつもの喫茶店」があちこちにあるんですが
そのうちの一つでの話。

いつものテーブル席に座ると、目の前のカウンター席に、80代くらいの女性が2人。

私はあまり見たことない女性ですが、常連さんらしく、マスターと親しげに談笑している。

心理学を学んでいる人「あるある」ですが、つい人間観察をしてしまう。

2人の女性のうち、1人(Aさん)が話す時間が9割、もう1人(Bさん)が話す時間が1割くらい。

どうも、話の流れ的に、

「Bさんが最近物忘れがひどく、少し気にされていて、Aさんがアドバイスしている」

ような感じらしい。

詳しい中身はわからないですが、Aさんがあれこれ次々とアドバイスしているものの、Bさんの返事は暗い。

すると、マスターが突然

「そういえば、あの兄ちゃん、人にいろいろアドバイスする先生やから、聴いてもらったらいいやん」

と、私をパーティーに加えてきた。

私にとって、訪問先へのイメージを作る大事な時間なのに、勘弁してよー。

とは思うものの、マスターもBさんのために振ってきたんだろうから、乗っかっておきますか。

「詳しく聴かせてください」と伝えると、

Bさんではなく、Aさんが話し始めたので、

「ごめんなさい、ご本人の口から聴きたいんです」

と、Bさんにしゃべってもらう。

聴けば聴くほど、ちょっと思うところが出てきた。

いわゆる、「あたりをつける」というやつ。

なので、こちらから誘導して気づかせるか、自分で気づいてもらうか考え、
とりあえず、ひたすら聴いてみた。

しばらく聴いていると、
「でも、まぁ、あれか、別に今悩まんでもいいことかな。そうやな。そうやわ」
やっぱり、自分で気づいた。

まだ起こってもいない、起こるかどうかもわからないことで不安になっていただけ。

私がやったのは、10分強話を聴いただけ。

平本さんなら1,2分で最短ルートを通るんだろうな、とか思いながら、
暗そうにしていたBさんが笑顔になってくれたので、まぁいいか。

この記事を書いたプロ

太田英樹

介護業界をコーチングコミュニケーションで幸せにするプロ

太田英樹(株式会社インサイトハウス)

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