状況判断と状況把握

太田英樹

太田英樹

テーマ:組織改革

私の趣味というか、決まった行動として、1日数回「喫茶店に行く」というのがあります。

妻からは「コーヒー飲むなら家で飲めばいいのに」と言われてしまうんですが、
ただコーヒーが飲みたいわけではなく、
私にとっては喫茶店という空間で一定時間過ごすことに意味があるんです。

個人的な感覚なので、理解してもらおうとは思わないですが、
25年以上続けているルーティンなので、私にとっては睡眠や食事と同じかそれ以上の生活に必要な行動です。

なので、自宅や職場周辺に行きつけのお店がいくつもあるのはもちろん、出張先や旅行先でも事前に喫茶店検索は欠かせません。

と、今回も前置きが長いですが、
喫茶店に限らず、多くの飲食店では、入店するとまずお水が出てきますよね。

それぞれの喫茶店で特徴的だなぁと感じたことがあります。

①出されたお水を、一口飲んだだけでも継ぎ足しに来てくれるお店もあれば、

②グラスが空になると注ぎに来てくれるお店もあり、

③こちらがお願いしたら来てくれるお店、

さらには、

④セルフ対応が暗黙の了解になっているお店もあります。

④はもうそのお店のルールなので、それはそれでいいんですが、

①②のお店と③のお店には明らかな違いがあります。

客席に意識が向いているかどうか。

③も、お店によっては「お客が言うまで対応しない」というルールの場合もあるので、その場合はいいんですが、

「あっ、ごめんなさい、話に夢中で気づきませんでした」ということもあります。

①②のお店は、常に意識が客席に向いています。

介護の業界でも、通所系や入所系では、「見守り」という大事な仕事があります。

知らない間に高齢者の方が立ち上がり、歩き出して、転倒してしまう、とか
意思表示がうまくできない高齢者が何か頼みたい時に気づいてあげられない、とか
体調の急変に気づかず、命に関わる事態になる、とか
そういうことを防ぐために、「見守り」が必要なわけですが、
それでも事故が起こり、事故報告書の「今後の対策」欄に「見守りの徹底」と書く。

その繰り返しが発生している現場も少なくないですよね。

①②の喫茶店の店員さんも、もちろん他の作業をしています。

じっと客席だけを見ているわけではありません。

でも、ちゃんと水を継ぎ足しに来てくれます。

それは、他の作業をしながらも、意識は客席に向いているから。

喫茶店や介護だけのことではないですが、状況判断というのは、「状況把握」ができてこそです。

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護・福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチング研修により、社内コミュニケーションを円滑化のみならず、人材定着率や利用者満足度を高め、事業の成長につなげます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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