講師という仕事をしているのは
研修講師として
午前中に、社員さん向けにコーチングコミュニケーションをお伝えする研修、
午後からは、コーチングそのものを学んでいただく研修のダブルヘッダー。
はじめましての皆さんの前で話す時は、必ず事前にみっちりと感情設計をします。
もともと、私なりに「うまく伝えるためのコツ」はありますが、
それに加えて感謝設計も取り入れてからは、講師としての納得感が格段に変わりました。
20年前に、初めて500人という大人数の前で講義をした時、
当時まだほとんど知られていなかった「認知症の方への寄り添いケア」、
認知症の方の世界観に寄り添ってケアすることが大事なんですよ、という話をした時に、
会場中が騒めき、あちこちからブーイングが起こりました。
「いちいち寄り添っていたら仕事にならない」
「現場の仕事を知らないんじゃないの?」
「机上の空論で偉そうなことを言うな!」
という声が飛んできたのを、今でも鮮明に覚えています。
今でこそ「寄り添いケア」は当たり前になっていますが、当時はまだまだ認知されていない時代。
私も間違ったことを言っているつもりはないし、聴講者の皆さんの気持ちも理解できる。
じゃあ、どう伝えれば伝わるのか、当時はそれを考えていなかった。
私にとっては、今でも思い出すと涙が出てきそうになる記憶、ある意味トラウマです。
だからこそ、「伝わる」にこだわった講義をするようになったし、20年間講師をしてこられたと思います。