写真を使うレク【高齢者施設・交流サロンのレクリエーション19】
以前高齢者施設の職員さんを対象とした研修会で、
「上手く行かなかった時にどうやって立ち直っていますか?」
というご質問をいただきました。
楽しいレクリエーションを企画しても、時には上手くいかないこともあるかもしれません。失敗したら落ち込むのはよくあることですが、何日も引きずるのはあまりいいことではありません。改善するべきことは改善しつつ、短い時間で気持ちを切り替えるためにできることをお話しします。
気持ちを引きずらず、改善点を見つけるためにできる3つのこと
私は高齢者施設を含め年間140日程度様々な場所を訪問しています。出番が終了するたびに、以下のことを心がけています。
・各回の内容や手応えについてノートに記録する
・全体の印象だけでなく、各演目についても手応えを記録する
・1回だけの印象で原因を特定しようと頑張り過ぎない(極度の自責・他責を避ける)
最近では、ノートとエクセルを併用して記録を行っています。
なぜこのようなことを行っているのか、行動経済学的な根拠を交えながら解説します。
1つ凄く嫌なことがあると、全体の印象も引っ張られがちに
通常1時間程度のレクリエーションでは、アイスブレークから終了まで何個かの内容を入れると思います。毎回の内容の記録を行う際には、1時間全体の印象だけでなく、個々の内容について、1つ1つ手応えを記録することがおすすめです。
なにか大きなミスをしたり、参加者に嫌な思いをさせてしまったりすると、その部分だけが強く記憶に残り、レクリエーション全体が大失敗で、全然あかん、と投げやりになってしまいがちです。もちろん、次に同じことを繰り返さないという意識を持つことはとても重要ですが、気持ちを引きずってしまうと、段々仕事を楽しめなくなってしまいます。
そんな気持ちになったときには、ぜひ各内容ごとに細かく手応えを記入してみてください。〇、△、×といった簡単な自己評価で構わないので、1こ1こ振り返ってみてください。
すると、すべてがダメダメということは滅多になく、計画通りにできていたこともたくさんあったことに気づくでしょう。そしてレクリエーションがとても上手く行った時の記録と見比べてみると、ダメなところは実は何か所かしかなかったことにも気づくと思います。
この気づきが重要です。上手く行かなかった場所を特定することにつながるだけでなく、何もかもダメダメではないと思えるようになると、何日も気持ちを引きずることがなくなります。
1時間のレクリエーションで1つの内容しか行わないこともあるかと思います。1時間で1つのクラフトを創作するといった場合です。その場合でも、
例えば、
・導入の説明
・作業そのものの難易度
・時間調整
・参加者とのコミュニケーションの取り方
といった細かい項目をチェックすることができます。
人は特に嫌な印象が記憶に残りやすく、全体の評価も、1個の嫌な印象に引っ張られてしまいがちです。それで落ち込んでしまっては身が持ちません。細かく手応えを記録することで、客観的な視点を取り戻す契機になりますので、もしよければ試してみてください。
1回限りで原因を特定することに固執しすぎない
上手く行かなかったことがあったら原因を見つけて改善することはとても大事ですが、早急に結論を出すことに固執しないことも大事です。
なにか不安なこと、嫌なことがあると、仮に正しくなかったとしてもその原因らしきものを見つけると安心する性質が人の心理に備わっています。しかし、無理にその場で結論を出そうとすると、「上手く行かないのは自分が人前に立つ素質がないからだ」など、極端な結論を出してしまうこともあります。参加者の機嫌を損ねる出来事があったとしても、もしかしたらその人がたまたま体調がすぐれずイライラしていただけかもしれません。
自責の念も辛いですが、「あの人は意地悪に違いない」という他責の念にかられるのはもっとよくありません。人間関係にひびが入ってしまいます。誰も幸せにならない考えが頭をよぎるくらいなら、いったん嫌なことは忘れて長い目で改善していくくらいの気持ちの方がよいこともあります。
ただ、同じような状況が5回も続くようだと、何かしら改善する必要がありそうなのは間違いありません。毎回の手応えを項目ごとに細かく記録していくと、ある種の統計データになりますので、本当の原因と改善策を見つけるのにも役立ちます。
私の行っている方法ですが、もしなにか一つでも参考になることがあれば嬉しいです。
猫のイラストは、こちらの著作権フリーサイトのものを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=1832666&word=%E8%90%BD%E3%81%A1%E8%BE%BC%E3%82%80%E7%8C%AB
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