「嫌なこと言われたらどうしよう…」への対処法【プレゼンに笑いをプラスするコツ9】
「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第38回です。前回に引き続き、プレゼンの本番に対するハードルを下げることについて考えてみたいと思います。今回はプレッシャーについてです。
「雰囲気に飲まれそう」を分解してみる
普段緊張しない人でも、大事なプレゼンの会場についた途端、雰囲気に飲まれ余計なプレッシャーを感じてしまうと言う経験がある人も多いと思います。普段と違うといつも通り平常心を保つのはなかなか難しいものです。雰囲気に飲まれるとよく言いますが、果たしてそれはいったいどのような状態なのか、もう少し分解してみたいと思います。
・大きな会場、多くの人の数に圧倒される
・プレゼンを厳しく吟味されるのではないかと不安になる
・格上の人と比較して自分が見劣りすることが頭をよぎる
雰囲気に飲まれそうと思った時には、上記の3つの少なくとも1つに該当するのではないでしょうか?しかし、もしかしたらプレッシャーから自分の頭の中で3つの不安を過大評価してしまっているかもしれません。自分が思っているほど心配しなくても大丈夫だということを1つずつ解説します。
1対大人数ではなく、1対1の関係が増えたと考える
文化ホールなどの大きな会場や多くの人が目の前にいると、大人数の視線を一手に引き受けることへプレッシャーを感じるかもしれません。しかし、実際にはお話を聞いてくれる人は全員で結託しているわけではなく、あくまで一人ひとり別の人です。そして、プレゼンの時だけ怖い人であることは滅多になく、ほとんどの人は普段接している時と同じようにいい人がほとんどです。1対大人数ですべてを背負うのではなく、日常会話と同じ1対1の関係が、いつもよりちょっと増えた、という心構えで挑んだ方が良いと思います。
そのように考えることで、プレゼンに限って特別なテクニックを使わなければならないと必要以上にプレッシャーに感じることが減るのではないでしょうか?逆に最近では多くの人から注目を集めるために、お話を聞いてくれる人、あるいはウェブ上で動画やブログを見てくれる人を煽ったりする場面も目立ちますが、1対1の関係の延長だと考えれば、決してそのような方法が得策ではないこともすぐに気づくと思います。
大半の人はいい人です
自分のプレゼンが厳しく吟味され、少しでも失敗したら容赦ない批判が飛んでくると心配になることも多いかもしれません。確かに企業で多額の金銭が動くような場面では、そのようなこともあるかもしれません。しかし、目の前でお話を聞いてくれる人は、ビジネスの場面では規律を持って行動していても、やはり皆さんと同じひとりの人であることは変わりません。嫌な人ももちろんいますが、大半の人はいい人です。プレゼンに限って徹底的にこき下ろしてやろうという人は少ないものです。むしろ、多少たどたどしくても応援してくれる人もたくさんいるのです。
第36回で、2:6:2の法則について取り上げました。会場には絶対に味方がいることをぜひ本番前に思い出してください。
ええかっこしぃは自滅の原因
上司や先輩にプレゼンが上手い人がいると、その人と比較して自分はみっともない思いをするのではないかと不安になる方も多いと思います。プレゼンとは違いますが、私も大道芸をやり始めたときにベテランの大道芸人が盛り上がっているのに自分は全然で落ち込むこともよくありました。
上手な人と比べて落ち込まないためにできることは、プレゼンの目的を思い出すことです。ビジネスなら自社の製品の魅力を伝える、行政の健康指導では、健康に良い習慣を取り入れたいと参加者に感じてもらう、その目的を最終的に達成していれば、極論を言えば、滑舌が悪くても、パワーポイントの順番を間違えても、プレゼンは一応の成功です。改善点に対するフィードバックは次回に反映していけば、いずれ上手な人と遜色ないプレゼンができるようになります。
他人の視線が気になって本番でしどろもどろになってしまう場合、背後に以下のような心理が潜んでいることが多いです。
・必要以上に自分を良く見せたいと思う
・誰かに褒められたいと思う
関西弁で言う所の「ええかっこしぃ」ですね。自分がよく見えるかどうかは、思っているほどみんな気にしていないものです。普段以上ではなく等身大の実力で、最終的にお話を聞いてくれる人の共感を得られることがプレゼンの目的であることを忘れなければきっとうまく行きます。
かく言う私も、誰もが知っている超有名政治家から直接パフォーマンスのご依頼をいただいたことがありましたが、その時は稀に見るグダグダな芸をお見せしてしまい、ええかっこしぃは簡単には克服できるものではないなと改めて思いました。「言うは易く行うは難し」で、私もまだまだ精進したいと思います。
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