声が小さいならマイクを使えばいい!でも使い方にコツがあります【プレゼンに笑いをプラスするコツ37】

田久朋寛

田久朋寛

テーマ:パワポ等の活用術(笑いあるプレゼン)



約1週間ぶりの更新になります。木曜深夜から土曜日にかけて新潟県を訪問し、新発田市周辺自治体の保健師の皆さんを対象とした講演会を行ってきました。地域の住民と直接触れ合う保健師の皆さんと、笑いを地域に広めていくためのヒントを少しでもシェアできれば何よりだと思っております。

今回は「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第37回です。マイクの使い方について少し触れてみたいと思います。田久画伯の芸術的なイラストとともに解説します。

全員が大きな声でハキハキ話せる必要はありません


大人数の前で話すことに自信のない方の中には、大きな声でハキハキしゃべることに対する苦手意識が強い方が多いのではないでしょうか?世に溢れるプレゼン指南書にも、常に笑顔で、お客さんの方に顔を向けて大きな声で話しましょう、と書いてあります。

それを実践できれば、明るくさわやかな印象を残せるのは間違いありません。でも、簡単にできないからこそ苦手意識があるのではないでしょうか?私の考えは非常にシンプルです。

・声量に自信がくてもマイクでちゃんと聞こえていれば十分である

です。大きな声で明るく話せるのが印象が良い場合ももちろんたくさんありますが、普段物静かな人がプレゼンに限って同じように振る舞わなければならないわけではありません。むしろ落ち着いている、まじめであるといった印象を与えた方が良い結果につながる場合も多々あるのです。蚊の鳴くような声ではさすがにまずいと思いますが、人生で培ってきた自分の性格とは真逆の振る舞いをするのは心に大きな負担がかかります。マイクなど使えるものは使って、伝えるべき内容を伝えられれば大成功だと私は考えます。

カラオケと同じようにマイクを持っていませんか?





プレゼンでのマイクの使い方について、少しだけポイントを紹介します。自分が話すとき、あるいは人の話を聞いている時に、こんな経験をしたことがないでしょうか?

・なんか息がこもって聞き取りにくいなあ…

もしかしたら、マイクの持ち方に原因があるかもしれません。

プレゼンでマイクをもって話をする時に、無意識でカラオケで歌う時と同じようにマイクをななめにもって話す人が多いと思います。通称「カラオケ持ち」と言って、決して悪い持ち方という訳ではありませんが、この持ち方だと、マイクの集音部分に息がかかってしまいます。これが、マイクを使っているのに息の音で声がなんとなくこもってしまう原因です。

息がこもらないようにするには、あごからこぶし1個分くらい離れた距離で、マイクを垂直に立てて持つようにするのがコツです。




テレビ番組や歌謡ショーのMCを見る機会があったら、マイクの持ち方を観察してみてください。全員この持ち方をしているはずです。声がよく聞こえるようにこのような持ち方をしています。それと、顔全体が観客から見えやすくなるという効果もあります。

またマイクの丸い部分が集音部分ですので、この部分を手で覆わないこと、口からマイクまでの距離はこぶし1個分くらいで、むやみにマイクを近づけたり遠ざけたりしないことも意識すると良いと思います。

実は偉そうに講釈を垂れている自分も、普段はピンマイクやヘッドセットマイクなどの手に持たないタイプのマイクを使っていますので、手持ちのマイクをたまに使うときに、無意識でカラオケ持ちになってしまうことがあります。コラムのご覧の皆さんも、何回か経験していくうちに意識しなくても持ち方を体で覚えていくと思いますので、マイクの持ち方にもちょっとだけ注意を払ってみてください。

ピンマイク音量調整時の注意





会場によっては手持ちのマイクではなくピンマイクを用意してくれることもあると思います。ピンマイクの音量チェックをする際に、1個だけ注意してほしいことがあります。

・音量確認をする際は、ピンマイクは必ず胸元につけた状態で行う

イラストのように、口元にマイクを持っていって音量を調整する光景を非常によく見かけます。しかし、本番ではピンマイクは胸元につけた状態で話しますので、口元に近づけた状態で音量チェックをしても大半の場合は音量が小さすぎるという結果になります。本番になって声が聞こえてないなと思って急に音量を上げると、この後取り上げる「ハウリング」という不快な状態を引き起こす原因にもなりますので、ピンマイクは必ず本番と同じく胸元につけた状態で音量確認をしてください。

スピーカーがキーンとなる不快な現象の原因と対策





マイクを使うときに、スピーカーからキーンと言う大きな不快な音が出ることがあります。この現象は「ハウリング」と呼ばれています。お話を聞いてくれる人に非常に不快な思いをさせますので、できれば避けたいものです。

ハウリングがなぜ起こるか、ごく簡単に説明します。ポイントは

・マイクとスピーカーが近すぎることが原因である

という点にあります。

当然ながらマイクで集音した音はスピーカーに出力されます。しかし、マイクが近いと、スピーカーから出ている音をマイクも集音します。そしてその音が再びスピーカーに出力されます。この状態が無限に繰り返されてしまい、スピーカーの限界を超えてしまうと、キーンという不快な音が出てしまうのです。

ですので、ハウリングを防ぐために重要なことは非常にシンプルです。

・スピーカーをマイクから離す
・スピーカーの近くでしゃべるときは、マイクをスピーカーの方に向けない
・ハウリングが発生したらマイクのスイッチを切ってスピーカーから離れる

この3つを意識するとハウリングが発生する確率をかなり減らすことができます。また、マイクを持って歩くときは、スピーカーのそばを通る時はいったんマイクのスイッチをオフにするとよいです。特にマイクの音量調整を自分でしようと思ってマイクを持ったままスピーカーに近づいてキーン、といった場面はマイクのスイッチを切ってさえいれば防げます。

また、ハウリングが発生した時には、マイクではなくスピーカー側の音量をいったんゼロに落とすことでも止めることができます。プレゼンに自分以外も同行する場合は、同行者にスピーカーのそばにいてもらい、すぐに音量調整をできるように待機してもらうのが良いと思います。本番でいっぱいいっぱいになっていると、ハウリングが発生してもとっさにマイクをのスイッチを切ることを思い出せないケースもあるかもしれませんので。スピーカーの音量が大きすぎるときにハウリングが起こりやすくなりますので、事前の音量確認の際には、どこまで音量を上げてもハウリングが起こらないか、上限を確認しておくと安心です。

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田久朋寛
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田久朋寛(セミナー講師)

大道芸人たっきゅうさん

大道芸人として13年のキャリアを持つ。老人介護施設や高齢者大学等で、大道芸とレクチャーとヨガをミックスした健康講演会「ユーモアセラピー」を開講。笑いの効果を生かし高齢者の心身の健康をサポートしている。

田久朋寛プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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