プレッシャーを大きくしないためにできること【プレゼンに笑いをプラスするコツ38】
平成から令和へと移り変わる特別なゴールデンウィークも終わりました。今回は「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第36回です。前回に引き続き、プレゼンに対する心理的ハードルを下げるために知っておくと役に立つ知識を紹介したいと思います。
厳しい視線が気になる…
プレゼンに限らず多くの人の前で話をすることへの苦手意識が強い人は、こんなことが気になるのではないでしょうか…
・明らかに最初からやる気がない人がいる…
・意地悪な質問をされたらどうしよう…
・アンケートにネガティブなことを書かれたら嫌だな…
明らかにやる気のない人、最初から寝る気満々の人、粗探しをするのが目的の人が会場にいるのではないかと思うと、不安が大きくなります。確かに、そのような人は残念ながら必ず何人かはいるものです。しかし、だからと言って必要以上に気にする必要もありません。プレゼンに対する不安を軽減するために知っておくと役に立つ知識を紹介します。
2:6:2の法則
2:6:2の法則という法則があります。多くの人がプレゼンや会議に参加した時に、
・2割の人は最初からあなたに対して好意的である
・6割の人は中立である
・2割の人は最初からあなたに対して否定的である
という法則です。
もちろん、毎回厳密にこの割合になるわけではありませんが、目安としてこのくらいの数字になると言われています。つまり、どんな会場でも、自分の主張に対して否定的な人が一定の割合でいるのは、ある意味当然であり、避けられないことなのです。このことを知っているだけでも気が楽になるのではないかと思います。
6割を味方につけられれば大成功
そして、この法則からもう1つプレゼンを成功させるために押さえておきたい大事なポイントがあります。それは、
・6割の人から共感を得られるかどうかが、成否の分かれ目である
ということです。2:6:2の法則に従えば、約6割の人はニュートラルな気持ちで話を聞いてくれています。その6割の人に対していかに共感を得るかが、プレゼンの成功の最大のカギになります。最初から好意的に話を聞いてくれる2割の人を合わせると、8割になります。8割の人が共感をもって話に賛同してくれれば、会場全体で見れば非常に明るい雰囲気になっているはずです。ニュートラルな状態で話を聞いてくれる6割の人に一番響くようなプレゼンをすることを心がけるのが成功の秘訣です。
ネガティブフィードバックは受け止めるが引っ張られ過ぎない
一方で最初から否定的で話を聞いてもそのスタンスが変わらないという人も一定の割合で出てしまいます。もちろん自分の話に共感してもらえなかったことは残念なことではありますが、あまり深刻に受け止め過ぎないことも大切です。ある主張に対する意見は十人十色で、全員が賛同することの方が珍しいです。むしろみんながみんな同じ意見を持つことを強いられるような場所は、自由がなく民主的ではありません。自分にとって嬉しい意見もあれば嬉しくない意見もある、それが当たり前です。
アンケートやレビューなどでは、中立的な意見よりも極端な意見が出やすくなる傾向にあります。アマゾンのレビューを見ていると、大ベストセラー作家に向かって「見どころがない」など、的を射ない辛らつな意見を見かけます。もしプレゼンに対してネガティブなフィードバックを受けたとしても、それを受け止め、改善するべき個所は改善することが必要ですが、会場全体の雰囲気が悪くなかったなら、その意見が全体の総意であるかのように受け止めて落ち込む心配は全くありません。むしろリアルタイムで話を聞いてくれるその場での手ごたえを大事にしてください。
一方で、会場の半分以上の人が寝ていた、明らかに全体の空気が途中から悪くなっていったということがあった場合は、最初中立だった6割の人の反感を買った可能性がありますので、ぜひこのコラムのバックナンバーや他のプレゼンの達人の書籍などを見て、少しずつ改善策を見つけて行ってください。
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