プレゼンにも使えるAIDA(アイーダ)の法則【プレゼンに笑いをプラスするコツ19】
「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第22回です。第21回では、参加者の緊張をほぐし、雰囲気を暖かいものとするために「アイスブレーク」という方法があることを紹介しました。アイスブレークの方法は無数にありますので、書籍やウェブサイトを通じてお気に入りの方法を探してもらえればと思いますが、今回は状況に合わせて内容を変えていくためのヒントを少しだけ紹介したいと思います。
参加者同士が初対面か、顔見知りかによって、適するものが違う
プレゼンや講座に多くの人が参加する場合、ざっくり言えば、以下の2つの状況に分かれます。
1.ほとんどの参加者同士が初対面である
2.参加者の大半が顔見知りである
プレゼンに限らず、初対面の人同士の場所は、顔見知りがほとんどの場合に比べて緊張するものです。参加者の緊張感に合わせて、適するアイスブレークの内容も変わります。以下、状況ごとに適するものを簡単にレビューします。
初対面の人が多い場合は、空気をほぐし一体感を生み出すことを目指す
前回紹介したように、初対面の人が多い場所では、同じ動作を一斉にしてもらうことによって、緊張がほぐれ、他の人の存在も感じることができて、一体感を作ることができます。初対面の人が多く会場に緊張感がただよう場合には、まずは緊張感をほぐすための動作を一緒にすることがオススメです。
作業療法士で、全国の介護施設や介護専門職を対象に研修を行っている介護エンターテイナーの石田竜生さんは、手拍子で笑いを生み出す方法をYouTubeの動画で公開しています。動画は高齢者を対象としたレクリエーションとして紹介されていますが、このような動作は、アイスブレークとしても使うことができます。
参考URL
【笑える体操】手拍子だけで笑いを生み出す方法・高齢者レクリエーション
https://www.youtube.com/watch?v=XuEYNQ9gzaE
また、最近では笑いを取り入れた体操もいくつか考案されています。有名なものだと「笑いヨガ」、「笑み筋体操」などがあります。京都市山科区で、「山科わっはっは体操」という体操を私と行政の協働で考案しました。口腔ケアを主眼とした体操ですが、健康講座などでのアイスブレークとしてもぜひご活用いただければと思います。
参考URL
お口の体操に笑いをプラス「山科わっはっは体操」
https://www.city.kyoto.lg.jp/yamasina/cmsfiles/contents/0000238/238052/wahahatirasi.pdf
私の講演会では、他のマジシャンもネタバラシしているような簡単なマジックを一緒に体験してもらうこともあります。そのようなマジックもぜひ調べてみてください。
顔見知りが多い時は、チームワークの向上を目指す
ごく限られた地域の住民を対象としたプレゼンや講座では、大半の参加者が顔見知りのこともあります。そのような場所では、比較的早く会場が打ち解けた空気になりやすいので、アイスブレークではチームワークを高めるようなものを行うことがオススメです。
ホワイトボードを使って思いつくことを列挙するゲームなどでチームワークを競うものがあります。私が講演を行う際には、「てん〇〇ゲーム」を行うことがあります。「てん」から始まる4文字の言葉を1分間でどれだけ言えるか、会場全体で挑戦します。ゲームには得意不得意がありますので、個人で競わせるのではなく、チーム全体でどのくらいできるか挑戦するという形式にすると会場が盛り上がります。
プレゼンや講座の後にグループワークを行うことも多いかと思います。グループワークでは、全員が平等に発言できることが成功の要になりますので、チームワークを高めるアイスブレークを事前に行うことは特にオススメです。
アイスブレークは、プレゼンの冒頭以外でも行えます。
アイスブレークは通常プレゼンやグループワークなどの冒頭で行うことが多いですが、別の場面で役に立つことがあります。それは
・参加者の集中力が落ちてきた場面の小休憩
です。長時間人のお話を聞くのは、どうしても疲れます。疲れるとお話の内容が頭に入りにくくなってしまいますので、どうも参加者の集中力が落ちてきたな、と思ったら、少し休憩をとり、緊張を緩める時間を設けることが有効です(このお話は、第11回で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください)。その小休憩で、アイスブレークのレパートリーを活用することができます。
状況ごとにご自分の好きなアイスブレークのレパートリーをいくつか用意しておいて、参加者の様子に合わせて冒頭だけでなく中盤でも適宜使い分けるようにしてみると、プレゼン全体の印象がぐっとよくなりますよ。
今回紹介したアイスブレークの具体的な内容は、どちらかというと中高年の地域住民を対象とした講演などで適した内容です。ビジネスの場面や若い人を対象に開発された手法も多数ありますので、ぜひ様々な手法を調べてみてください。
次回からは、お話そのものに興味を持ってもらう方法について考えてみたいと思います。
※ペンギンの画像は、こちらの著作権フリーサイトのものを使用しています。
https://publicdomainq.net/global-warming-0005103/
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https://www.humor-therapy.com